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決闘を申し込まれました

「ホームルームにて」より、設定を変更し、光属性を追加して8属性になります。


それでは、本編をご覧ください

 測定が終わった後、自己紹介があった。

 僕的には、測定の前にするのが普通じゃないのかな?と思ったが、この学園ではこれが普通みたいだ。

 自己紹介は普通に終わりすぐ帰ることになった。

 ただ、学園は寮生活のため帰ると言っても、行き先は寮だ。

 ちなみに、アリスは人気があるらしく級友に囲まれていた。彼女は笑顔で対応していた。


 僕は、学園内を少し回り食堂の場所を確認して寮に向かった。


「だから、何度も言っていますが、あなたとは婚約しません!」

 女性の大きな声が聞こえた。

 なんだ?


 そう思い僕は声の主を見る。

 そこには、アリスと登校の時に僕を押し倒したデーブがいた。


 そういえば、あいつも同じクラスだったな。


「そんなことを言わずに、名家であるザーコー男爵家の次期当主である私と婚約するのに相応しいのはドーナーン公爵家の令嬢であるアリス様だけなのですから」

「だから、あなたはいろいろと無理ですから、婚約しません!もう二度と近づかないでください!」


 そう言い、アリスは立ち去ろうとするが、デーブはアリスの肩を掴んだ。


「待ってください、もう一度考え直してください、アリス様は私が必ず幸せにするのでーー」

「やだ、離してください!」


 さすがに、見てられない。そう思い、僕はすぐに駆け寄りアリスの肩を掴んでたデーブの腕を掴む。


「もうやめろ、アリスが嫌がってる、いい加減離してやれ」

「……ユウ……」

「誰だ貴様ーーって今朝の平民ではないか、お前みたいな這いつくばるしかない平民がこのデーブ様の腕を許可なく掴んで、しかも、ドーナーン公爵家の令嬢であるアリス様を呼び捨てとはいくらなんでも調子乗ってませんか、アリス様?」

「ユウは私の友達で『呼び捨てにしてほしい』って言ったのは私だから別にいいんです」

「は?嘘ですよねアリス様、こんな下等でいつも私たちの助言がないと何もできない人間の失敗作である平民と友達なんて冗談ですよね?」


 デーブのやつ、平民は人間ですらないと考えてるのか?ただの貴族主義だと思ったけどまさかここまでとは…


「アリス様、今すぐ考え直して、早くこんな平民と離れて、私と友達からでもーー」

「ふざけないで、私が彼と友達になりたいと言ったのです、あなたにどうこう言われる筋合いはありません。もう一度言います、二度と近寄らないでください、これ以上、近づいてくるなら私もタダじゃ済まなくしてあげますから、行こう、ユウ」

「ああ」


 アリスにそう言われ、僕はアリスと一緒にこの場を離れようとした。

 だが、


「ふざけるな!!!」


 と、怒声が聞こえたので立ち止まった。


「ユウ、どうしたの?早く行こう」

「あ、ああ…」


 アリスがそう言うので気にせず立ち去ろうとした。


「名家の次期当主である俺様より、こんなどこの馬の骨とも知れぬ平民の方が良い?そんなわけない、そんなわけない、そんなわけないんだ!おい、平民!俺様と決闘しろ!」

「!?」


 僕は『決闘』という衝撃の言葉に驚きを隠せなかった。

 

決闘

 それは、貴族同士での揉め事等で解決するための賭け試合みたいなもので、決闘前に勝った時の条件を提示し、勝った方の条件が成立というシンプルな設定だ。ちなみに、ルールは当事者の合意によって決定する。

 なのに、デーブは平民である僕に決闘を申し込んできた。


「ちょっと、いくらなんでも決闘はないんーー」

「いや、決闘の方が良いかもしれない、アリスに近づかないと言う条件で僕が勝てば、さすがに引いてくれるだろう」

「え?でもーー」

「いいから、ここは僕に任せて」


 そうアリスに優しく言い、僕はデーブの前に立った。


「良いですよ、その決闘受けさせてもらいます」

「ほう、その自信に満ちた顔がぐちゃぐちゃになる未来が見えてるぞ?」

「それはあなたのただの妄想だというのを証明してあげますよ、それよりただ自分の思い通りにならないからと、平民に対して決闘を申し込むとは名家の次期当主であるデーブ様は()()()()()()()()()

「くっ、貴様……」


 僕の言葉にデーブは口ごもった。どうやら、自分の噂は知っていたようだ。

 

「ふん、貴様はもうすぐ居なくなるからな、不問にしてやる」

「と言いますと?」


 と、僕は聞き返す。


「まだ分からぬとは、さすが頭が脆弱な平民だな、いいだろう教えてやる、この決闘俺様が勝ったら、貴様はこの学校から消えてもらう」

「いいでしょう、では僕が勝ったらアリスには二度と近づかないでもらいたい」

「いいだろう、だが、このまま決闘しても俺様が余裕で勝ってしまう未来が見えるからな、俺様にも慈悲はある、だから、ハンデとしてルールは貴様が決めていいぞ」

「だったら、『一対一の戦闘方式で武器魔法なんでもありで、殺しは無し、降参もしくは戦闘不能になったら負け』というものでどうでしょうか?」

「ほう、それでいいのか?それでは私が余裕で勝ってしまうではないか」

「少なくてもデーブ様には余裕で勝てるルールですがね」

「くっ……威勢を張ってるのも今のうちだ!泣いて土下座しながら許しを媚びる貴様の姿が目に見えて……笑いが込み上げてくるな、こんなことになったのは高貴なる俺様にたてついた自分を恨むんだな!決闘の時間は三時間後、場所は学園の中心にある広場でだ。それまで、自分の行いを悔んどくんだな!」


 そう言い、デーブは高らかに笑いながらこの場を後にした。

 

 よし、これで()()()()()()()に決闘ができる。


 そう思いを巡らせてると、


「ごめんなさい」

「どうした?なんで謝るんだ?アリス」

「私のせいでこんなことになってしまうなんて」

「別に、これは僕が勝手にやったことだ、アリスのせいじゃない」

「でも、私のせいでユウが退学にーー」

「アリスは俺が負けると思うのか?」

「当たり前じゃない!あいつは男爵家にしてLv4(レベルフォー)の魔法を習得しているやつよ!」


 Lv.4(レベルフォー)、あいつがねぇ


 魔法にはLv(レベル)がある。Lv1(レベルワン)からLv10(レベルテン)まであり、Lv1(レベルワン)が1番習得しやすいが威力は低く、Lv10(レベルテン)が1番威力も高く1番習得も難しい。

 ちなみに普通の人は魔法に関わることがあまりないため、学園に通ってない人は、Lv1(レベルワン)の魔法どころか自分の属性のことを知らない人が多い。

 だが、貴族は幼い頃に魔法の英才教育を受けるため、学園に入る前に習得してることも多く、ほとんどの貴族はLv3(レベルスリー)まで覚える。後は学園で習得するが、たまに、Lv3(レベルスリー)以上の魔法を学園に通う前に覚えてくるという貴族もいる。デーブもその1人らしい。しかも、男爵はそこまで高くない地位の為、あまり高い教育を受けられない。それでもLv.4(レベルフォー)の魔法が使えるとは、デーブには少々魔法の才能があるみたいだ。

 だが、別にLv.4(レベルフォー)程度は大したことない。僕にとってはだけど

 

 しかし、アリスは非常に悲しそうな顔をしていた。


「なんでそんな悲しそうにしてるの?」

「私はこんなことで()()()()()()を失いたくないのです!」

「え?さっきいろんな人と笑顔で話してたよな、友達じゃないの?」

「あれは猫を被ってただけ、本当の友達じゃない」

「え?」

「私は小さかった頃、様々な人から友達になりたいと言われた、でも、本当の目的は私の家の権力が目当てだったの、今でもそう、あいつみたいにそれを狙って婚約しようとしたりする人も少なくないの、だけど、ユウと出会った、初めは私に興味を持たないからちょっとムカついた、でも、同時に『この人だったら本当の自分と話せるんじゃないか』とも思った、そう思ったから私からユウに話しかけた、今までの会話の中で一番楽しかった、さらに、友達にもなれた、本当の自分を曝け出せる本当の友達が出来たことがとても嬉しかった」

「でも、今日初めて会った人だよ、昨日まで全く知らない他人だったんだよ、そんな僕にそこまでーー」

「一緒に過ごした時間は関係ない、私はただユウに居なくなって欲しくないの!私のせいで大切な人が目の前からいなくなるのが嫌なの!」

「……」

 

 そう言ったアリスの金色の瞳から涙が流れた。


 まさか、今日初めて会った僕をここまで大切に思ってくれるなんて、これはアリスのためにも負けられないな。


「大丈夫、僕は必ず勝つ」

「ほんとに勝てるの?」

「ああ、アリスの本当の友達として、絶対勝ってみせる、だから、信じてほしい」

「………わかった、勝たないと絶対許さない」

「うん、絶対勝ってみせる」


 アリスは僕の言葉を信じてくれたのか笑った。


 アリスの笑顔を失わせないために僕は負けない。

僕を大切にしてくれるアリスのためにも絶対に負けない!


 僕はそう思った。





 

 



 

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