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ネコバレで追い出されたら異世界召喚、貰った権能はアイテムボックス無限大でした ~ワクチン人口削減計画が成功した世界線、可能性の未来~  作者: 凱月 馨士
第一章 異世界転移偏

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第15話 初めてのギルド案件受注

 目覚めたのはオレの方が早かった。


 ミーコは写真に撮っておきたいほど幸せそうな寝顔で、まだ夢の中のようである。

 ボックスからスマホを出して彼女を写した後、バッテリーを見たが88%で減少なし。

 やはり時間経過の影響を受けないのは家電製品でも同じか。

 花瓶にいれた花を思い出し、確認してみたが全く変化していない。


 ミーコは起きなかった。


 野営する場合少々不安になるが、この場合は仕切られた部屋で隣にオレがいる安心感ならではなのだろう、そう思うことにした。



 起こさないよう静かにベッドから出て、顔を洗って歯磨きをはじめる。


 まずギルドに行き、案件情報の収集、ミーコの下着と衣服、生活必需品の詳細確認と調達……

 このホテルももう一日くらい連泊するか。


 ミーコが起きた。

 伸びをしているが、屈託のない表情から疲れは残っていないように見える。


「おはよう、よく眠れたみたいだね」


「うん! あたしも歯磨きする」




 ちょっと質感が固めのパンとスープ、お茶のような飲み物で、普段軽い朝食のオレには有難かったが、ミーコには足りないようである。

 朝食の後、ジュリアに連泊の申し出をしてホテルを出た。


「いってらっしゃいませ」


 ミーコはジュリアに手を振っていた。



「買い物…… いくの?」


「いや、まずギルドにいって案件の情報を入れる。

これから仕事を受けるわけだから、内容をよく知っておかないとね」


「あたしも頑張る!」


「そうだね、ミーコのやれる仕事を一緒にやるためにもさ」




 ギルドに行くと、既に大勢の冒険者が掲示板を確認している。

 ランク上位の掲示板にはまばらに人がいるだけだが、自分より上のランクを見る場合もあるのだろうか、数人で話し合いながら検討している組もあった。


 狼系の獣人や、ミーコのようなキャティアもかなりの数いる。

 やはり体毛の濃さには個人差があるようで、ミーコは耳と尻尾以外は人間と変わらないことがよくわかった。


 Fランク掲示板の前にも結構な人がいた。

 比較的若い層が多いように見えたが、オレよりずっと上の年齢層もかなりいたので、それほど偏っているわけでもないようだ。


 文字の読めないミーコはただオレについているだけだったが、イラストや写真のようなもののついた案件には反応していて、オレは書いてある内容を説明した。


 キイチゴもどきは、この世界の訳語では“アカキイチゴ”種で、採取案件が何枚もでている。

 キノコ案件も相当あり、これは期待が持てるな。


「ミーコ、昨日みたいにキイチゴやキノコを集めようか」


「うん、いくらでも大丈夫だよ!」


 初回の受注案件としては問題ないか。

 昨日採取したものも受注したものにそのまま追加してしまおう。



 記載台のペンとメモを借りて、掲示板の番号と案件名を書くと窓口に持って行く。

 昨日対応してくれたイリーナは別の冒険者に応対していたようだ。

 人は多かったが、窓口へ列ができるほどではなく、すぐに対応してくれた。


「案件をどうぞ」


 今日の窓口は犬系獣人、フレディアの女性だった。

 自分とミーコの登録カードと番号を記した申し出用紙を彼女に渡す。


「こちらの案件は…… 一洸さんがお受けになるのですか?」


「ええ、このミーコと一緒に受けたいと思います」


「パーティ登録はまだなさっていないんですね」


 そういえばそんなことを言っていたな、すっかり忘れていた。

 女性は説明を始めた。


「バーティメンバー登録しますと、

案件実績はそのままメンバー個々の実績になりますね。

あ、完遂料は一件分ですよ!。

それと、案件以外に討伐した実績も同じくメンバーの実績になります。

偶発的な討伐案件なんかも、皆さんの実績になりますから絶対お得ですよ、

でも討伐頭数はあくまで一件分ですのでお忘れなく!」


 妙に明るい人だったが、解かり易かったので助かった。

 オレが魔獣や化け物を倒した実績がミーコにプラスになるなら勿論そうすべきだな、そう思った。


「バーティメンバー登録をお願いします」


「バーティ結成ということですね、それではまずこの申請書に必要事項を書いて、

もう一度カードとともにお持ちください」



 申し出用紙とともに一旦返されたので、ミーコと記載台で申請書を書く。

 そこには“パーティ名”の欄があった。


「……悩み事?」


 ミーコが記載台で思案しているオレに聞いてきた。


「パーティ名を決めなきゃならないんだってさ」


 カミオたちが全員Aランクであったのも頷ける。

 あらゆる意味でランクが離れたメンバーがいると足手まといにしかならない。

 その意味では、ミーコとのパーティはかなり無理があるのかもしれないな。

 しかし自分の中で、その価値観は全く意味を成さなかった。


「“恋人たち”、にしょうよ!」


 なにも考えていないのはわかったが、彼女の屈託のなさを尊重することにしよう。


「“ブラザーズ”なんてどう? さっきの意味と同じで、こっちの方がイケてる」


「ブラザーズ…… って、どういう意味?」


「相棒とか兄妹っていう意味さ」


 ミーコは怒り顔になってオレの腕をつかみ始める。


「ちがう、相棒じゃないっ!!」


「同じような意味だから大丈夫、大切な人同士を指す言葉だから」


 オレはつかむミーコの手に優しく手を重ねて言うと、彼女は急に大人しくなった。


「大切な人同士、大事な人……」


 ミーコが納得してくれたので、そのまま窓口で“ブラザーズ”を登録をした。

 記念すべき最初の仕事は、“アカキイチゴ”と“ヤマキノコ”の採集。




 オレたちは、ジュリアからもらった地図で衣料雑貨店を目指している。

 ホテルからほど近いところだったので、すぐ見つかった。


 中は結構な人で賑わっており、市場のようなものをイメージしていたが、米国の量販店に近い構成で、下着類などは種類とサイズ別に台に並べられている。


 女性の店員を探さねば。


 ミーコと同じキャティアの人だろうか、いや、あれは虎かもしれない。

 縦縞の虎模様の髪をした、体格のいいネコ耳女性店員をつかまえて、女性用の下着や衣服ひと揃えを見繕ってもらうべく頼んだ。

 店員はミーコを見ると、極端に明るい顔になった。


「おやこれはかわいいお嬢だね、こっちにおいで」


 仲間だと思ったのだろう、ミーコを気に入っているようだ。

 下手に動いて迷子になってしまうのもつまらないと思い、そのまま選んでいる様子を伺った。



 この店には様々な生活用品がおいてあったので、ミーコの下着を選んだあとで見てみることにする。


【 恐れ入りますが、下記お願いいたします 】


お読みいただき、ありがとうございます。

「面白い、続きが読みたい!」と思われた方は、

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引き続きお読みいただきますよう、

よろしくお願いいたします!


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