表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ネコバレで追い出されたら異世界召喚、貰った権能はアイテムボックス無限大でした ~ワクチン人口削減計画が成功した世界線、可能性の未来~  作者: 凱月 馨士
第八章 終わりなきものへの挑み偏

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

188/254

第188話 初めての機能

“アール、一洸さんがレイラを追って向かった場所、今私のいる位置からどのくらい近い?”


 私はアールに、一洸さんの転移先を確認した。

 状況だけでもいいから掴んでおこうと思ったから。



“今からアンナのコミュニケーターに、自分の位置と一洸がいると思われる場所との相関データを送る。

ただし、この場所はあくまで同質の数値が検出された場所というだけで、確証があるわけではない。

一洸は現在、通信ができない状態だ”


 でしょうね。



“通信が出来なくても、何かあればアールたちのところに戻るはずだけど……

そんな気配は…… ないわよね”


“全くない。

理由はわからないが、転移できない状況なのだろう”



 私は送ってもらったデータを、コミュニケーターの表示機能で目の前に出した。

 ここからは結構な距離がある。


 ダンジョン内に小さく瞬いている光点は、みんなが動いている現状を示している。

 この機能使うの初めてだけど…… もっと早くから知っていればよかった。



 レイラと一洸さんは通信機能が使えない。

 いつも保管域に出入り出来る一洸さんがそうしないってことは…… 少なくとも今は、あの保管域に自由に出入りできないってこと。



 あの場所に戻れないって…… 相当よね。



 どうしよう。



 このダンジョン、一洸さんやカミオさんが魔界へ行く転移陣がある。


 その最奥にはリロメラが見つけたネクロノイドの巣というか、海みたいにうねっている場所がある。


 ただ手出しをしなければ暴れださないってだけ。



 上手くプランを練らないと…… 下手に触れ回るとパニックになる。

 みんな今は攻略に専心してるし、必要なメンバーに知らせるか。



 一洸さんのチーム、スフィアさんが知らせてくれたけど、もちろん無駄に告げまわるようなことはしないはず。


 あの人はただでさえ口数が少ない騎士団員、軍人でわたしたちとは違う。


 でも私に知らせてくれた。



 本当に有難いわ。




 強力な破壊力、突破力……

 今考えられる限りでだけど、力技が要りそうな気配がする。


 カミオさん、バラムさん、サーラさん、アイラさん…… そしてリロメラ。

 ミーコちゃん、わたし。


 イリーナさんがいればいいけど、今回はいいかな。

 あくまで予想だけど。



 私はバラムさんに向けて、意識を集中した。


 あの人に通信するの初めてだな。



    ◇     ◇     ◇



 胸のコミュニケーターが反応したのは、湧き出てくるゴブリンを一斉に屠った時だった。


 これは、アンナ殿の顔……


 わたしに?



“バラムです”


“バラムさんアンナです、忙しいところすいません、今大丈夫でしょうか?”


“大丈夫です、どうしましたか?”



 彼女は、一洸様の現状を的確に伝えてくる。

 無駄な情報のない伝達であり助かった。



“現在地や攻略の状況にもよるでしょうし、可能な限りで構いません、協力をお願いできないでしょうか”


 言われるまでもないことだが、このアンナ殿は一洸様の他の仲間たちとは明らかに違っている。


 何が違うのか、すぐには言えないが。



“もちろん向かいます、位置情報だと私はそれほど離れてはいません。

現地で合流しましょう”



 私はそれだけ言うと、メンバーを集めた。


 彼らにはこのまま進めてもらおう、問題はないはずだ。



 一洸様……


 あなたの存在はもう彼らだけのものではなく、私と、私のいる魔界にとっても必要な存在なのです。


 今や魔元帥一洸は、人間界と魔界とを繋ぐ重要な綱。


 何かあってからでは遅いと思っていたが……



 一洸様、信じております。



    ◇     ◇     ◇



“わかりました…… 向かいます”


 私はそれだけ言って、アンナからの通信を切った。


 魔元帥イチコウ、勝手に死なせるものか…… まだ終わらせない、こんなことで……



「サーラさん、本当に俺たち行かなくていいんですか?

緊急の用事って、そんなに……」


 前衛の若い魔族が私に言った。



「管理側からの要請なのよ…… あなたたちに迷惑をかけるわけにはいかないので、私だけ駆り出されたの。

この後も気をつけて攻略続けてね」



 私はチームから離れて、アンナから送られた位置情報をもとにイチコウがいると思われる場所まで急ぐ。


 この階層の2つ下にある奥まった場所、そこだ。



 あの養成施設。


 これは私の予想だが、あのイチコウの持つ保管庫の中なのではないか…… そんな疑念が浮かんだ。


 あくまで闇属性による特殊空間という説明だったが、あの男が闘技会で見せた力、アンナやレイラを隠して放った力……


 あの男の保管庫の中に入れて、全てやっていると考えれば合点がいく。



 ただ保管庫の性能的にありえない大きさだし、人間が入れるなんて聞いたこともない。


 大体そんな力を持っていれば、この世界を蹂躙することなど容易いはずだ。


 今の私にはわからない……

 だがいずれ聞きだしてやる、必ず。



 いずれにしろイチコウ、この私が行くまで死なせはしない。



 絶対によ。



    ◇     ◇     ◇



“わかったわ、カミオさんとリロメラには私から伝えておくわ。

アンナちゃんはミーコちゃんに伝えて”


“わかりました…… あの、アイラさんって、ネフィラさんの妹さんなんですよね?”


“え、ええ、そうよ。

ついうっかり言いそびれてしまったけど…… 似てないでしょ? うふふふ”



 ふー、やばいやばい。

 あの子、勘がいいからちょっと気づいてたのかもしれないわね。



 カミオに連絡か。


 リロメラを先にした方がよさそうね、あの子、コミュニケーターの使い方で時間かかりそう。



 私はリロメラに繋いだけど、繋がらない。

 気づいていたら出るはず、でもでないわけね。



 ま、いいわ。



 私はカミオに通信した。



 何かを倒した直後だったのか、荒い息遣いが伝わってくる。

 話が早くていいわカミオ、あなたのそういうところが好きよ。



 それにしてもリロメラ、ホント困った子ね……


【 恐れ入ります、下記お願いいたします 】


お読みいただきありがとうございます。

「面白い、続きが読みたい!」と思われた方、

評価をお願いします、大変励みになります!

ブックマークも頂けると本当にうれしいです。

      ↓   ↓   ↓

物語も終盤に差し掛かってまいりました。

もうしばらくお付き合いくださいます様、

よろしくお願いいたします!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ