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悠月と羽澄の交渉2

11月24日。悠月と羽澄はシラナミ公国にいた。2人は紺のブレザーに白のミニスカート。悠月は赤。羽澄はブルーの下着を身にまとった。オーバーニーソックスは悠月がチャコール。羽澄がモスグリーン。通訳のルーシーは白のナース服のコスチューム。下着は黒。オーバーニーソックスはグレー。今日はカレンがミニスカートを履き、3人を驚かせた。「何か嬉しいことがあった?カレン」「まあね。あなたに贈られたコスチュームが気に入ったのよ」「それはよかったわね」さすがにまだニュース映画は見ていないが、すでにオルガが見始めた。第一王女の陥落も近いが、悠月はあせらない。まだ失恋の痛みが癒えてないかもしれない。まずカレンが近況を語り始めた。彼氏と別れて2ヶ月弱。そろそろ新しい恋を見つけたいが、なかなかめぼしい人がいないと嘆いた。でも夏服とはいえ魔法戦士のコスプレは悪くない。今日は冬服を贈られて第一王女は目を輝かせた。「でも魔法戦士は衣装代がかかるでしょ?」「交戦国が無償で支給してくれるから基本的にはかからないわ」「そうなの?」このあたりは王族との違い。どうしても衣装代がかさんでしまうが、魔法戦士は無償。「どうして交戦国が支給するの?」「私たちは交戦国に保有されるからよ」「そうなんだ」魔法戦士は交戦国に保有され、しつけられる。「じゃあ最悪の結末が用意されてないかしら?」「それはないわ」「どうして?私たちを貶め辱めたがる殿方はたくさんいるはずよ」「異世界の庶民は日本と違って節度があるし民度が高いのよ」ルーシーは以前、とある国のお姫さまたちがマルスに敗北し、従属の儀式に臨んだ話を始めた。その時の王族は彼らに拘束され、街を引き回されたが、お姫さまたちは庶民に貶められたり辱められたりしなかった。どころか玉座の間で魔王さまの前に引き出されもせず、釈放された。本来ならば口内に男性器を模したプラグを喉の奥までグッと挿入され、目隠しをされ、あごの下に両手で拝むような姿勢を取らされる。そしてお姫さまたちは太い首輪と手錠を科せられるのだが、プラグと目隠しは特別に免除された。「その子たちはどうなったの?」「今でも彼らの通い妻として幸せに暮らしてるわ」魔法戦士はマルスにリスペクトされ、大切に扱われる。「羽澄、王族ならどう?庶民の魔法戦士と扱いは同じ?」「たぶん変わらないわ」「そうかな?」「お姫さまたちを手荒く扱えばコンプライアンスに抵触するわ」異世界のコンプライアンスが王族と魔法戦士を守るのだ。「じゃあコンプライアンスに抵触したらどうなるの?」「交戦国のマルスは全員予備役に回されるわ」「連帯責任なのね?」「だからこそ異世界はコンプライアンスにうるさいの」「なら安心ね」活発なソフィアに触発され、カレンも徐々に活発になった。「悠月、ニュース映画を見たらふしだらにならない?」「ならないわ」「そうかな?」「むしろ自身に対して素直になるわ」「自分の性欲に対しても?」「そうね。でもしんどければムリに見なくてもいいわ」「そうね。家族みんなが見てるから不安になったのよ」「ビデオに録ってる?」「確かお母さまが録画してくれてるわ」「じゃああせることはないわ」悠月は攻めすぎないように努めた。下手に刺激すれば元も子もない。第一王女は悠月の配慮に感激した。「でも悠月だってマルスの殿方と今すぐにでもやりたいでしょ?」「もちろんよ。でも私にはミッションがあるからね」「それをクリアしないと再戦が叶わないのね」カレンは考えた。いつまでも悠月たちを待たせるわけにはいかない。私だって新しい彼氏が欲しい。「悠月、新しい彼氏が欲しくて参戦しても構わない?」「もちろんよ。実は私たちだってそうなんだからね」交渉が終わると5人は雑談に花を咲かせた。ソフィアは自身のコスプレ体験を誇らしげに語り、カレンはルーシーのコスプレデビューの話を聞いて感心した。「でも冬服ならいけそうね」「カレンは美人だしスタイルもいいから大丈夫よ」「でもまずは身内からね」王族はまず身内同士でコスプレ姿を見せ合うことで合意した。これだけでも大きな進展。カレンがニュース映画を見始めれば完ぺき。第一王女は新しい彼氏が欲しいし、女王はニュース映画に触れ、若々しさを取り戻しつつある。2人は公務のストレスもあるようだ。「カレン、公務には慣れた?」「そうね。ようやく流れはつかめたわ。でもやっぱり味気ない雑務ね」3人が帰るとお姫さまたちは寂しさを感じた。ソフィアは先輩たちと外出。どうやら新コスプレ通りに行くようだ。もちろん魔法戦士のコスチュームを身にまとって。カレンは部屋で冬服を身にまとった。姿見に写し出された彼女はうっとりした。やっぱり素敵ね。まだ白のアームカバーを与えてもらえないが、それを両腕に装着する日も遠くない。ニュース映画はひとりでこっそり見よう。お母さまもそうしている。

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