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ネコバレで追い出されたら異世界召喚、貰った権能はアイテムボックス無限大でした ~ワクチン人口削減計画が成功した世界線、可能性の未来~  作者: 凱月 馨士
第七章 覚醒せしもの偏

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第151話 もうひとつの対話

 オレは再度、ネクスターナルに確認した。

 確認というよりは、念押しに近いか。


“あの3体の新デバイス…… 未知のシールド展開の発生源と仮定すると、もし一つでも欠ければ機能しなくなる、その可能性は高いわけですよね?”


 ネクスターナルは間髪を入れず返してきた。


“その可能性は高い。

我々の末端機器との連携を断ち切り断線状態を維持しているのだ、相当のものだと仮定できる。

あの3機の位置相関を見て欲しい。

三位一体となって、中心に位置する機械惑星のガードとして機能しているのは、概ね間違いないだろう”


 ネクスターナルの話を連邦の面々は黙って聞いている。

 技術スタッフは、興味深げに成行きを見守っている風だ。


 オレはそんな連邦の技術スタッフたちに向けて問いかけた。


「ネクスターナルのドローンは通信不可とのことですが…… 連邦側のドローンも同じくそうなんですか?

データのやり取りはできなかったとしても、例えば声だけ送れるとか」


 ダメ元でオレは聞いてみた。

 内部に通話相手のいない場所への通信……


 確認するまでもなかったのだろう。


「……それはまだ、確認できていません。

通常のコミュニケーターとしての通信確認ですよね」


「お願いできますか」


 技術スタッフは、オペレーターと話し始めた。

 通常の回線とは違った、補助帯域にて試行しているようである。


「一洸さん、可能です。

あくまで会話だけですが、繋がりました」


 オレはわからないように悪い顔で微かに笑うと、スタッフに向けて小さく頷いた。


「……その、会話だけでしょうが、もし、動画でなくとも画像だけでも送受信できるようにはなりませんか?」


 今度こそ無理そうだが、オレは敢えて聞いてみた。


 オペレータは女性だったが、オレの依頼にすぐに対処してくれている、本当に助かった。


「可能です、帯域が細いので無理かと思いましたが、艦内の状況を画像で受信することが出来ました。

切れ切れにはなりますが…… 動画でもできそうです」


 オレは心の中で小さくガッツポーズをとった。

 腕が持ち上がったが、多分誰も気づかないだろう。


「ありがとうございます……

それでは、具体的なプランを説明します」


 オレは指令室にいる全員、ネクスターナルに向かってわかるように話し始めた。




 ノーマルスーツに着替えたオレは、格納庫のスクリーンより、機械惑星内に残されたドローンの“目”に映し出されたカクカクの映像を見ている。


 カクついてはいるが、鮮明さはなかなかだ。


 オレはこの機械惑星内施設の一部に“魂意鋲”を打つ。



 間違いなくそれを打つことが出来た。



 エイミーが心配そうにオレを見ている。


「一洸、これ終わったらまた遊びに行くわ、だからちゃんと戻ってくるのよ!」


「そんな…… 大丈夫ですよ。

フラグみたいなこと言わないでください」


 努めて笑って返したが、縁起でもないことをサラッと言えるのが、この時代の人間ならではなのだろう。


 オレは指令室のオペレーターに繋いだ。


“一洸です、先ほどはどうも。

これから入ります、モニタリングよろしくお願いします”


“感度ばっちりです、お気をつけて一洸さん”


 この内容は連邦はもちろん、ネクスターナルも全部聞くことになる。

 それが必要な要件でもあった。


 オレはアールに繋いだ。


“アール、これから入るよ

サポートよろしく頼む”


“こちらからも良く見えている

突然真空になっても大丈夫だろうが…… 気をつけてくれ”


“ありがとう”



 オレは“0”に引き上げてもらい、保管域に戻ってすぐ機械惑星の“鋲”に引き出してもらった。




 機械惑星の中に照明はないが、ノーマルスーツに装備された各種赤外線やセンサーのおかげで視界の不自由は全くない。


 ここは中心部にほど近い、例の小型マナジェネレーターが置かれていた場所のようだ。


 あの形状の機器がたくさん据え付けられている。

 この空間だけでかなりの大きさだ。


 オレの前には、小さなドローンがちょこんと立っている。

 子犬ほどの大きさだが、これのおかげでオレはこの場所に立っていられるわけだ。



 オレは深呼吸をした。

 スーツ内の酸素流動は申し分ない。



 では、始めるとしよう。



“聞こえるか高位知性種、オレは連邦の一洸。

話したいことがあってわざわざやってきた”


 オレは誰もいない機械惑星の中心部近くで声を張り上げた。



 反応はない。



 聞こえてはいるはずだ、だが無視することはもちろんありうる。

 下等生物がいくら吠えようが関係ない、それも想定済みだ。



“アール、外郭方向を教えてくれ”


 アールがバイザーで示した方向、機械惑星の外郭に向けてオレは直径10メートルほどの次元窓を開け、力を放った。



“量子魚雷グレード2、発射!”



 アールが放ったグレード2は機械惑星の内部から放たれ、それは半壊状態であった機体をさらに散開させていく。


 威力の甲斐あってか、爆散は全壊しない程度で済んでいる。



“今、肩慣らしをさせてもらったよ知性種さん。

今度はお仲間の3機も同時に片付けようと思うけどいいかな?”


 オレは厭味ったらしく言ったつもりだったが、伝わっただろうか。


 不快な超音波のような振動が流れ始めた。



 来たな。



 機械惑星全体がブゥーンという小刻みな振動をして、何かに変わろうとしているかのようである。



“お前たちを殲滅する、これは決定事項だ”



 高位知性種は、確かにそう返してきた。

 その声は連邦のネクスターナルも聞いているはずである、前回の時と同じ感じだ。



“この量子兵器、あんたたち高位知性種のデバイスを応用して放っているんだけど、わかっているのかな?

なんでネクスターナルを取り込む必要があるのかも、こちらはわかっている。

そんなやり方では、いい進化なんて望みようもないと思うんだけど、そんなこともわからないのかい?”



 強烈な音波というか、電磁波だろうか、身体がバラバラになってしまうような振動波が襲ってきた。



 ズシィーン、と何かがつぶれる音、振動とともに、いやな破壊音が響き渡る。




“騒がしいのはお前たちか…… なぜ私の休息の邪魔をする”




 何?




 何の声だ?…… これはコミュニケーターからの声ではない。

 直接意識に語りかけるような、テレパシックな声。



 まさか……



“一洸、戻れ! そこから出るんだー!”


 今まで聞いたこともないほどの声で叫んだのは、アールだった。


 その瞬間、機械惑星はもの凄い早さで圧壊を始める。

 周囲の施設が、とんでもない早さでオレに迫ってきた。


 オレは反射的に素早く目の前のドローンを抱えると、“0”に引き上げてもらう。




 保管域に戻る寸前、背後で機械惑星の潰れる叫び声が聞こえたような気がした。


【 恐れ入ります、下記お願いいたします 】


お読みいただきありがとうございます。

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物語も終盤に差し掛かってまいりました。

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