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ネコバレで追い出されたら異世界召喚、貰った権能はアイテムボックス無限大でした ~ワクチン人口削減計画が成功した世界線、可能性の未来~  作者: 凱月 馨士
第八章 終わりなきものへの挑み偏

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第185話 トラブル

 リロメラの所在が不明だった。


 しかしダンジョン攻略は始まったばかり。

 とりあえずオレたちは攻略をすすめることにした。



 入り口は小さいが、既に何度か入っていて勝手の知れた場所である。

 広大な内部、魔素によって生じる淡い天井光によって視界に不自由はない。



 遥彼方に、一つ先に入ったチームの人影が見える。


 17チームに分けられたダンジョン攻略だが、それほどの心配はしていなかった。

 コミュニケーターを装備した手練れの魔法使いたちの群れである。


 いわゆる冒険者たちとは違ったが、彼らの魔法行使力をシミュレーターにインプットされたもので体感したオレたちだ、相互の信頼も出来上がっている。



 斥候はラウル、前衛は獣人のアーグ、中衛はスフィアとイリーナ、後衛はオレという配置だ。


 敵種にもよるが、体積のある巨大な相手の場合はアーグの物理攻撃と土系魔法、続けてスフィアの氷系魔法とオレの闇魔法で片付ける。


 細かいゴブリンや小型のオークの群れの場合はアーグの広範囲石化後、ラウル、スフィア、オレの魔法照射で粉砕。


 そして手強そうな場合は、まずイリーナに仕込んでもらう。



 各チームに一人ずつ程度は光魔法の行使者がいるので、それも安心材料だ。


 生死にかかわる被害の場合即座にそのチームは攻略中止、オレが出向いて保管域に戻し、治癒術師に任せることになる。




 斥候のラウルの姿は、ここからでは見えない。


 少し前を歩くアーグの大きな背中が、安心感の象徴のようにあった。

 オレの前にはイリーナとスフィアの2人。



“こちらラウル、そのまま進行してよし”


 ラウルからグループ通信が入った。


 これだけの数が一気に入ったのだ、広大な現場であるとはいえ魔物なしということもありうる。



「上っ、よけて!!」



 スフィアが叫んだ。


 オレの直上から巨大なトロール3体が降ってくるところだった。



 上か。



 考える間もなく、オレたちは広がった。



 ズシーン、ズシーン、最後はドゴーンという地鳴りだ。


 2体は中型、1体は特大。


 序盤からやりがいのある相手で、これは楽しめそうだ。



 これは…… 



 そうだな、早速試そう。



「イリーナさん、3体まとめて頼む!」


「了解!」


 3体を囲むように広がったオレたち、イリーナが両手をかざして重力魔法を展開した。


 ガクッと膝をついてしまうトロールたち。


 だが、特大の奴は自らに課せられた巨大重力に抗っている。



「動けないやつから片付ける!」


 オレが言うや否や、ラウルの光魔法光線とアーグの土魔法鉱石鏃が盛大に射出され、2体のトロールはあっという間にミンチとなり光の粒子になった。


 特大トロール、腕を地面について四つん這いになってしまう。

 さすがにもう耐えられないのだろう、気の毒なほど苦しそうな顔だ。


 オレはその中心から少し上部にそれた部分に照準を定めた。



「首の下あたりだスフィアさん、撃て!」


 スフィアの氷弾とオレの邪光波が同時に炸裂し、特大トロールの胸から上部は爆散した。



 吹き飛んだ上半身のすぐ下から、赤い魔石が見えている。



「やったー! さすが魔元帥様!」


 ラウルが飛び跳ねている。

 いや、オレは月並みだって。


 君たちがしっかりやってくれるからだよ。

 これだけの化け物3体が同時に襲ってきても、これである。



 それにしてもイリーナの重力魔法、やはり無敵だな。



「いい連携ですぜ魔元帥様」


 アーグが言った。

 そうですか、頼もしいですよ。



「あのタイミング、絶妙です」


 言いそうもないスフィアまで持ち上げてくれました、そうですか。



「みんないい動きだね、さすがだよ」


 オレはそんなことしか言えないが、本当だから仕方ない。



 彼らの満面の笑みを見て、オレはかなり安心した。

 この人たちは冒険者でも充分すぎるほどやっていけるだろうが、この能力はもっと他の事に使うべきなんだろうな。



「予想通りでよかった……」


 オレはイリーナに向き直って、彼女を労った。

 バイザー越しではあるが、オレの表情は読み取ってくれたと思う。




“一洸さん…… 一洸さんですよね、あの、わたしレイラさんのチームの……”


 突然通信が入ったが、途中で切れた。


 レイラさんのチームと言ったな。



“ネフィラさん、レイラのチームにトラブルが発生した模様です、なにか連絡は入ってますか?”


“入ってないわ…… スクリーンで見てるけど、レイラちゃんたちの反応が消えてるのよ”


“一洸、レイラのチーム全員のコミュニケーター反応が消えた。

恐らくなにかの電磁フィールドに阻まれているか、あるいは別の場所に転移させられたかだろう”


 アールの声は相変わらずの平坦さだったが、内容は想像を超えたものだった。



 電磁フィールド?



 コミュニケーターの反応が消えてしまうほどの特殊空間にでも飛ばされたというのか。


 このコミュニケーターは、保管域と外界との通信まで可能だ。


 それさえ不可能にしてしまうほどのものって……



“アール、レイラの反応が消えた位置はわかるよな、位置情報を送ってくれ”


 このコミュニケーターは、小さいデータなら3次元モニターで表示する機能がある。


 オレの胸のコミュニケーターから出されたダンジョンの断面図、現在位置と消失位置とが眼前に表示された。



 レイラのチームはオレたちよりも先に入っているので、この3階層ほど下にいるようだ。



 オレはメンバーを見た。

 彼らを入り口まで転移させてから行くべきだろうが、そのつもりはないようである。



「聞いた通り、レイラのチームが行方不明になった。

原因は不明だが、これから救出に向かう。

ただし現場付近に行って安全が確保できない場合は、その場でこのチームは入り口に転移させる」


 皆は無言で頷いてくれた。


 彼らの能力は心配していない。

 だが、これ以上被害を広げるつもりもなかった。



 レイラ……


 最近調子がおかしかったな。

 もっと気にかけるべきだった。



 オレたちは位置情報にしたがって、彼女が消えた現場まで向かった。


【 恐れ入ります、下記お願いいたします 】


お読みいただきありがとうございます。

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物語も終盤に差し掛かってまいりました。

もうしばらくお付き合いくださいます様、

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