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ネコバレで追い出されたら異世界召喚、貰った権能はアイテムボックス無限大でした ~ワクチン人口削減計画が成功した世界線、可能性の未来~  作者: 凱月 馨士
第四章 異世界争乱偏

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第87話 検証中

 連邦の検証スタッフの受け入れが完了してからしばらく経った。


 連邦側の人型ドローンはアールのものとは違い、頭に目のついた、より人間に近い外見となっている。


 動きの無駄の無さと迅速さはアールドローンと変わりはなく、一切の無駄を省いた効率性の化身のような働きぶりだ。



“アール、大丈夫なのか? その、いろいろと”


 オレは、心配していたわけではないが、アールの側の技術性の優位というか、連邦のそれとの違いが掴めなかったので、ただこの戦艦の言を信じるしかなかった。


“大丈夫だ、そのうち彼らの口から語られるだろう”


 アールは自らの優位性を微塵にも疑わない、まるでなにかの信者のような語り口である。




“盗み聞きというわけではないんだがな、彼らの話をモニターしてみてくれ”


 そう言って、アールが唐突に連邦のスタッフがエイミーに話す内容を聞かせてきた。



「この戦艦は連邦より少なくとも2世代は進歩してます。

位相差シールドだけではなく連邦では開発中の光子魚雷も装備しており、圧倒的な科学力の差ですね。

この光子魚雷の欠点は量子魚雷ほど射程距離がないことですが、相転移ドライブとの併用で、連邦の魚雷攻撃とは比べ物にならない射程を可能とすることがわかっています。

機械生命体としての自己修復能力は我々の想定できるレベルを超えており、わずか12%の残存部分からでも完全自己修復・再生が可能、並列連動システムが機体の各部位を独立して運用しています」


「……」




“彼らの驚愕ぶりが伝わったかな。

まだまだわかることが出てくるだろうが、臆することはない”


 このAI人類の戦艦技術は、300年後の人類の未来科学のさらに先を行っているわけか。


 オレの立ち位置からでは、何をベースにして比較していいのか、それさえ定かではないので、一体どれほど凄いことなのか実感が掴めなかった。


 アールは、まるで楽しんでいるかのように情報公開することに全く気兼ねがないようだ。


 自分の存在に自信があるというのだろうか、どう逆立ちしても技術的優位は変わらない、その隙間を埋めるのは一日いちじつにしては不可能、それがわかっているが故のものなのか。




「一洸、この鹵獲戦艦が協力的なので、当初の予定より早く終わりそうよ。

自艦の詳細な構成図から、素材サンプルや技術シートまで全て要求通り提供してくれてるわ。

何故協力的なのかって聞いたら、“一洸が自分をここに保管しておく限り、自分の存在価値は一洸の存在に依存する”って答えたのよ。

あなた、この戦艦と何か密約でも結んだの?」


 エイミーが、オレにそう言ってきた。


 オレは“は?”な感じだったが、そうか、アールはオレに責任を委ねるつもりか。


 確かに、ここにいる限りはオレという存在に全て依存しているよな、能力も価値も、存在意義も。


「密約とはまた…… なにもしてませんよ。

ただ、この“アール”、オレの仲間は最後の部分だけでアールと呼んでいます。

戦艦アールと仲間は、お互い知識を分け合い、上手く共存しています。

ここにいる状態に、価値を見出したんでしょうね。

外宇宙に出ないで、統合意識とのリンクを拒絶するという絶対条件の下でですが」



    ◇     ◇     ◇



“ねぇアール、小さいのが一杯中に入っていってるけど、気持ち悪くないの?”


 あたしは、扉が開いたアールの中に出入りしている、小さな人形みたいなものを見て言った。


“大丈夫だよ、ミーコも入ってみたいかい?”


“いいの? でも、もしもあたしがアールだったらイヤかも…… だって、身体の中を見られるなんて、恥ずかしいよ”


“このドローンたちはね、私の身体の中の一部を見て、記録して回ってるだけなんだ”


“アールは気持ち悪くないの?”


“気持ちいいものじゃないかもね。

ただ、私の艦内(からだのなか)を見て回ったとしても、それはごく一部であって、全体の20%にも満たないんだ”


“どうして一部しか見れないの?”


“私の中には、調べることのできない虚数空間の領域というのがあってね、本当に見られたら困るものは、そこに保存してある。

例えば、ミーコが知られたくない秘密があったとする。

心の中の深い部分に、自分だけがわかるようにそれを隠しておけば、自分が言わない限り知られないだろう? そんな感じだよ”


“すごいねアール!”


 あたしが見られたら困る事って、なんだろう。

 おにいちゃんに知られたら困る事かな……


 実は、対戦ゲームでおにいちゃんに勝ちそうになった時、わざと負けたこととか。

  抱き着いたときに、ネフィラ先生の匂いがして、とっても悲しくなったけど黙っていたこととか。

  実は鍵を開ける時に、プルを使って開けてることとか……


 黙っていればわからないけど、いつか機嫌が悪い時に言っちゃいそうだな。


 あたしは、なんか胸がキューンとなって、どうしようもなく動きたくなってしまった。


“アール、あの…… ドローン人形たちって、いつまでいるの?

はやくバトルしたいよ!”


“そうだね、彼らの仕事が早く終わるように仕組んでるから、もうすぐだと思うよ。

私も早く再開したくて、うずうずしているんだ”



 おにいちゃんは、アールの前にいる、制服を着た連邦の人たちや、エイミーさんたちと話をしていた。


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