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13赤ちゃんは強い

●13赤ちゃんは強い

六代目の猫うる。略されてウー


 私は基本的に猫には放置気味なのだが、家族の中で猫の躾は私がしていた。テーブルの上や、人の食べ物を取ったりするとすぐに捕まえて目を合わせながらしてはダメと十分ほど説教するのだ。

 だいたいこれで猫達は悪さをしなくなる。

 ただウーに関しては私が一人暮らしをして飼い始めた猫なので少し躾の部分が甘かった。そのせいで買って二日目のIHコンロの上になかなかに重い鍋を落とされ壊された時には乾いた笑いしか起きなかった。

 実家より更に田舎に住み始めたのでそれでいいだろうと放置していた。

 ある日、祖母が亡くなり私の家(もとは母方の祖母の家)に身内が集まった。

 その時に来ていたのが兄の家族だった。

 二人姉妹なのだがその下の子はその頃はまだ一歳を少し過ぎたばかりのなんにでも興味を示す赤ん坊であった。

 猫と赤ん坊、何が起きるかわからない組み合わせだ。

 しかもウーも一歳を過ぎたばかりのやんちゃ盛り、すでに大物の食パンを獲物として狩ってくる技量が備わっていた。そして飼い主の私に対して爪を出してジャンプがムーブであった頃だったのだ。

 私も負けてはおらずウー襲ってきたウーをフローリングに横向けに倒し、脇に手を入れ高速で回す技を身に着けていた。この技かなり技術を要するもので猫が起き上がらないようにうまく回さなければならない。しばらく回すと猫の三半規管にかなりのダメージを与える。の、だがウーはフラフラ状態でも噛みついてきた。なかなかの野性であった。

 そしてその日私が買い物から帰ってくるとすでに両者は睨み合っていた。

 その時私はしまった!と考えた。ウーは大人に対してはそれぞれの対応をしてくれる頭のいい猫なのだがじぶんと同じくらいの赤ん坊にたいしてどう対応するかわからなかった。

 固唾を飲んで見る私。周囲の母、兄の奥さん、姪の長女はニヤニヤと笑っている。

 いやいやウーは鳩ぐらいなら一週間に一羽は獲ってくる猛者よ。蛇なら三日に一匹だったなぁ・・・。

 そんな中一人と一匹の間に動きがあった。

 先に動いたのはまさかの赤ちゃん。我慢できないというようにウーの頭に無造作に手を伸ばす。

 いかん!この頃のウーは頭に手を置こうとすると前脚で手をガッチリ掴んで噛みつくんや。赤ちゃんやと大けがをするぞ!

 私は慌てて近寄るが杞憂であった。

 なんとウーは赤ちゃん撫でられても反撃もせずにされるがままだったのである。

 そのあとも耳を引っ張られ、尻尾も握られてもおとなしくその場にいた。その顔は私は何も致しません。無抵抗で受け入れます。でもなるべくなら助けてほしいと言っているようであった。

 母や兄嫁さん赤ちゃん姉はされるがままのウーを見て大笑い。

 私はウーの大人の対応に心の中で涙を堪えて敬礼した。

 猫や犬は赤ちゃん対してあまり攻撃的にならないとテレビで見たことはあるが、私と母以外は初対面の大人と赤ちゃんに囲まれて大人しくしていたウーは精神的かなり大人だったのだろう。

 ただ、その後のウー狩猟率がかなり跳ね上がり。家の中に鳩の羽が舞い上がり、蛇が台所に並べられ、ウサギの尻尾が転がっていた・・・。

 ウーよ。かなりストレスが溜まっていたんだな。


赤ちゃん ダー♪(≧∇≦)

ウー 我慢我慢(´・ω・`)

その後

ウー ウニャー狩りニャー!(#`皿´)

私 血塗れー!(ToT)

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