悠月と羽澄の訓練
12月8日。悠月と羽澄はイサリ公国でハンナたちと訓練を行った。コリスは紺のブレザーに白のミニスカート。悠月は赤。羽澄はブルーの下着とオーバーニーソックスを身にまとった。ハンナはピンク。ヘルガは黒のレオタードタイプ。オーバーニーソックスはハンナがチャコール。ヘルガがモスグリーン。訓練場所は廃校の体育館。初めの30分が上からのキックの練習。残りが実戦形式。4人は再会を喜んだが、感慨に浸るヒマはない。「急ピッチで仕上げないといけないわね」「とりあえずクロスファイヤーとフルキックは温存ね」「今日はハーフキックと対面を磨かないとね」「そうね。羽澄たちはこれらに特化するしかないわ」アリエスはステージへ。コリスは真ん中の足場へ向かった。4人は白のアームカバーを装着。10月から3月まで魔法戦士は屋内のみで訓練と対戦を重ねていく。これをいち早く実現したのがイサリ公国。他の国ではいまだに屋外での訓練や対戦がふつうに行われている。悠月たちはからだをかがめてジャンプした。天井に両手をつき、力をため頭を下げながらステージに向かう。でもハンナたちにあっさりかわされてしまった。余裕でかわされたのは反動を利用しきれていないからだ。美人母娘はそそくさと足場へ戻った。やはりブランクはあるが、ハーフキックなら時間を節約できる。対面の練習にも時間をかけられるはず。コリスは前向きに捉えた。徐々にハーフキックがアリエスを捉え始めた。悠月たちはいつものフォームに戻りつつある。魔法戦士はステージ奥のスクリーンを見られるため、そこで自身のキックのフォームをチェックできるのだ。これはマルスの欲求をも満たす。というのも彼女たちはミニスカートのめくれ具合までチェックする。だからこそ下着の魅せ方までこだわり抜けるのだ。美人母娘はニュース映画を見て初めて気づいた。何度も見返して初めて気づいた。コリスはカンを取り戻すことを最優先したが、浅美たちと同じく下着の魅せ方にまでこだわり始めた。もちろんコリスの仕上がりは順調だ。クロスファイヤーとフルキックを除けばだが。休憩に入ると悠月たちはハンナたちとの雑談に花を咲かせた。「やっぱり寄る年波には勝てないわね」「何言ってるのよ悠月。あなたのファンが減るわよ」「私は少しカンを取り戻せたわ」「羽澄はブランクを埋めたわね」休憩が終わると今後は実戦形式。でも柔軟体操と雑談タイムは割愛した。美人母娘はハーフキックから始めた。いきなりヒット。かすった程度だが、幸先のいいスタート。だが対面での動きは重い。コリスのハイキックはミドルキックに近く高く上がらない。アリエスも同じ。やはりハイキックはミドルキックに近い。悠月たちはステージでの戦いでムリをせず足場へ戻った。美人母娘はハーフキックに特化し対面での戦いに力を入れた。おかげでステージでの戦いが白熱した。お互い徐々にからだがスムーズに動き始めた。時間を節約したコリスの練習が奏功し、リズムが生まれた。通常ならば上からのキックでリズムが生まれるが、初戦や復帰戦は必ずしもそうはならない。独自の調整が不可欠だが、悠月たちには実戦の経験値がある。確かにクロスファイヤーやフルキックを使えないのは痛いが、ハーフキックと対面を磨かないとチャンスはない。悠月たちはハーフキックに創意工夫を凝らした。威力を欠く分、下着の魅せ方を工夫したのだ。このあたりは浅美たちと同じ。ふだんハーフキックは後半にしか使わないが、復帰戦では多用するだろう。むしろハーフキックの方がミニスカートのめくれ具合が小さく、気品が感じられるのがいい。ハンナたちにも大好評。美人母娘は確かな手応えを感じた。コリスはキサラと同じく対面でフライングニードロップを織り交ぜた。マルスの目が慣れるまでは使えそうだ。冷静に対応されるともろい技でもあるが、ブランクはハメルたちにもある。必ずしも不利なわけじゃない。悠月たちは久々の実戦形式を満喫した。やっぱりいい。美人母娘は自身だけでなくパートナーの下着の魅せ方まで堪能できる。身内は不思議と官能的に見えるもの。コリスはお互いドキドキし合うシーンもあった。美人母娘や美人姉妹が対戦を重ねるたびに変な雰囲気になるのはお約束の流れでもある。何しろ身内同士でコスプレして異世界で男の子と戦っているのだから。マルスの即興を通じて母娘や姉妹でいられなくされてしまうかもしれないスリルがたまらない。そんな子も地味に多い。悠月たちは性的な刺激やハプニングを求めていた。もちろん浅美たちも痛切に求めていた。スクリーンは自身の下着の魅せ方をチェックするだけにとどまらなかった。母娘や姉妹での恋愛を堪能する。実はそんな裏設定もあるのだ。やはり身内同士の恋愛は燃え上がるし、マルスとの関係にとどまらない。帰宅した美人母娘には久々の高揚感があった。あとは復帰戦を迎えるだけだ。