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ネコバレで追い出されたら異世界召喚、貰った権能はアイテムボックス無限大でした ~ワクチン人口削減計画が成功した世界線、可能性の未来~  作者: 凱月 馨士
第一章 異世界転移偏

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第19話 ゴートが脱走したと知らされる

明日より、一日一回投稿になります。


様々な時間帯の読者様にお知りいただきたいと

思いますので、更新時間は不定期になりますが、

23:30頃までには上がります。


引き続きお読みいただきますよう、

よろしくお願いいたします!


「おにいちゃん、この剣すごくきれいになってるよ!」


 ミーコは、プルに預けておいたオークの剣をオレに持ってきて見せた。

 スライムは“きれいだろ”と言わんばかりに、傍らに丸まって震えている。


「ありがとう、プル」


 オレがそう言うと、さらに震える。

 こちらからの言葉は理解しているようだった。



 朝食をとった後、ジュリアへにさらに連泊する旨を告げてホテルを出た。

 昨日アロルドに依頼したオーク串刺し台を見に行くため、武器屋に向かう。


 ミーコはすこぶる機嫌がいい。

 人の中を歩くことにも大分慣れたようで、心配していたほどではないようだ。

 腹が見えそうなトップスにミニスカートが似合い過ぎる女の子、ミーコ。

 彼女の軽い足取りは、それを一層際立たせている。


 自分が彼女を評価する以上に、街中の男の視線はもっと下卑たものだった。

 恐らく劣情からの嫉妬に近いもので、今まで自分が浴びたことのない種類のもの。

 キャティアならではなのか、それとも純粋に美しすぎる少女に対するそれであったのか、オレにはわからなかった。




「出来てるよ」


 カーラは出会い頭に口元に笑みを浮かべたので、出来栄えは予想できた。


 弓台の足場を重補強し、的の部分が外され、十字の骨組みに槍の先が突き出ている。

 さらに足場には数百キロはあるだろう石が置かれていた。



「……これは、いいですね」


「実地で試せないのが残念だが、これなら岩水牛の体当たりでも耐えられるだろうよ」


 いつのまにか後ろにアロルドが立っていた。


「保管庫持ちのあんたならではだな。普通の冒険者じゃ完全に無用の長物だ」


「ええ、そうでしょうね。早速試してみます」


 アロルドは金貨4枚、4万Gを台に置いた。


「これは戻すよ、出来あいの改造だ、ほとんど材料費はかかってないし、

加工賃だけだからな」


 オレはアロルドをはさんだ台の上に、オークの剣をだした。


「なら残金でこれを研いでいただけますか。あと柄の交換もお願いします。

倒したオークが使っていたもので、ヨシュアさんは、冒険者を殺して奪ったものだといってました」


 アロルドは剣をかざしてよく検分した。


「……悪いもんじゃないな。わかった、しっかり研いどくよ。

だがそれでも多すぎるぞ、この半分でも釣りがくる」


 オレは笑って、柄をいいものにしておいてくださいと言い、アロルド製オーク串刺し台を収納した。


「あいつはな、ヨシュアは昔おれとこいつでパーティを組んでたんだ。

奴がオレんとこに紹介するってことは、あんたに期待してるんだよ」




 街を離れて、昨日行きそびれたアカキイチゴの採集に向かった。

 あの場所がとてつもなく危険であったことから、なぜアカキイチゴやヤマキノコがわざわざ冒険者依頼の案件に入っていたのか、その理由は明白だった。


 準備と対策さえしておけば、短期間で生活費の充足は可能だと思われる。

 いつまでもホテル住まいを続けるわけにもいくまい、どんな拠点にするかはもうすこし考えよう。


「ミーコ、もし危険なものが現れたり、逃げなきゃならないときは、オレのボックスに入るんだ」


「……わかった、そうする。でもおにいちゃんはどうするの?」


「おれはこの間みたいに、上から岩を落としたり、いろいろやって逃げるさ」


「それでも逃げられないときは?」


「その時は…… その時に考えるよ」


 ミーコは何か言いたそうにオレを見たが、それ以上は何も言わなかった。



 河原にさしかかった時、以前にもまして重量級の岩を収納する。

 いくら収納を続けても、限界が来そうな感覚は全くない。

 このゲージにヘルプでもあればと思ったが、そんなものは見つけられなかった。


「ここだよ!」


 ミーコはここ、ここ、と言って飛び跳ねている。

 そこは、アカキイチゴの木が繁殖している場所のようで、他にも鹿の子供のような獣が頬張っていた。


「ね、あれは捕まえないの?」


 ミーコはあの子鹿を捕食対象として普通に見ているということか?


「子鹿だな…… 食べたいのかい?」


「違うよっ! かわいいから捕まえたいって思っただけ」


「捕まえたりするのは、襲ってきたものだけにしようよ。

あれは鹿の子供だし、そのままにしておこう」


 ミーコは子鹿をずっと眺めている。

 本当に捕まえて可愛がりたいから見つめているのか、オレにはわからなかった。


 子鹿はオレたちを見ても、一瞥しただけで食事を続けている。

 脚では自分の方が勝り、特に危険な生き物でないのを一瞬で見抜いたのだろう。


 周囲への警戒はしながらだったが、子鹿の動向に注意を払った。

 あれが逃げ出さないでキイチゴの食事を続けている限り、危険はないだろうと思ったからだ。

 ミーコも、特別な気配は感じていないようである。


 この日、アカキイチゴとヤマキノコをかなり大量に採集。

 午後に入って数時間経った頃、オレたちは森を出た。




 ギルドに着いたのは、夕方になってからだった。


 建物の前が騒然としている。


 多くの人がギルドの前におり、まるで銀行強盗の入った現場を警官が包囲しているかのような感じだった。


 冒険者のホールとは別にある奥の棟の建物の一部が、爆破されたかのように崩壊している。


 包囲していたのは、この帝国の警察組織の部隊なのだろう、ジャケットだけ統一され、腰から剣を下げていた。


 指揮官らしき人物が指示をだしていたが、おそらくあれが騎士なのか。


 冒険者受付のホールは入れたようだ。

 イリーナがいたが、彼女は明らかに顔色が悪かった。


「……あの、イリーナさん、何があったんですか?」


 イリーナははっと我に返ったように、オレに喋り出した。


「一洸さん…… あの男が、ゴートが脱走しました」


「え?」


「外にいる仲間が、あの男と他にも数人、留置場を破壊して脱走させたんです」


 ごろつきの仲間にしてはやるな。



 ぞわぞわするような、とても嫌な予感がした。


【 恐れ入りますが、下記お願いいたします 】


お読みいただき、ありがとうございます。

「面白い、続きが読みたい!」と思われた方は、

ブックマーク追加、↓評価を頂ければ幸いです。


引き続きお読みいただきますよう、

よろしくお願いいたします!


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