表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

10/12

第10話 美しき悪夢 後編

戦闘形態のまま、檻の中に閉じ込められた俺は、目の前の出来事に困惑した。


コウモリの羽を持つ女性超魔人『コウモリース』が飛来して、ジョッガーの上級幹部である『超魔男児アダム・ドロン』と幹部の『超魔女子アップル・イブ』を光の十字架『リースクロス』に(はりつけ)にしたのだ。


どうやら、この仲間割れの原因は、男女関係のトラブルらしい。


コウモリースは、磔にした二人を見て、勝ち誇った表情をみせる。そして、アダム・ドロンの股間を隠す、無花果(いちじく)の葉っぱを剥ぎ取った。


露になった下半身を見て、


「こんなモノをぶら下げているから、スケベ女に惑わされるのよ」


と、コウモリースは腰の長剣を抜く。


「まて、待ってくれ、コウモリース。これは政略結婚なんだ」


このアダム・ドロンの発言を聞いて、怒りを顕にするアップル・イブ。


「はあ、何が政略結婚なのよ。変な言い訳をして、情けない男ね」


「悪いのは全部、この女だ。わかってくれ、コウモリース」


必死に助けを乞うアダム・ドロンを横目に、アップル・イブは吐き捨てた。


「最低な男ね」

「一番、最低なのは、ココよ」


と、コウモリースはアダム・ドロンの下半身を蔑みの目で見て、長剣で突っつく。


「まっ、待ってくれ、この女を殺そう。そして、俺と結婚してくれ」


その言葉を聞き、コウモリースは、


「馬鹿じゃないの」


呆れた表情で、長剣を刃を走らせ、スパンッ、と、彼の一物を切り落とした。


「ぎゃあぁぁーっ!」


悲鳴をあげる、アダム・ドロン。


「な、なんてことを、するんだ!」

「あなたはには、必要ないモノよ」


壮絶だ。壮絶すぎる超魔人の私刑。檻の中の俺も恐怖した。


「せめてもの情けよ。一瞬で殺してあげるわ」


そう言って、コウモリースはアダム・ドロンの心臓を長剣で貫いた。


「ぐあぁーっ」


と、一声の断末魔。アダム・ドロンは磔にされたまま、絶命したようだ。


「次は、お前だ。アップル・イブ」


コウモリースは、そう言った後、一旦、アップル・イブに背を向ける。


「先に、あなたを助けてくれあげるわ。可愛い()


と、知里を縛っているロープを、長剣で切断して、抱き抱える。


「爆弾を取ってあげるから、四つん這いになって」


「えっ、四つん這い?」

「恥ずかしがらなくても、いいのよ」

「で、でも」


知里は、真っ赤な顔になり、四つん這いになった。


「もっと、お尻を上げて」


コウモリースに言われて、白い尻を突き上げる知里。


「行くわよ、力を抜いて」


知里の尻に口を付ける、コウモリース。


「あっ、そんな事」


グッと目を閉じる知里。その尻をコウモリースは吸引した。


チュウーッ。


「あぁ、駄目えぇ」


切ない声を漏らす知里。さらに強く、コウモリースは吸い込む。


チュウゥゥーッ。


「ああっ、あぁぁーっ!」


知里は、四つん這いの姿勢で、身をよじった。


「んっ、取れたわ」


コウモリースは知里の体内から吸出したリトル・ガールを、口から吐き出し、掌に乗せる。


「これは、お前に返してやる」


リトル・ガールを見せながら、コウモリースは、アップル・イブに近づいた。


「や、止めろ、それは止めろ!」


磔にされたアップル・イブが喚く。


アップル・イブの股間のカップを外す、コウモリース。リトル・ガールで、その『部分』を突っつきながら、


「これは、どこに入れるんだ?」

「止めろよ、変態女」


「変態は、お前だろう。好きなのは『前』か『後ろ』か?」


コウモリースは、アップル・イブの下半身の茂みにリトル・ガールを突き刺し、


ブスリッ、


と、強引に『前』に挿入したようだ。無理矢理に入れられたアップル・イブは顔を歪める。


「痛いッ」

「何が痛いだ。ガバガバのくせに」


その言葉に、怒り狂う、アップル・イブ。


「ふざけんな、クソ女!」

「クソ女は、お前だ」

「殺すなら、早く、殺せよ!」

「殺してやるよ、馬鹿女」

「うるせえ、ドブス、早く殺せ!」


コウモリースは、アップル・イブを睨み付けながら、数歩、後ろに退き、


「ファイヤー!」


掛け声と同時に、アップル・イブの下腹部が、


バゴオォォーン!


爆発した。血と肉片が飛び散る。


光の十字架に、磔にされたアップル・イブの上半身だけが残った。凄惨な処刑だ。


全身にアップル・イブの血と肉片を浴びた、コウモリースがニヤリと笑いながら、


「まあ、こんな理由だけど、私はジョッガーを裏切ったことになる。これからは、あなたたちの味方になるわ」


こうして、俺と知里は、コウモリースに助けられた。



その後、盛高知里は、体調を崩して、病院に入院してしまった。無理もない、残忍な方法で殺されかけたのだ。精神的にも、かなりのショックを受けたのだろう。


その知里を看護師に扮した、コウモリースが警護している。彼女に任せておけば知里も安全だ。


俺の方は、とりあえず、一人で、昭和レトロな喫茶店『栗とリス』の営業を続けることにした。 この世界で生きていくにも、金銭が必要だ。何かしら働いて、現金を稼がなくてはならない。


しかし、洋子博士は、どこに行ってしまったか?


洋子博士が消えた、この世界。


独り残された俺は、まるで孤島に取り残された『漂流者』のようだ。なぜ、俺は、この世界に転生してしまったのだろう。しかも、正義のヒーローとして。どうして俺は、ジョッガーと戦う『使命』を背負ってしまったのか。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ