表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ネコバレで追い出されたら異世界召喚、貰った権能はアイテムボックス無限大でした ~ワクチン人口削減計画が成功した世界線、可能性の未来~  作者: 凱月 馨士
第三章 魔族共闘偏

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

76/254

第76話 戦艦鹵獲

 敵斥候、影に砲撃後に距離を詰めてくる。


 オレは4Dモニターを見ながら、次元窓展開可能な辺りまで近づくのを待つ。

 モニター経由で視認できるレベルまでの距離。


 これが宇宙空間で使用するこの権能の限界らしい。




 コミュニケーターからのエイミーの緊張が伝わってくる。


 再び閃光が影を貫いた。

 貫くというより、単に光が通過しただけにすぎないのだが。


 ネフィラの作った影は、量子魚雷の直撃をものともせず、相変わらずそこに存在している。


 まだ奴の姿は視認可能な距離までにはない。

 一体どんな船体なのだろうか、航行群のような筒状なのか、それとも円盤なのか。



 これはまるで釣りだな。

 オレは素直にそう思った。



“一洸、敵はスキャンしてるわ”



 モニターで影を見ると変化はないが、下部にある数値のカウンターが激しく変動している。



 それは突然やってきた。



 ブウゥンという空間の振動音とともにジャンプしてきた。

 全長370メートルと表示されている。

 モニター上では点にしか見えないが、4Dスクリーンに映し出されたそれは、圧倒的な威容であった。


 巨大なドリル状の巻貝のような先鋭的なフォルム、船体後部にはスラスターの噴出口だろうか、光が瞬く部分がある。




“……始まるわよ”


 エイミーが伝えてきた。


 敵戦艦は、ラウンドバトラーの“影”を前に、まるで蛇が小さなカエルを捕食するかのように、食べる気満々な様相だ。


 モニターから、ある部分の数値がスゥーっと低下する。

 知らされていた部分だ、シールドを切ったな。


 エイミーはレーザーを撃った。

 量子ドットの眩い光が、シールド発生部位と予想される部分を直撃する。


 次元窓のあった空間に向けて量子魚雷が発射された。

 当たるはずもないので、そのまま通過してしまう。



 敵斥候戦艦は恐らくなすすべもないのだろう、このまま逃げるか?


 スラスターの光度が急激に増した。

 オレは次元窓を開け、間髪を入れずにエイミーはスラスターに向けてレーザーを発射。


 直撃をしたのにダメージはないようだ。



“一洸、あれは位相差シールドじゃないわ…… なにかの対攻撃シールドを張ってる”


 このまま光速移行、もしくは次元ジャンプか。


 そうはさせない。


 お前を狩り取る対価は、オレの夢なんだ。




“ブラザーズ、収束レーザー氷石獄!

あの貝殻の光る尻に向かって撃てー!!”


 オレはそう叫ぶと、三人娘たちの次元窓を一斉に広げた。


 眩い光の束に導かれた、ダイヤモンドのように固い氷と、ダイヤに比肩するほどの硬度を持った鏃の密集した束が、敵斥候戦艦の後部、スラスター噴出口に襲いかかる。


 宇宙空間で盛大に撃ちだされたそれを見るのは勿論初めて、効果の有無も検証していない。

 ただ、単発での地上の破壊力は想像を絶したものだった。


 収合発射した場合、ここでどうなるか。


 それはすぐにわかった。


 ネクスターナルの戦艦は、吹き飛ばされたスラスターから、まるで傷口から血をしたたらせるように光の帯を引きながら、そのまま停泊している。




“……一洸、あなた、何をしたの?

対艦兵器も持ってたの?

戦艦のシールドを破壊できるなんて、どうやったらそんなこと……”


 エイミーの驚愕がそのまま伝わってくる。



 ミーコたちに繋いだ。


 きゃあきゃあと跳ね回って歓声を上げる三人娘の声が入ってくる。


“みんなよくやってくれました、ありがとう、本当にうれしいよ”


 オレは心からの喜びをミーコたちに伝えた。



“ネフィラさん、おつかれさまでした”


 ネフィラは一呼吸おいてから返信してきた。


“よかったわね本当に…… わたし、自分の事みたいに嬉しいわ。

あとでご褒美ちょうだいね♪”


 オレは一瞬戸惑ったが、努めて平静を装う。

 ご褒美……


 まぁいい。



 とにかく、久しぶりの嬉しいひと時だ。


 思えばこの世界にやってきて、それほど喜ばしいこともなかっただけに、本当に久しぶりの興奮、歓喜、達成感だった。




さて。




“エイミーさん、おつかれさま。

あとで色々説明をするから、またその時に。

もちろん、怪我はないですよね?”


“大丈夫よ……

あの、あの女の子たちが撃ったのよね。

あれは魔法なのよね?”


“そうです、三人が別々に使う魔法の掛け合わせですけどね。

もしもの保険として、スタンバっててもらいました。

でもよかった、これで斥候はもう動けないでしょうし”


“……そうね、取り敢えず勝ったわね”


 エイミーは釈然としないのだろう、その思いもコミュニケーターはそのまま伝えてくる。




 400メートル近いドリル状の貝殻のようなシャープな船体のネクスターナル戦艦。

 優雅さと美しさでは、連邦のそれよりも魅力的だ。


 人を棄てた“意識”のチップが支配するマシン生命体。

 当然人間は乗っていないだろう。


 話はできるのだろうか。



 現状では位相差シールドは展開できないし、スラスターも破損して航行不能、もちろん次元ジャンプもできないだろう。


 このまま鹵獲してもいいが、保管域の中で自爆でもされたらやはり事だな。

 オレは予め決めておいた動きを進めることにした。




“エイミーさん、では予定通りお願いします”


“ええ、今始めてるわ”


 エイミーのバトラーを統制しているAIとセンサーが、敵戦艦のスキャンをして稼働可能な兵装の確認と解除をしている。


 位相差シールドを解かれた対象は、センサーによって走査可能で、余程の先進技術でない限りは秘匿不可能だと知らされている。


“大丈夫みたいよ、自爆シーケンスもリモートで解除したわ。

シールドもロックしたので、もう裸同然よ”


 オレは、ゆっくりと宇宙艇にコマンドしてから敵戦艦に接近した。


 我ながらこれほど大胆になれるとは思っていなかったが、自分でも気づかない程、あのラウンドバトラーへの欲求は強いらしい。


 ただ鹵獲するという目標に向かって、オレは突き進んでいる。




 オレは静かに敵戦艦に接合した。


 プラグスーツ越しにではあるが、それに触れる。




 その瞬間、ネクスターナル戦艦は空間から消えた。


【 恐れ入りますが、下記お願いいたします 】


お読みいただき、ありがとうございます。

「面白い、続きが読みたい!」と思われた方は、

面白かったら☆5つ、つまらなかったら☆1つで

評価をお願いします、大変励みになります!

ブックマークも頂けると本当にうれしいです。

      ↓   ↓   ↓

引き続きお読みいただきますよう、

よろしくお願いいたします!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ