浅美と莉奈のプライベートビデオ
11月27日。浅美と莉奈に朗報が届いた。アデルたちへのプライベートビデオを出すことが認められたのだ。アナログ社会の異世界ではプライベートビデオがいまだに主流。プライベートビデオは愛の告白に他ならず、これ以上の愛情表現はないとされる。浅美たち全員にビデオカメラが貸与された。後日イサベラにプライベートビデオを渡せば完了。基本的に生まれたままの姿はダメだが、それ以外ならよしとされた。さっそく家族会議が開かれた。下着姿に水着姿。もちろんコスプレ姿もあるが、どれがいいか?浅美は定番のコスプレ姿を主張した。「確かに定番だけどね。でもアデルたちはしばらく見てないでしょ?」「確かにね。でもお母さん、下着姿や水着姿も新鮮でいいんじゃない?」「私はそこまで自信がないわ」このあたりは思春期の女の子と三十路の女性との違い。美人母娘は長いこと話し合いを続けたが、決まらず。「でも私たちのツーショットも入れないとダメ」「そうね」基本的には別々に撮るが、ツーショットも挿入する。浅美は悩んだ。これまでは魔法戦士だったから歳下の男の子に受け入れてもらえてた。もちろん莉奈の母親だからという側面もある。だけど今さら私のプライベートビデオに需要なんてあるのかな?でもアデルとの再戦が近いし、せっかくのチャンスなんだから。莉奈はまずスク水姿から撮り始めた。次に半袖の体操服に紺のブルマー姿。もちろん制服姿も入れた。ネグリジェ姿はあえて寝起きのタイミングで撮ろう。活発な娘に触発され、母親もようやく動き始めた。浅美はまず魔法戦士のコスプレ姿から撮り始めた。でないと撮影がいっこうに始まらないからだ。すると不思議なことにないはずの自信が芽生えてくるのだ。これならまだいけるかも。そんな気分にさせてくれる。魔法戦士のコスチュームには不思議な力が宿っていた。でなければ三十路の女性が世界線を超えて参戦なんかしない。ましてや実の娘の前で。見知らぬ男の子の前でコスプレ姿を披露するのだ。通常ならあり得ない。美人母娘はたまにツーショットを披露しながら撮影を続けた。莉奈は下着姿に力を入れるが、浅美は躊躇した。果たしてアデルがどこまで私を欲してくれてるのかわからない。入浴シーンに挑戦したが、湯気が立つし、ハッキリ映らないのでやむなく断念。裸身がハッキリ映らなければ入浴シーンもセーフだが、莉奈は後日に回すことにした。うまく撮れる自信がないからだ。プライベートビデオは前例のない試み。アンジェラだからこそ許された特権だが、いざとなると難しい。莉奈はふだん見られない姿をたくさん撮ってテオに見てもらいたい。でも浅美はそこまで自信がないので試行錯誤が続く。プライベートビデオは莉奈主導で行われた。例えばツーショットに母娘の下着姿を挿入した。すると浅美ががぜんやる気を出し、下着姿に力を入れ始めた。母親は娘とのツーショットを軸にうまく回り始めた。浅美は莉奈と寝起きのネグリジェ姿を一緒に撮り、大満足。莉奈は寝癖がひどく、浅美は胸もとがチラリと覗く。イサリ公国は浅美たちの[見られる快感]を育てる意図があった。更に[見せる快感]をも育てる狙いがある。未来の通い妻からすれば極めて当然の行為であり、浅美たちは着実に大団円へと向かい始めた。美人母娘の絆は深まり、暮らしは豊かになり、幸せへと向かう。もちろんオルガたちもだ。お姫さまたちは幸せになるに決まっていた。ヘルバアの脅威から脱し、公務のストレスから開放され、大団円へと向かっていくのだ。浅美たちは悠月たちからアドバイスをもらいながらも自身のプライベートビデオを完成させていった。それはあたかも魔法戦士が完成に向かう姿に似ていた。私たちは彼らに恥じらいを育ててもらいながら徐々に完成へと向かっていく。プライベートビデオはいわばご褒美のようなものだ。こんなことを許されたのは私たちだけなんだから。他の子たちには与えられない。美人母娘は歓喜した。中にはミッションを与えられずに復帰した同期がいるが、初めは羨ましかった。でも今は違う。私にはミッションがあるんだから。これを成し遂げた先に大団円が待っている。アデルたちだって私たちを待ちわびてるはず。あまり待たせたくないが、かと言ってオルガたちをせかすつもりはない。だって私たちの再戦は時間の問題。必ず来るんだから。浅美は莉奈と同じく下着姿がメインなのに苦笑した。さすがにスク水姿や半袖の体操服に紺のブルマー姿。制服姿を除けば莉奈のコピーに限りなく近い内容。なるべく差別化を図りたいが、イヤでも似てしまう。でも初めてにしては上出来じゃあないかしら。入浴シーンがないのが残念だけど。機材を痛める恐れがあるため入浴シーンは断念した。でも下着姿はバリエーション豊富だしネグリジェ姿は寝起きにかなり力を入れた。なので母娘で似た内容だが、アデルたちは満足してくれるはず。