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ネコバレで追い出されたら異世界召喚、貰った権能はアイテムボックス無限大でした ~ワクチン人口削減計画が成功した世界線、可能性の未来~  作者: 凱月 馨士
第八章 終わりなきものへの挑み偏

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第179話 気づかない罪人

 ちょっと先走ったな。


 先に誰かの感覚共時を試しておきたかったというのがある。

 動作のパターンも、オレも含めて十人十色だ。


 果てしてどのパイロットが最も優れているのか、参考にすべきなのかは、撃墜数だけで決めていいものだろうか……



 オレの機体の動き、戦時感覚をトレースするのが最適解なのか、はっきり言ってわからない。


 このマシンを魔法による攻撃力として用いる、確かにその事実は、オレたち以前にはなかったものだ。


 だからと言って、こうして撃ち合いをやっている内容を共有することが、あの養成者たちにとって有益なのか、ひょっとしたらもっとふさわしい方法があったのではないか。


 今となっては後の祭りだが、もう少し慎重になるべきであった。



 ミーコはなんとしてもオレを撃ち取る気で動いている。


 それを振り払って、止めを刺そうとするアンナ、静かにまとめて仕留めようとするレイラ、とにかく近づくもの全てを攻撃してくるリロメラ。


 そんなオレはオレで、こんな事を考えている。


 こんな連中がモチーフになる彼らが気の毒でならない。



    ◇     ◇     ◇



“イリーナ、ログインします”


 ログインした直後、ただならぬ気配を感じてしまった。

 これが…… 感覚共時なの?



 何かに着け狙われるような、絶えず監視されているような…… まるで、自分が狙われた獲物になったかのような感じ。


 確かに感覚は共有できてる。


 一洸さんの視点、身体のこなし方、神経の力点の置き方、まるで自分の身のように感じられる。


 この感じは、彼がおかれている状況そのものを察知させてくれる、共有を越えたもの、まさにシンクロニシティとも呼べるものに近い。



 一洸さん、狙われているの?



 誰に?



 ミーコちゃん、そうよね、それはわかるわ。


 でもそれだけじゃない。


 あの子、レイラちゃんは、あなたの動きを完璧なまでに捉えている。


 邪魔しているのはミーコちゃんね。


 でもそれだけじゃない。


 アンナちゃん、ミーコちゃんやレイラちゃんの動きを予め予測して、見事なまでに隙をついて自分の位置を決めてる。


 なんて子たちなの。



 まるで一洸さんのことだけ狙って、自分が彼を撃ち取るために、全精力を傾けている、そんな感じ。


 一洸さん、あなたは気づいてないのね。


 それも、この共有感覚でわかるわ。


 彼にとっては、幸運なのかもしれない。


 もし気づいてしまったら、それまでの関りが壊れてしまう。


 それほど巧妙に…… 特にレイラちゃんとアンナちゃんは動いてる。


 ミーコちゃんは気づいてる、でも自分が気づいてるのを悟られないように必死にあなたを守ってる、いや、自分が仕留めるために仕留めさせないよう、物凄い集中力で排除してるわ。



 一洸さん……

 あなたって、思った以上に罪な人だったのね。



    ◇     ◇     ◇



“カミオ、ログインします”



 ほう。


 これがミーコちゃんの見る世界か。

 いい動きだ、まるで自分の手足のように感じられる。


 これは……


 彼女は阻まれる、いやその前に動いて先をとってる。


 そうか、一洸にかかる攻撃を防いで、それをさらに邪魔されて……


 なるほど、彼女たちはそうやって一洸を捕ろうとしてるのか。


 それにしてもこれは大した仕掛けだ。

 アールの技術…… 未知なる世界の先進技術か。

 いずれにしろ、この世界の理は超えているな。


 ミーコちゃん、いい動きだ。

 彼女は冒険者というより、騎士団に入った方がいいくらいだね。


 このラウンドバトラー、もし世界で通常戦力として準備できれば、様相は一変するだろうし、人々の生活も激変する。


 ただこれは進み過ぎているし、我々の世界で扱える代物じゃない。

 きみはこの後これを、これを含む全てにどう決着をつけるつもりなんだい?

 ゴーテナス帝国だけではない、全ての国家がこの秘めたる力を欲するだろう。

 きみがいくら魔界を治める立場にあったとしても、彼らの追及をかわすのは大変だぞ。


 それとも、君がこの世界を統治するのかい?


 そうだな。

 それがもっとも間違いない、妥当な道だろう。



    ◇     ◇     ◇



 感覚共時、始まったわ。

 でも私の方でなにか負荷がかかるわけじゃないし、動きに変わりはない。


 スクリーンには、主感覚:アンナ 感覚共時:ログインリストがずらっと並んでる。


 カミオさんや、あの怖い人のバラムさんも……

 本当に動きの感覚だけなんだろうか。


 心の中は絶対にわからないし、共有しようもないってアールは言ってたけど、勘のいい人なら、わたしの動きの目的なんかわかっちゃうわよね。



 おっといけない、また集中力が削がれた。

 ミーコちゃんはいつもだとして、レイラよ。


 あの子、絶対腕上げてる。

 なんでムキになるんだろう、そんなことしてもどうにもなるもんじゃないのに……


 バカね、それこそ無意味よ。

 誰かへの想いなんて、そんなもんだってわかってるくせに。


 あんただって……

 本当にバカでだめな私。


 レイラ、あんたも必死なのよね。


 ごめんねレイラ。


【 恐れ入ります、下記お願いいたします 】


お読みいただきありがとうございます。

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物語も終盤に差し掛かってまいりました。

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