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ネコバレで追い出されたら異世界召喚、貰った権能はアイテムボックス無限大でした ~ワクチン人口削減計画が成功した世界線、可能性の未来~  作者: 凱月 馨士
第七章 覚醒せしもの偏

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第149話 大魔王と魔元帥の本懐

“一洸…… 機械惑星が、制御を戻されたわ。

ゆっくりだけど、地上へ進路を向けてる”


 エイミーはそのまま内容を伝えてきた。



 オレはバルバルスへ向けて、今思っていることをぶつける。


「このニュートラルな状態がそう長く続くとは思えません。

オレは今仲間たちと共に対処していますが、このまま現状の戦力で戦いきることが出来るか、正直わからないんです」


 心からの気持ちだった。

 保管域の能力は、オレが理解しきれるものではない。


 仲間たちの力と権能があってここまでやってきたが、今後はわからないだろう。


「……もしきみという存在がいなかったら、この世界は今の状態ではなかったろうね、それは間違いない。

だが、だからといってそれが最適な方向性であったかどうかは、誰にもわからないんだ。

きみはこれからの状況に対して、どうも自信がないように見える。

本当のところ、どうしたいんだい?

背負っているものとか、責任とか、そんなことは置いておいて、だ」


 彼がそれを言うと言うことは、オレに言葉で言わせる必要があることをわかっているからだろう。


 オレの精神から漏れだす思いを受け取れば、当然わかるはずの内容……


 言葉に出して言う必要があるわけか。



「……オレは、この世界に転移させられて、家族だったミーコが人間になって。

これからこの世界で生きていこうと思っていた流れで今に至っています。

もし、もし可能なら…… ミーコと一緒に元の世界に戻りたいです。

ネコのミーコではなく、人間のミーコと」


 バルバルスは黙ってオレの話を聞いてくれていた。

 内容に対しての意見や反応は、するつもりはないようだ。


 彼はしばらく黙った後に優しい笑みを浮かべながら、答えた。


「……私も、帰りたいと思ったよ。

エルフの人たちに囲まれることを選んだのは、この世界の深淵を覗くのに好都合だったからさ。

私が持っていた“疎通力”は、彼らエルフの元々持っていた能力との親和性も高かったし、私の考えを理解してもらうのに、そう時間はかからなかった。

その後、長い時間をかけて研究を続けたよ。

だされた答えが今の状態だ。

元の世界に帰る方法、それは“神”となるしかない、とね」


 そうきたか。

 安直な回答だとも思えたが、つまり無理だと言うことだな。


「権能を用いた特殊空間で、大地の底に眠る星の管理者を眠らせながら維持することがですか?

この先に、神への道があると……」


 オレはオブラートに包むことをやめてぶつけた。

 彼には、それが許されると思ったからだ。



「試していないことがあるんだ」


 バルバルスは、しばしの沈黙を破って続けた。


「……つまり、古のものとの“対話”だよ。

私が魔賢者と呼ばれるようになってから、この星の真実の状態を知りえた段階で、状態の維持、つまり魔族を存続させる手段としては、“異跳界”を使って、異次元へ疎開するしか手が浮かばなかった。

この古のものはね、この星が出来る前に神と戦って引き分けた存在なんだ。

神と同じ力を持ち、倒すことが出来ない存在で、死ぬこともない。

私は、この古のものとの対話の方法をずっと探していた。

あの“ゲーム”は、その一つさ。

ま、眠っている状態で夢を見てもらってるだけなんだが」


 あの黒い影、テーブルにはいなかった。

 完全覚醒に至らなくとも、今は夢は見ていない状態だということだろうな。


「そうだね、影は消えてしまった。

あの影を呼び出すのにも一苦労だったんだがね」


 オレにそれをやれと……

 そう言っているのだろうか。



「オレに、古のものと対話しろと?

バルバルスさんが出来なかった事が、オレにやれるとも思いません」


「だからさ!

今まではそうだったが、今この世界はきみという存在を擁している。

これは、数百年お目見えしなかった大変化なんだ。

やってみないか一洸、私も見てみたいんだよ」


 まるで、壮大な実験をオレでやってみたいかのような言い草だ。

 だが、否定する理由もないな。


 神と同じ力を持つ“古のもの”との対話。

 その先にひょっとしたら故郷への回帰がある、かもしれない。


 バルバルスさえ、元の世界、時間軸と世界線に戻ることができるかもしれない。


 そう言っているのか。



「そうだよ。

初めてきみと会った時に比べて、大分はっきりと意識が流れてくるようになったね。

私と疎通していたからかもしれないが、きみ自身がこの状況に順応してきているんだろうな」



 オレは当然の要求をすることにした。



「バルバルスさん…… いえ、大魔王バルバルス様、

魔元帥としてお願い申し上げます、どうか、お力をお貸しください」


 オレは跪きこそしなかったが、彼の目をしっかり見据えて伝えた。



「魔元帥一洸、私の方こそ頼むよ……

古のものと対話し、互いの本懐を遂げようじゃないか」




“エイミーさん、状況はどうですか?”


 一瞬間があったが、彼女はすぐに反応した。


“一洸、まだ地上までは時間があるわ。

旗艦に転移して、準備をお願いできない?”


“そのつもりです”



 オレは保管域へ戻った。


【 恐れ入ります、下記お願いいたします 】


お読みいただきありがとうございます。

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物語も終盤に差し掛かってまいりました。

もうしばらくお付き合いくださいます様、

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