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ネコバレで追い出されたら異世界召喚、貰った権能はアイテムボックス無限大でした ~ワクチン人口削減計画が成功した世界線、可能性の未来~  作者: 凱月 馨士
第七章 覚醒せしもの偏

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第160話 煽られる闘争心

 第一次養成予定人員50名の、各国割り充て数が決まった。

 一般募集枠は先んじて各ギルドで募集をかけ、振るいにかける。


 騎士団や一部の有力魔術師はギルドを通さずに試験に挑むようだ。

 これはオレの方から完全平等を謳っても不可避な、この世界のシステムらしい。


 オレは執務室のスタッフに決定した割り当て数を告げて、保管域の作業に戻った。



 アールが先行して行っていた施設用地の整地作業は瞬く間に終わり、基礎工事に入っている。


 数台の作業用レイバーはドローンたちが作り上げ、見事な効率で作業を進めていた。




 プルートニアの前線基地敷地内に工事が進められているラウンドバトラー養成施設は、広大な敷地の中に立つ、空軍駐機場のような施設だ。


 4戸の棟に分けられており、3戸は駐機庫で1戸は養成施設、最奥に扉があり、そこから保管域へ接続させる予定。


 あくまで養成施設内の特殊空間という筋書きで事を進める。


 工事は順調に進んでいるようだ。




 オレは、魔界からも魔法行使者を募るつもりでいたが、はたして直接自分たちに関係のない地上での脅威にたいして、わざわざ危険を冒すような真似をするだろうか。


 魔族の持つ価値観、同族への思い、義侠心等は、今の自分にとって知る所ではなかったが、もし人間と同じか近いものがあるならあるいはと思っていた。


 ベリアルやバラム、魔神将たちとの相対して得た印象では、人間とほとんど変わらない。


 むしろ合理的に考えない分、同族への仲間意識は強いのかもしれない。




「バラムさん…… 実際、魔界から搭乗者要員を募る部分において、効率よく集める方法として何かアイデアはありますかね?」


 オレは、直接問いかけるのが早いと思ったので聞いてみた。


 バラムはしばらく考えている。



「我々魔族は以前もお話した通り、持ちうる力こそ価値の全てなのです。

人間世界にある“弱肉強食”、正に我々のためにあるような言葉です」


 そう言っていたな。


「闘争心を煽る…… その方が早いと言うことですか?」


「そうですね、その通りです」


 やはりコンペティションか。

 全能力闘技会のようなもので、承認欲求を煽るしかないと。


 バトラーに乗ることが名誉であり、力の誇示、象徴となるアピールが必要か。



 地上での出来事は、魔界の住人たちの知る所ではない。

 オレはデモンストレーションをやるべく、プランを書き出し始めた。




 保管域に戻ったオレは、ネフィラ、アールと一緒に募集要員の魔法力の基準や試験について話し合っている。


 様々な魔法属性を持った搭乗員たち、その特性を生かしたラウンドバトラーの形式、またその後の調整が必要となるだろう。


 コックピットは汎用性を持たせ、どのような体のサイズでも受け入れられるよう、可変性に富んだものにする。


 標準的な量産型ラウンドバトラーのフレームを造るが、カスタマイズ性は充分に持たせたものにしておく。


 当面150機のバトラーを製造するが、バックアップ要員も含めて、最低でも400人前後は必要。



「攻撃性の高い魔力属性となると…… 火・雷・光・氷あたりかしら。

でも、レイラちゃんの土でわかるように、使い方次第なのよね」


“そうだ、用いる属性に合わせたデバイスの調整は気にしないでいい。

恐らくは、どんな要求にでも応えることができるだろう”


 ネクロノイドに攻撃した場合の有効性、物理攻撃が有効なのはもはや疑いない事実だ。


「適性試験をした後で、シミュレーターで戦闘することによる搭乗員適性のようなものがわかると思います。

そこで総合的に判断することになるでしょうね」


“それでいいだろう、魔法力だけの問題ではないはず。

その辺りは、ネフィラの方が詳しそうだ”


 ネフィラは色々考えているようで、その表情からは様々な思いが読み取れた。



「クラスは…… いくつかに分かれると思うわ。

あとエイミーさんたちの方、この件とは別に早く進めた方がいいと思うの。

“連邦”さんの必要条件って、魔法よね?

座学と実技だけ先に済ませたいわ、メインのカリキュラムと一緒にやるわけにはいかないはずだし」


 そうだ、すっかり忘れいていた。

 連邦の教育カリキュラムは、魔法を使ったことのない人間に、魔素を供給して魔法を使わせること、だ。



「ネフィラさん、余計な気遣いまですいませんでした。

それで……」


「大丈夫よ、カリキュラムは出来てるわ。

あなたに用いたものをベースにしてるんだけど。

向こうの準備が出来次第でいいわよ、いつでも言ってね」


 ネフィラはまるで獲物を前に舌なめずりする蛇のごとく、微笑んでいる。


 魔素のほとんどないオレでも、魔法を使うことが出来たのだ。

 しかも供給は無限大で実行される。



 オレは、懸念となっていたことを思い出した。



 ネフィラはまるで待ち構えていたかのように言った。


「大規模な発散設備が必要、よね。

でも、これはあなたが全責任を負うことじゃないと思うの。

よくよく事情を説明した上で、各地の駐機施設側で実施すべき事だと思うわ」


 所と場所、文化によっては発散方法もまちまちだろう……

 頑なに公序良俗に準じる必要もないのかもしれない。


 そうだろうな。




 ということは……


 オレは、涌き出てきた考えを打ち消した。

 これを失ったら、オレはオレでなくなってしまうだろうから。


【 恐れ入ります、下記お願いいたします 】


お読みいただきありがとうございます。

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物語も終盤に差し掛かってまいりました。

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