プロローグ
初投稿です。小説が好きなので自分の好きなジャンルで書いてみました。創作です。宜しくお願いします。
「本当に大丈夫なんですか、アベンゲール様。こんな僕をあの学園に入学させるなんて」
そう言いながら、紫色の髪の少年は鏡を見ながら紺色の制服に着替えていた。
「大丈夫、大丈夫。入学手続きはちゃんと済ませておいたから」
「いえ、そういう問題じゃなくて、、、はあ、もういいです。」
と、少年は呆れながらアベンゲールと呼ばれる赤髪の男性に言った。
そして、少年は着替えを終え、学校カバンを持ち、玄関へ向かった。
「アベンゲール様には、いろいろな考えがあると思っていますが、僕の目的はあくまで楽しく学園生活を送ることですよ」
「うん、わかってるよ、ユウ。でも、一応、私の後継者であることを忘れてはならないよ。」
「後継者だったら、あの2人のうちどちらかに継がせればいいじゃないですか。」
「その2人からの推薦だよ。」
その言葉に少しユウは驚いたものの、すぐに冷静になり靴を履く。
「アベンゲール様とは血がつながって無いし、ましてや家族でもない僕に継がせてなんのメリットが、、、あ、そろそろ時間だ。じゃあ、行ってきます!」
そう言い、ユウは玄関のドアを開け出て行く。
「いってらっしゃい」
ガチャンとドアが閉まり、玄関にはアベンゲールしかいなくなった。
「『僕に継がせてなんのメリットがあるか』か。逆に、何故ユウのような存在を手放せるか、こっちが聞きたいよ。」
アベンゲールはそう言ったが、その言葉を耳にするものはいなかった。