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ミッションの拝命式

11月13日。17時。浅美たちはイサリ公国にいた。4人は久々に魔法戦士の正規のコスチュームを身にまとった。紺のブレザーに白のミニスカート。今日は拝命式のため、白のアームカバーの装着は特別に免除された。浅美たちは玉座の間に通されたが、すでに魔王さまが鎮座して満面の笑みを浮かべていた。イサリ公国は32歳のピエタと30歳のモッカが仕切る。4人が魔王さまの前で片ひざをつき、拝命式が始まった。彼ら側から見てピエタの左に浅美。右に莉奈。モッカの左に悠月。右に羽澄。「みんな、よく来てくれたね。ご苦労さま。浅美たちには極めて重要なミッションをこなしてもらう」ピエタは続けた。「成功すればみんなはまたアデルたちと戦える」浅美たちは悦びに打ち震えた。でももし失敗したら?「仮に失敗に終わっても大丈夫だ」モッカが続けた。「その時はその時に考えればいい」意外とゆるいので4人は胸を撫で下ろした。次は浅美たちの決意表明。まず浅美が自身の決意を述べた。「リタイヤ中にもかかわらず魔王さまに新たなるミッションを与えられて光栄ですわ」「浅美はアデルたちと歳が離れているが、やりにくくないかね?」「そうでもありませんわ。もちろん若い子に混じって正規のコスチュームを身にまとって戦うのが恥ずかしくはありますが」「浅美と悠月はみずみずしい。まだまだ若いし自身の歳など気にしないで戦いなさい」「あ、ありがとうございます魔王さま」次に莉奈が決意を述べた。「もう1度テオたちとやれるのが嬉しいですわ」「莉奈と羽澄は活発だし華があるね。テオたちもきっと再戦を待ち望んでいるはずだ」「彼らはお元気ですか?」「もちろんだ。テオたちが莉奈たちを忘れたことはない」「じゃああまり待たせてはいけませんわね」「大丈夫さ。莉奈ならばきっとできるよ」「必ず成し遂げてみせますわ魔王さま」次に悠月が決意を述べた。「今度は私たち母親が魅せる番ですわ」「そうだね。リタイヤする前は娘たちが奮闘していた。今度は悠月と浅美がカバーする番だ」「魔王さまの期待に添えるよう頑張りますわ」最後に羽澄が決意を述べた。「1度はルネたちに勝たないといけませんわ」「そうだね。結果はおのずと付いてくる」「私たちはこれまで通りでいいのでしょうか?」「そうだね。私たちには実戦の経験値がないが、羽澄と莉奈はこれまで通りでいいだろう」「王族と庶民の違いはありますか?」「もちろんあるが、リアルも異世界も女の子はあまり変わらないよ」「では王族相手に特別な対策は不要ですか?」「もちろんだ。あくまでも自然体でぶつかること」「必ず成功してみせますわ魔王さま」ピエタたちは莉奈と羽澄が極めて意欲的なのに大満足。拝命式が終わると浅美たちは帰宅した。名古屋は22時。リアルと異世界では4時間の時差があるため、莉奈と羽澄は学校を休まなくてもイベントに参加できた。イサベラからの情報ではオルガたちとの交渉は週末になる予定。1度にオルガとカレンが抜けられないため、土曜にオルガとイレーヌ。日曜にカレンとソフィア。2組に分かれて違う日に交渉に臨む。実戦でもこの組み合わせになることが想定されていた。通常ならば参戦した魔法戦士にはコンビ名が付与されるが、オルガたちにはまだコンビ名が付与されていない。王族だから特別な名前を付与されるわけでもないが、早急な参戦がないというのが率直な見方。だからこそ彼女たちにはコンビ名が付与されていないのだ。浅美はオルガを担当するのでプレッシャーがキツい。でも悠月は長女のカレンだし莉奈は同い年のイレーヌ。羽澄は2つ歳下のソフィアだから気楽といえた。イサベラからの情報によればオルガは夫以外に男を知らず、カレンも振られた直接だから堕としやすい。イレーヌとソフィアは魔法戦士研究会に入会し、正規のコスチュームに袖を通したそうだ。下の子たちは莉奈たちと似た流れで先輩たちにからだの開発を進められていく。となればやはりオルガとカレンが軸になる。対戦だけでなく交渉の場でも母親たちの奮闘が欠かせないが、浅美と悠月はリタイヤの雪辱に燃えていた。やはり私たちには母親としてのプライドがあるし、その前に女でもある。娘たちに負けたくない思いもある。母娘戦士がマルスをめぐり張り合うのはお約束の流れであり魔法戦士取り込みのセオリーでもあった。あえてそうしたわけではないが、新たなるミッションは浅美と悠月が軸になる。イレーヌとソフィアの攻略は二の次であり、実権を握るオルガとカレンの攻略が不可欠。でも果たしてカレンはどうか?一番読みにくいのがカレンの動向。いくら振られたばかりとはいえ第一王女だし、男の子が入れ食い状態かどうかは未知数。そんなふうに言われているが、まだ16歳の女の子。カレンは意外と簡単にはいかないかもしれない。悠月は懸念した。思春期の女の子の扱いは難しい。杞憂に終わればいいが。

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