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百花征く剣 ~ 殺して奪うか、“えっち”して複製するか ~  作者: 凪山キコ
第一章 アストラニア王国編

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045 誘引(性)とアリスのダンジョン制覇

 全員ほろ酔いで帰ってきたせいか、リディアと〈誘引(性)〉の実験をしようと俺の部屋に入ると、当然のように全員がついてきた。


「こら。ダメだってば」


 リディア以外を〈念動(サイコキネシス)〉でつまみ上げ、部屋の外へ放り出して扉に鍵をかける。その上で部屋全体を〈空架障壁(スペースシールド)〉で囲った。扉ごと覆ったので、イレーヌの〈罠解除〉でも開けられないはずだ。


「じゃ、まずは〈誘引(性)〉を渡すね」


 もちろん〈スキル複製(性)〉で渡す。〈強制終了フォースドターミネーション〉で済ませるのも味気ないので、普通に三十分ほどかけて渡す。


 渡し終え、リディアの息が整ったところで、


「じゃあ、リディア、お願い」


 まずは“アレス”の姿で試す。


「では……いきます。〈誘引(性)〉!」



 〈誘引(性)〉

 異性に効果のあるフェロモンを放出し、対象を強制的に発情状態にする。異性との性交で対象が満足すれば解消される。放置すれば三日間、身を焦がすような欲情に苛まれる。



 もとはオークキングが女性を対象に使っていたスキルだが、“異性”に作用する以上、女性のリディアが使えば男性に効果があるはずだ。


 リディアの体からピンク色の煙のようなものが放たれ、部屋いっぱいに広がる。しばらく待ってみるが、俺自身に変化はない。やはり効かないか。


「やっぱり俺には効かないな。じゃあ、今度は男女を逆にしてみよう。リディア、大丈夫か?」


「はい、問題ありません」


「じゃ、リディアを男性にするぞ。〈性別変更(ジェンダーシフト)〉!」


 みるみるうちにリディアが男性化し、銀色の長い髪の長身イケメンが現れる。背も高くスタイルも抜群で、下半身もやたら立派だ。……これって胸の大きさに比例しているのか?


 そして俺も“アリス”になる。なぜかその瞬間、リディアは顔を赤くして(うつむ)いた。


「じゃあ、リディア、お願い」


「では……〈誘引(性)〉!」


 再びピンクの煙が広がる。だが、やはり私には何の変化もなかった。“アリス”の姿でも無効であることが証明された。


「リディア、ありがとう。やっぱり私には効かないみたい……ん? リディア? どうしたの?」


 顔を赤らめて俯いていたリディアの体がわずかに震えている。そして――リディアの下のモノが元気になってきている? しまった、今の私たちは裸じゃん!


「……アリス様、申し訳ありません……後でどんな罰でも受けます……抑えきれません!」


 そう叫ぶと、男性化したリディアが襲い掛かってきた。


「うわぁっ! 〈性別変更(ジェンダーシフト)〉!」


 間一髪で女性に戻す。しかしリディアは止まらない。


「ちょ、リディア! 女性に戻したってば! どうしたの!?」


 見るとリディアは完全に発情していた。……なるほど。男性化している間に使った〈誘引(性)〉が残っていて、女性に戻したせいで自分に作用してしまったらしい。


「こんなことあるのね……」


 自分のスキルに自分でかかるとか。私が戻すタイミングが悪かったんだけど。


 そのとき、外が騒がしくなった。ドアノブが壊れそうな勢いでガチャガチャと音を立てていた。慌ててドアを開けると――全員がなだれ込んできた。


「なに? 何があったの?」


 比較的冷静に見えるセレナに問いかける。


「全員で扉に張り付いて……中の音だけでも聞こうとしたら……〈誘引(性)〉にかかってしまったみたい」


 ……〈誘引(性)〉が〈空架障壁〉をすり抜けることを想定していなかった。

 結局、“アレス”に戻って六人全員を相手する羽目になった。ついでにティアの〈聖魔法〉をレベル8に上げておいた。


 ◇


 翌日。


 ――地下三十階、ボス部屋前。


「来なくていいと言ったのに……」


 ルビナは鍛冶修行へ向かったが、それ以外の全員が“アリス”のオークキング戦についてきた。ただ、一つ問題があった。


「女性六名……だけですか? 男性なしで挑むおつもりですか?」


 ギルド職員が険しい顔をする。通常、女性だけでオークキングに挑むのは自殺行為だからだ。


「“誘引無効の指輪”があるので大丈夫です!」


「所持しているのは一つだけですよね? 他の方々は……まず間違いなく男娼に頼ることになりますよ?」


 とにかく“誘引無効の指輪”を持っている私が倒すから大丈夫! と言い聞かせて、ようやく許可が下りた。もっとも、〈誘引(性)〉なんて使わせないけど。


 扉を開け、オークキングの待つ部屋へ入る。指名依頼のせいで、こいつとはもう飽きるほど戦った。


「じゃ、アリスはそこで待ってなさい。私たちが倒してきてあげるわ」


 イレーヌはそう言うが、お前たちの魂胆はわかっている……どうせ〈念話〉で打ち合わせ済なんだろう。


 私はすぐさま〈空間転移(テレポート)〉でオークキングの背後に飛び、ロングソード一閃。オークキングの首を斬り落とした。周りに誰も味方がいないなら、アリスでも遠慮なく剣は振れるのだ。


「「「「「あー!」」」」」


 一瞬で終わるボス戦。女性陣のブーイングが響く。いや、今日の目標は地下四十階だからね。ここのセーフルームで一人三十分とかやってる暇ないのよ?



 ――地下三十一階。


「じゃあ、ここからはフォーメーション組んで……ってそろそろ機嫌直してよ」


 なかなか女性陣の機嫌が直らない。特にイレーヌとリディアは「ローテーション二回飛ばし」の刑が確定しており、不満げだ。自業自得なんだが。もちろんルビナも「一回飛ばし」の刑を食らっている。


 前衛 リディア ジーナ

 中衛 イレーヌ

 後衛 アリス セレナ ティア


 後衛厚めの布陣。これまで撲殺専門だったティアも〈聖魔法〉で攻撃できるようになったため、“魔法使い”が三人揃う豪華な編成となった。しかも全員が称号持ち。戦闘は余裕だった。


 その日のうちに地下四十階のボス、ミノタウロスキングを撃破。ワープポータルから地上へ帰還した。



 さらに翌日。


 トロールなど相手にならず、コカトリスもバジリスクも、ワイバーンもキマイラすら楽勝。全員が強化されているうえ、ジーナの〈戦場鼓舞〉(戦闘中、味方全員の全ステータス上昇)がかかると、もはや敵なし。あっという間に殲滅してしまう。


 地下五十階のボスであるグリフォンも、リディアが〈挑発〉して受け止め、ジーナが首を斬り落として終了。強すぎるパーティだ。


 今回はグリフォンをドロップ変換せず素材を回収したところ、〈爪[7]〉、〈嘴[7]〉、〈威圧[7]〉、〈羽根弾[7]〉、〈風刃(羽)[7]〉、〈飛翔(羽)[7]〉を入手。もっとスキルレベルが高いと思っていたが、あの強さでレベル7とは……上位種が来れば苦戦は避けられないだろう。


 コアルームでは誰も何も得られなかった。同一ダンジョンでは貰えないのかもしれない。違うダンジョンなら貰えるのだろうか。

 地上へ戻りギルドへ報告。こうしてアリスも無事、Aランクに昇格した。

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