新しい人生
扉の隙間から、光が差し込む。
眩しい。
目を開けて最初に感じたことはそれだった。
そしてその後思ったことは、自分が誰でここはどこだということ。
どうやら、ベットの上で寝てたみたいだ。
「俺は確か...]
記憶を思い出そうとしたが何も思い出せなっかった。
「お、起きたか。ひとまずおはよう。」
俺の前に立っているのは、片目に傷があるが、ハンサムなオールバックの髪型をしている男が立っていた。
「俺はマイク。今日から俺の息子であり、クロ家の一員だ。よろしくな。」
とりあえず、今この人が俺の父親になったことは分かった。
そして俺がクロ家の子になるということも。
ん?なんかこの感覚前にも感じたことあるような...
そんなことを考えていると、扉の奥の方から、元気な声が聞こえてきた。
「あっ起きた!おはようー!体調はどう?」
ピンク髪のツインテールで、かなり整ってる顔をしている女性が入ってきた。
「おい、急に大きな声出すな。ビックリするだろ。」
その後ろから来たのは、黒髪でこちらもかなり顔の整っている男が入ってきた。
「あー?そんな大きな声出してねーし。」
(見た感じ家族だと思うが仲はあんまり良く無さそうだな)
「よろしくな今日から。」
「一緒にお風呂入ろうねー!!」
「普通に考えて兄である俺が先だろ。お前は後だ。」
二人の言い合いの間に軽く父であるマイクから二人の紹介がされた。
「長男のカイトと次女のマリナだ。これからタクトの兄貴と姉貴だ。仲良くしてやってくれ。」
ここででてきた、タクト、という名に疑問を持ったが自分がすぐにその名であると自覚した。
そしてもう一つ疑問があった。それは、自分の母となる人物がこの場にいないということだ。
ここで、俺の顔も見て分かったのか長男であるカイトが口を開いた。
「母さんなら、仕事だ。帰ってきたら話すと言い。」
と家族に母がいることを教えてくれた。
次に次女であるマリナが口を開いた。
「ねえねえ、年は12歳でいいんだよね?」
そう聞かれたが自分が何歳であるかも思い出せない。
「ああその歳で通している」
と父親であるマイクが言う。
「あと、少しこの生活に慣れたら学校に通ってもらう。」
「学校?」
「うん、学校だ。心配しなくても大丈夫だ。カイトとマリナがいる。ただ日常を過ごすだけでいい。」
学校という聞きなじみのない言葉。
俺の心中では不安などは不思議となく、ワクワク感だけが残されていた。