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ネコバレで追い出されたら異世界召喚、貰った権能はアイテムボックス無限大でした ~ワクチン人口削減計画が成功した世界線、可能性の未来~  作者: 凱月 馨士
第七章 覚醒せしもの偏

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第153話 多様性が繋ぐ橋

「一洸、あとでミーティングルームにきてくれ。

うちの技術とネクスターナル、きみに聞きたいことがあるんだ、お願いできるか?」



 遂に来たか。


 この場合、ネクスターナルも同時に聞いてい来るとなると、マナジェネレーターの内容をどこまで話せるかによる。


 エイミーからホワイト大佐に、鹵獲戦艦アールの対ネクスターナルへの身元秘匿依頼は伝わっている。


 それを踏まえて、マナジェネレーターの情報公開となると……



「わかりました…… その前にちょっといいでしょうか」


 ホワイト大佐は小さく頷くと、オレを司令室の奥にあるスペースに連れて行った。



「ここなら大丈夫だ」


 オレはかねてから伝えてあった、アールの身上を再度確認した。

 ネクスターナル製ラウンドバトラーは、保管域内にいる魔導士扱いの“魔換炉”を、連邦の技術と合わせて“マナジェネレーター”とし、現時点に至っている。



「実はその件なんだが…… 彼らは気づいているよ。

そのことも踏まえて、ネクスターナルと話をしてほしい。

ネクスターナルはきみの話を聞いて、方針を変えたみたいなんだ。

つまり、敢えて追及はしないと」



 そうなのか。


 知らないところで話が進んでいたのは、喜ぶべきか、訝しむべきか……


 アールにとっての最大の懸念が消えるわけだが、両手離しで喜ぶ前にまず話をしてみる必要があるな。




 オレは旗艦のミーティングルームに招かれた。


 ホワイト大佐以下、エイミーやメインスタッフと技術が数名、それにオレ。


 4Dスクリーンには、SOUND ONLYの文字が浮かんでいる。



「では始める。

高位知性種の機械惑星より採取したエネルギー変換装置を分析したところ、高効率の精神感応変換機であることが判明した。

同時にネクスターナルもこの機器の特性を同様に掴んでおり、高位知性種が精神統合体であるネクスターナルを融合する目的も見えてきた」



 そういうことだろうな。


 おれが機械惑星の中で叫んだ内容に、高位知性種が反応したのも図星をつかれたからだろう。


 焦っているように思える。


 強力な精神エネルギーから産出されるエネルギーが、今の彼らにとっては必要なものだということか。



“オールドシーズ一洸…… きみの保有する空間装機、あの機体の動力は量子ドライブだが、兵装に用いられているのは、我々が高位知性種から収集したエネルギー変換装置と同様のもの…… ではないかな?”


「ええ、その通りだと思います。

技術的なことはわかりませんが…… オレが地上にて謁見した大魔王バルバルスの話によると、これは“魔換炉”と呼ばれるオーバーテクノロジーで、別のエネルギー源から魔素を生成する装置、つまり魔法力となるものに変換するものだと聞いています。

本来の使用法としては、精神の深い層…… 阿頼耶識からエネルギーを取り出して使うものだとも」



 そのままを伝えることにした。

 この段階での小細工は彼らに対して全く意味を成さないだろう。



“そうか、きみのいる地上世界の重鎮もそこまで……

つまりデバイス上の問題はクリアしている、既に完全動作させているという理解でいいのか?”


「ええ…… 一つの目的のみですが、使っていたようです」


 オレはこの星の管理者、“古のもの”の存在も、彼らネクスターナルと共有すべきだと思ったので話すことにした。


 彼らには申し訳ないが、一緒に背負ってもらおう。



“一つの目的、とは?”



 オレは大魔王バルバルスの存在と、そこで活動を制御されていた“古のもの”の本体、その目的を連邦とネクスターナルに説明した。



 誰も、何も発言しなかった。



 無理もないだろう、何を言えると言うのだろうか。



「オレは…… 戦わなければなりません。

連邦やネクスターナルのみなさんがネクロニウムを必要としているように……

今いる地上の世界、そこにいる仲間たちのために」



“きみのところにいるのだろう、1029T2R……

我々ネクスターナルは復帰を強制も強要もしない、これは決定事項だ。

多様性という、精神統合体にとっても重要なファクターを、我々は再度思い起させられた。

きみのおかげだよ、オールドシーズ一洸”


「……では、アールは」


“アールか、彼はすでにきみの仲間なわけだな。

改めて申し出たい、一洸、きみに協力させてほしい。

きみの仲間と、仲間のいる世界を守るために”



 オレは柄にもなく熱いものが込み上げてきて、思わず言葉が詰まってしまった。


 よかったなアール……


 ここにいないのが残念だが、多分この内容は聞いているだろう。



「ありがとうございます…… “彼”も喜びます」


 オレは何もない空間であったが、SOUND ONLYの文字に向かって頭を下げた。


“どうか、よろしくお願いします”



 ホワイト大佐が立ち上がった。


 同時に、全ての尉官、技術スタッフも起立した。



「一洸杉本…… 我々連邦も、同じく協力させてほしい。

今まで以上に、“仲間”としてね」



 声は出さなかった。

 だが、涙はでてしまった。



 目から涙がでたのはいつだったろう……


 オレは思い出すことが出来なかった。


【 恐れ入ります、下記お願いいたします 】


お読みいただきありがとうございます。

「面白い、続きが読みたい!」と思われた方、

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物語も終盤に差し掛かってまいりました。

もうしばらくお付き合いくださいます様、

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