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俺の名前は--

妄想が現実になったらどれほど良いかと毎日考える。

そうすれば退屈な世の中は終わりを告げて、毎日楽しいことが待っていると俺は思う。

だか俺のそんな考えは間違っていた。もし全員の妄想が現実になってしまったら世界はどうなると思う?

本当に妄想が現実になってしまった世界がどんなものか

この時の俺は考えてもいなかった。

時は少し遡る…

激しい金属音が鳴り響く

武器と武器がぶつかり合っている音だ。

周りには死体が転がり中央には2人の男が残っていた。

全身に鎧を纏い2mはゆうに超えているであろう1人の大男は、自分と同じぐらいの大きさをした槍をいともたやすく振り回し、もう一方の男に五月雨の如き突きを仕掛ける

もう一方の男は漆黒のコートを纏いフードを深く被っている。男は二刀のダガーナイフを逆手持ちし俊敏に動き回り、華麗なナイフ捌きで大男が繰り出す突きを受け流している

凄まじい速さで攻防が行われている

だが次の瞬間にその均衡は突如として崩れ去った。

ダガーナイフの男が大男の槍を強く弾き飛ばした

大男は強靭な肉体により槍を手放すことはなかったがこの一瞬の隙が勝敗を分けることとなった。

ダガーナイフの男は

超至近距離まで一瞬にして入り込み槍の間合いを完全に殺した、そのまま大男の喉笛を鋭利なダガーナイフが切り裂くその瞬間だった突如として脳内に声が響き俺は現実に引き戻されることとなった。

「起きて!起きなさい!はじめ!」

そう、今までの攻防は俺の夢いわば妄想なのである

「もう!やっと起きたわね、はじめ。今日から新しい学校よ!遅刻しないように早く支度して学校に行きなさい!」

俺は重い瞼を擦り、そそくさと学校の支度を済ませ家を出た。

俺の名前はにのまえはじめ16歳

今日から新しい学校だってのに俺はテンションが上がらない

俺は学校が嫌いだ。

なぜかと言うと退屈だからだ。

学校っていうのは本当に退屈だ、興味のない授業なんて地獄のように長く感じる

でもそんな地獄のような時間を天国に変える裏技を俺は知っている。

それは妄想だ。馬鹿げてるって思うか?正直俺だってそう思うさ、でもみんなも一回はしたことがあるんじゃないか?例えば教室に不審者が入り込んできて、自分がかっこよく撃退しクラスのみんなから称賛される妄想とかな。俺はこういう類の妄想が大好きで小1の頃から授業中に暇があれば妄想をして時間を潰している。

とか考えてる間に学校に到着だ。

一体どんな学校生活が待ってることやら。

「おい、お前ら!どんな転校生が来るんだろうなw」

「可愛い女の子が来たら最高だな」

「かっこいい男の子がいいよ〜!」

教室の扉の前に立った時そんな会話が聞こえてきた。

俺は扉を開け堂々と入った、思ったより反応は悪くなかった

逆観的に見て顔は整っている方だと思う

「じゃあ、転校生くん自己紹介をしてもらえるかな?」

先生が俺にそう話しかけてきて、黒板に自分の名前を書いたところでみんなの表情が変わった。

「おい、なんだよこの名前www」

「モールス信号かよww」

一体親はどんな気持ちで俺の名前をつけたんだか、まぁもうこの反応も慣れたものだ。

俺の名前は一一(にのまえ はじめ)

趣味は妄想です どうぞよろしく

我ながら最悪な自己紹介だと思った。出だしは順調だな。

クラスは良くも悪くも大盛り上がりだ。少し落ち着いたところで、俺は窓側の空いてる席に座り妄想の世界に入ろうとした時隣の女子が話しかけてきた。

「はじめくんって面白いね、私の名前は佐藤双葉よろしくね」

かなり可愛い女子だ、髪はショートヘアーで目は大きくてつり目だ。動物に例えると猫のような女子だった。

「ああ、よろしく」俺はそう答えて妄想の世界へと向かう

いつものように不審者を撃退する妄想をしていた時だった突然俺の妄想の世界に何者かが入ってきた。

真っ黒な影のような奴だった。姿が見えないのではない

影そのものだった。

「お前は誰だ」俺が問いかけると影は笑って答えた

「私は一一 お前は妄想が現実になったらいいと考えているだろう?お望み通りそんな世界にしてやるよ。」

次の瞬間 俺は妄想から現実に引き戻された


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