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ネコバレで追い出されたら異世界召喚、貰った権能はアイテムボックス無限大でした ~ワクチン人口削減計画が成功した世界線、可能性の未来~  作者: 凱月 馨士
第四章 異世界争乱偏

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第89話 保管域に付属する自我

 オレは連邦軍旗艦に転移してエイミーの下へ行こうとするが、エイミーは既にバトラーに搭乗し、出撃を待つ状態であった。


 指令室の隣にあるオブザーバースペースから、状況を見る。

 警戒態勢の下ではホワイト大佐に接見は不可、当然だろうな。


 しばらく連邦軍の警戒態勢の様子を見学していると、エイミーから連絡が入る。


“一洸、今どこ?”


“旗艦の指令室の隣、オブザーバールームにいます。

大変なことになりましたね”


“ええ、そうね。

まとまった数のネクスターナルの艦船反応は、本当に久しぶりなのよ。

恐らく、あの鹵獲戦艦の行方を確認しにやってきてるんだと思うわ”


 そりゃそうだろう、タダではすまないはず。


“呼び出してしまって申し訳ないわね。

というのも、あの鹵獲戦艦を攻撃して、有効打を与えられたあなたの次元窓からの攻撃、今の私たちにとってかなり重要な位置を占めてるの”


“そうなるでしょうね”


“もちろん、今回の撃退は私たちで対処するつもりよ……

もしもの時のために、準待機状態でいてほしいの、おねがい”


“了解です、迷惑にならないようにしてますよ”


 エイミーとの通信は、そこで切れた。


 唐突に、アールから通信が入る。


“話はきいていた、私の捜索だろう……

並列リンクが切れたのだ、当然の動きだな”


 この戦艦はまるで他人事のように言うが、絶対にそこから出る気は微塵もないのがわかって、笑いそうになってしまった。


 もちろん、アールが保管域から出て正常動作しているところを見せればこの警戒も解かれるはずだが……


 いや、そんな意地悪はやめておこう。


 今気づいたが、このアールにはコミュニケーターの通信だろうが何だろうが、あらゆるもの全てが収集情報の一貫として掴まれているようだ。


 アールから提言される。


“やってみるか、その機体で。

今の一洸なら十分やれると思うぞ、私もサポートしよう”


 オレはアールの話に乗ってみることにした。

 位相差シールドを展開した上での攻撃だ、死ぬことはあるまい。


 兵装は…… あ、そうか。


 オレはミーコたちへ向けて通信した。


“ミーコ、アンナ、レイラ、ひょっとしたら戦闘になるかもしれないけど、準備いいかい?”


“大丈夫だよおにいちゃん!”

“いつでもどうぞ、待ってます”

“……あ、あの、万端です”


 やる気満々な三人娘に、オレはちょっとだけゾクゾクした。


 宇宙空間に放り出されたオレがやることは、あの岩場や森で狩りをしていた時とそう変わらない。


 彼女たちの攻撃は、宇宙空間でもこの戦艦相手で有効だったのだ。


 オレは早速旗艦からゼロに引き上げてもらい、デッキに固定されたバトラーに乗り込んだ。


 生体認証?


“アール、生体認証から始めるみたいだが、このまま進めていいのか?”


“全く問題ない。

そんなものは挨拶みたいなものだ、気にしなくていい”


 生体認証:イッコウ スギモト の表示に始まり、連邦軍:軍属、準民間人と続いた。

 既にオレの存在は、彼らによって登録されてしまっているわけだな。

 軍籍がないとバトラーの搭乗は不可のようなことを言っていたが、これのことか。


 オレはコンソールを掴み、神経接続:オールグリーンの表示のあと、この愛機に意思を送った。


“よろしくな、相棒”


 ラウンドバトラーは、軽くエンジンを唸らせた。

 オレの言っていることは、わかっているようだ。




“一洸、3隻のネクスターナルがいるわ。

鹵獲時のスラスターの航跡をスキャンしてるみたい。

すぐに宇宙艇の航跡から、ここを辿られるわ。

現物が完全に消えたのを、彼らがどう捉えるかわからないけど……

戦闘になるかもしれない”



 ネクスターナル戦艦、アールを鹵獲したポイントで停泊し、スキャンしているようだ。


“アール、彼らは撃ってくるのか?”


“恐らくはそうなるだろう。

量子シールドを展開した機体同士の戦闘は無意味だし、牽制にもならない。

オールドシーズとネクスターナルの争いが、膠着している原因の一つだがな。

この船には、最新の重力子シールドを展開する機能がある。

ただ、これも完全な防御機構ではない。

量子シールドと重力子シールドの同時展開は、現状不可能だ。

私のスラスターを破壊した一洸の攻撃、ミーコたちの魔法が、重力子シールド展開時の私に有効だったのは、大変興味深い。

この重力子シールド、量子魚雷攻撃は防げても、レーザーと硬石、金剛氷の複合実体弾攻撃には効果がない、それが今わかっている事実だ”



 オレは、先ほどから気兼ねとなっていることを、この鹵獲戦艦アールに確認しなければならない。


“アール、その…… いいのか?

お前の仲間と戦闘になることに”


 一瞬の間をおいて、アールが返信してきた。


“今の私はアール、杉本一洸の保管域に付属する自我だ。

元ネクスターナル ユニット SMZ T-66 1029T2Rではあるが、今は違う”


“わかった”




 オレは、この愛機のスラスターを思いっきり吹かすと、一気に翔びたたせる。

 次元窓を開けると、そこはラウンドバトラーから初めて見る宇宙空間だった。


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