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ネコバレで追い出されたら異世界召喚、貰った権能はアイテムボックス無限大でした ~ワクチン人口削減計画が成功した世界線、可能性の未来~  作者: 凱月 馨士
第七章 覚醒せしもの偏

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第172話 養成施設

 養成施設に収容したラウンドバトラー養成者たちは、当初の予定の倍近い人数である。


 余裕を持たせて作った施設ではあったが、閉塞感は否めない……


 属性グループ毎に攻撃力を仕上げていくプランであったが、若干の修正が必要だろう。



 オレは再度、この養成施設を取り巻く特殊空間のことを説明した。


 あくまで魔法による外界時間停止を限定的に行えていること、この中にいる場合は代謝を抑制しているので食べ物も休息も排泄も不要であることも。


 候補者たちに、軽く動揺が走った。



「それじゃ、眠る必要もないんですか?」

「俺、横にならないとダメなんだよなぁ」

「あの…… 本当にトイレないんですか?」


 施設要員として準備を進めていた魔族のスタッフたちが、彼らの生活のケアをしてくれる予定だ。


 だが、この人数がそれまでの人間や亜人としての基本的な生活パターンを不要のものだと説明しても、飲み込むまで時間がかかるだろう。



 ネフィラが前に出て説明を始めた。


「ラウンドバトラー養成候補者のみなさん、養成所へようこそいらっしゃいました。

私は魔導士ネフィラ、この養成所で皆さんのケアを行います。

魔素の供給過多で体調不良になったり、メンタルが不安定になったりする人が出てくると思います、私のところに来ていただければ力になれると思うわ、気兼ねなく相談に来てくださいね」



 ネフィラは満面の笑みと優しさを彼らに振りまいた。


「え? 魔導士って、あの世界に4人しかいない……」

「魔導士ネフィラ…… 確か、亡くなったと聞いたけど」

「大魔導士、魔術大全の著者、あのネフィラ……」


 候補者たちが口々に彼女の事を話し始めた。

 魔法使いたちの集まりである、ネフィラの事を知らない方がおかしいのだろう。


 彼女は自分がなぜここにいるかなどは話さず、続けてアールの紹介をした。


「皆さんに必要な先生をもう一人紹介するわ」


 アールが声を響かせてくる。



“この養成所へようこそ、皆さんを歓迎します。

私はアール、姿はないが皆さんの戦闘シミュレーション、メカの扱い方、操作方法など全般をサポートします。

どんな質問でも受け付けますので、疑問が生じたらすぐ聞いてください。

不安になることはなにもありません”


 アールにしては、優しい感じを込めて説明しているな。

 対象によってだろうが、どちらが本来のアールなのだろうか。



 属性ごとに集まったメンバーたち。

 オレのもとには、無属性はイリーナ、火属性はサーラと女性二人、闇属性は男性が一人だった。


「オレはイチコウ、魔界で魔元帥をやっています。

ラウンドバトラーでの戦闘経験は、模擬戦闘を含めると一年以上になります。

このマシンは、経験値がそのまま実力となって反映されるので、可能な限り模擬戦の時間を増やした方が上達につながります。

皆さんの成果に期待してます」


 たった5人のメンバーだったが、軽くざわついた。



「魔元帥……って、魔界の魔元帥様なんですか?」

「信じられない……」

「どうして魔界の人が、魔元帥がラウンドバトラーに?」


 用意はしていたが、オレはそれに答えることにした。



「ベリアル公の国葬式での演説は聞いてくれていたと思うが……

この世界の危機に立ち上がったのさ。

それとね、確かに魔元帥は拝命したけどここではイチコウで通すから、そう呼んでほしい。

立場は君たちと同じ、ラウンドバトラーパイロットだからね」



 イリーナは余計な口を差し挟まず、微笑みをたたえて軽く頷いていくれた。

 彼女らしい反応で助かった。



 サーラ、彼女はオレを無表情で見つめている。


 苦手だが仕方ない。

 今回の養成メンバーでは間違いなくトップクラスの戦闘力だ、頑張ってもらうしかないだろう。




 これからの予定を簡単に説明した後、早速シミュレーターの操作方法の講義を始めることにした。


 数が一杯なので、一度にできないのが予定外だったが。




 シミュレーターが並ぶ広大なルームに彼らを案内する途中、ネフィラとアイラが一緒にいるのを見かけた。


 少し離れたところにバラムがいて、さりげなくネフィラとアイラを見ている。

 聞くつもりはなかったが、ネフィラとアイラの会話が聞こえてきた。



「姉さま、本当に久しぶりね」


「アイラ、あなたは元気そうね、変わってないわ」


「姉さまもおかわりなく」


「……」



 数百年ぶりの邂逅を見せる、ネフィラとアイラの姉妹。


 二人の間に何があったのか知る由もないが、二人を見つめるバラムの表情から心の内を読み取ることは出来なかった。


【 恐れ入ります、下記お願いいたします 】


お読みいただきありがとうございます。

「面白い、続きが読みたい!」と思われた方、

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物語も終盤に差し掛かってまいりました。

もうしばらくお付き合いくださいます様、

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