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ネコバレで追い出されたら異世界召喚、貰った権能はアイテムボックス無限大でした ~ワクチン人口削減計画が成功した世界線、可能性の未来~  作者: 凱月 馨士
第七章 覚醒せしもの偏

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第157話 必要な資材

 保管域へ戻ったオレは、アールとネフィラを前に事の経緯を話した。


 自分にとって、これは挑戦でもある。

 ネフィラの表情を読み取ることは難しかった。

 所々相槌を打ってはいるが、美しい顔に微妙な険しさを織り交ぜさせている。


 アールはしばらく黙ったままだ。

 鹵獲戦艦が言葉を発したのは、全てを話し終えてからだった。


“……私がこの特異空間で加工できる素材には、限界がある。

必要な資材を揃え、バトラーの量産体制を造らなければならない。

ここに、ラウンドバトラーの量産プラントを建設する。

デバイス上の時間的な問題は、外部時間を遮断すれば問題ないとしても……

問題は搭乗員だな”


 勿論そうだろう。

 ネフィラは、なかなか口を開いてくれなかった。


 このプランを進めるにあたって、様々な未来が予想される。


 魔法使いや魔術師のみ選別して搭乗員とするのはいいが、様々な魔法スキルに応じた育成プランと、マナジェネレーター使用による身体的弊害、アフターも含めて、かなりまとまった施設、運営人員が必要となるだろう。


 ネフィラは肩の力をフッと抜いて、オレを見据えた。


「……この場所、秘匿したままで実施するのは難しいと思うわ。

あなたの権能を衆目に晒すのは、あまりに危険よ……

人間だけではなく、亜人や魔族も含まれるとなると、その後の想定されるリスクは跳ね上がるわ」


 オレは、一人河原で考え付いたプランを話すことにした。


「座学とシミュレーターのための隔離された大規模施設を造ろうと思います。

そこが保管域内だとわからないようなものです。

出入は研修期間の最初と最後だけ。

終了したら、二次、三次と続けていき、実地訓練は地上で行います」


“それはいいかもしれない……

時間経過がないわけだから、問題はほぼないだろう”


「中間的な指導者が要るわ。

私とあなたと…… ミーコちゃんたちで担うことになるんだろうけど、足りると思う?」


 オレはイメージを膨らませた。


 オレやネフィラ、ミーコやアンナたちが教師となって…… というより、シミュレーターの相手となってバトルするわけか。


 適宜、自由な時間を差し入れるとしても、問題はないな。


「足りない場合は、AIにサポートしてもらうというのは可能かな、アール?」


 答えはすぐ出てきた。


“大丈夫だ、私が出来ることは対戦相手としての軍事・操作上のサポートだけだが”


「十分だよ」



 オレが最後のセリフを言うや否や、ネフィラはシミュレーターで遊んでいるミーコたちを、この場に呼び出していた。




「わたしやります、自信はないけど、多分上手くやれると思います」


 アンナはそう言いながらも、自信満々な感じである。

 この子は恐らく、期待以上の動きをするだろうな、オレはそう思った。


「……あ、あの、私で出来るかわかりませんけど、一生懸命頑張ります」


 レイラの受けも良さそうだ。

 彼女には、少し負担がかかるかもしれない。


 慎重に様子を見ながらやっていこう。

 その時はその時だ。



「あたし、先生の真似なんて多分無理だよ…… バトル専門にしてよネフィラ先生」


 珍しくミーコが弱気だった。

 オレは微笑んでしまいそうになったが、抑えた。


 彼女も真面目に考えてくれて、自分とのスキルを鑑みたのだろう。


「ありがとうミーコ、出来る範囲でいいからさ。

シミュレーターで要員の相手をしてくれるのも、大切な仕事になるんだから、お願いできればうれしい」


 ミーコは明るい顔になったがやはり不安なのだろう、いつもの雰囲気とは少し違っている。




 いつの間にか、エイミーとリロメラがシミュレーターから出てきて話を聞いていた。


「マジな話の邪魔はしねぇよ…… でも、ちょっと楽しそうだな」


 そう言うリロメラの後ろに、少し引いた位置に立つエイミー。


「あの、わたしも聞いちゃっててよかったのかしら?」




 エイミーは、早速ホワイト大佐に掛け合ってくれるようだった。

 必要不可欠なレアメタルと資材はこれで問題ないだろう。



「それでね…… うちの方からも、その、人員をだしたいと思うんだけど大丈夫そう?」


 エイミーは自信なげにそう言った。

 連邦の軍人を今さら教育してほしいのだろうか……


「バトラーの教育じゃないのよ…… マナジェネレーターを装備した上での、魔法攻撃部隊としての教育よ」


 そうか、ネクスターナルバトラーの魔法攻撃を連邦でも体現したいのか。

 魔法力による宇宙空間での実体弾があれほどの有効性を見せたのだ、無理もない。


「わたしも、お願いしたいの」


 オレは、隠さずに少し悪い笑顔で彼女に返した。

 エイミーは同じように、美人がやってはいけない笑顔で応えてきた。




「ね、一洸さん、これを付けてみて」


 ネフィラがオレに、バイザーのようなものを渡した。

 目から後頭部までを覆う、まるで魔族のつけるヘッドギアのようなもの。


「これから、これをつけているといいわ。

魔族の首領、魔元帥イチコウとして顔を出す機会もでてくるでしょう」


 さすが魔導士ネフィラ、オレの立場や考え方、生き方まで踏まえた上での配慮だ。


「ありがとうございます」


 早速付けてみる。

 ネフィラはその場で鏡を作ってくれたので、オレは自分の姿を見ることが出来た。


「かなり柄が悪く見えなくもないですが…… 個人的には好きです」


 まるで英雄譚の中に出てくる悪魔ともとられない風体、漆黒に光る目が不気味だったが、魔元帥イチコウの装いとしては申し分ないだろう。




 魔界からも人員を募ってみるか。

 

 オレは魔元帥ルックのまま拡大した話を纏めるべく、マインドマップで整理して、具体的なプランを練り上げていった。


【 恐れ入ります、下記お願いいたします 】


お読みいただきありがとうございます。

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