キャラクターの背景設定を考える ‐先に作中での役割があってもいいんです‐
はじめまして、ペンギンの下僕です。お見知り置きの方がおられますれば幸甚です。
今回のエッセイのテーマは、キャラクターの背景設定についてです。
小説に出てくるキャラクターというのは、それざれ、スポットライトの当たる比率に差があります。当然ながら、主人公とその周囲の人物ほど焦点が当たることが多く、故にこれらのキャラクターについては小説を書く前、あるいは登場させるにあたって設定を作り込む作者様は多いでしょう。
ですが、小説といえどそこには1つの世界がある以上、人物というのは無限にいるわけです。例えば学園ものであれば、クラスメイト、担任、部活の顧問、果ては用務員のおじさんや購買のおばちゃんなど、挙げ出せば枚挙に暇はありません。
名脇役、バイプレイヤーという言葉がある通り、こういったキャラクターたちの魅力は、その世界をよりいっそう深みのあるものにしてくれます。
そして無論、それらのキャラクターにもそれぞれ積み上げてきた過去があり、日々の生活があるわけです。ではそれらのものをすべて緻密に練り上げてから出すべきかと言うと――別に、そんなことをする必要はないと思っております。
無論、それが出来る方もおられるでしょう。ですが自分は、はっきり言って出来ません。とりあえずは「主人公やその周囲のキャラたちにとってどんな立ち位置か」くらいしか決めません。
ですが、そこから想像を膨らませることは出来ます。
例えば、「主人公を孫のように可愛がっている用務員のおじいちゃん」というキャラがいたとすると、最初はその役割だけで出していいのですが、余裕が出来た時にでも、「このおじいちゃんには実の孫はいるのか?」みたいなことを考えてみると、そこから背景について考えることが出来ますよね。
孫はいるけど疎遠だから代わりの愛情を向けているとか、孫は夭折したから若い学生たちにいっそう優しくしているとか、可能性は色々とあります。もちろん、成熟した精神性から若者に優しく寛容というだけでもいいのです。
ここで言いたいのは、キャラの行動に目を向けて見ると、そこに背景設定の種が潜んでいるかもしれないということです。
小説を書いていると、予期せぬ新キャラが生まれる時もあるでしょう。必要に迫られて特定の役割のみを与えただけのキャラを出すこともあるでしょう。または、なんとなくこのキャラはこの場面でこういうことを言いそう、という直感からセリフを書くこともあるでしょう。
そして、作中の役割から逆算してそのキャラの背景設定を導き出せることは出来ます。そしてその積み重ねが、世界観をより深いものにするのです。
作者様の思惑がどうあれ、その世界観の中にキャラクターは確かに生きているのです。故に、時にはそのキャラクターの言動に「なんで?」を考えてみてください。そこには必ず、そのキャラクターをより深掘りするための要素が潜んでいます。




