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ネコバレで追い出されたら異世界召喚、貰った権能はアイテムボックス無限大でした ~ワクチン人口削減計画が成功した世界線、可能性の未来~  作者: 凱月 馨士
第六章 異世界混沌偏

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第145話 墜ちてきた空

 連続して発射されるエリミネーターは、等間隔で滞留している連邦の艦艇とネクスターナルの戦艦群を次々に被弾させてゆく。


 多重被弾を避けるため、距離のある艦艇は独自に一時ジャンプを開始し始めた。



 被弾した一隻の戦艦、惑星の引力圏に捉えられたまま、完全に制御を失っている。



「隔壁閉鎖! 各自ノーマルスーツ着用だ、急げ!」


 被弾した旗艦内では回避行動が始まり、応戦態勢が整えられつつあった。


「第二種警戒態勢発令、各自所定の行動をとれ! 繰り返す、各自所定の行動をとれ!」


 司令室から発令されるホワイト大佐の声は、全ての第七航行群艦艇とAI、そして共同調査中のネクスターナル艦艇に響き渡った。



「副指令、被弾した巡洋艦732が…… 惑星の引力圏に捕まりました。

現在、完全に制御を失っています。

乗員は大気圏内にてポッドで脱出可能、ですが船体は地表に激突します。

このままでは……」


「ポッドの射出を急げ! 最後の射出と同時に自爆シーケンス作動した場合の予測は?」


「……乗員脱出は大丈夫ですが、自爆した場合でも船体の残骸による被害で、地上の一部は重大な被害を受けます」


「乗員の脱出を急げ! 最終ポッドの脱出と同時に最短での自爆シーケンス開始だ!」


「りょ、了解!」


 ノーマルスーツを着たエイミーは、他の尉官たちと司令室にいた。

 エイミーがコミュニケーターに意識を向けたのは、ホワイト大佐がエイミーに視線を送るのと同時だった。






“一洸……、一洸、応答して”


 エイミーからの連絡だった。

 コミュニケーターは、この守護者の間まで繋がるということか。


 科学力なのか、権能力なのか、どちらが凄いのかオレにはわからない。


“一洸です”


“……一洸、大変なの、大変なのよ”


 今のエイミーは、軍人なのか普通の子なのか、あるいは両方なのか、とても不思議な狼狽え方だった。


 いずれにしろ、尋常ではない何かが起こったのはわかる。


“エイミーさん、落ち着いてくださいね。

どうしました?”


“……あの、高位知性種が、連邦の船を…… この旗艦を攻撃してきたの。

かろうじて直撃は免れたけど、被弾した一隻が制御を失って、惑星の地表に向かって墜ちてきてるのよ……

乗員が脱出した後、地表に激突すると、一キロの隕石が落ちたのと同じ被害になるわ”


 1キロメートルの隕石落下……

 どんなことになるのかわからないが、アールに聞いてみよう。


“1キロ規模だと都市は蒸発、惑星規模で被害が広がるわ……

地上へ直撃する前に消滅させてほしいの、あなたにしか出来ないのよ”


 オレはバルバルスに目と心で内容を伝えると、そのままとんでもない早さで“ゼロ”に引き上げてもらい、保管域に戻った。



“アール、惑星に墜ちようとしている艦艇の情報は見えるよな?

取り敢えずバトラーに乗って作戦を決める、頼む”


“一洸、それはいいが、バトラーに乗っても出現ポイントの選別が難しいぞ。

この艦艇は大型で、墜落予想地点は海洋上になる。

私の知る限り、ここは今まで打った全ての転移ポイントから離れている”



 そうか。


 なんとなく恐れていたことが起こった。


 魂意鋲のポイントは随時広げていこうとは思っていたが、これほどの展開で要してくるとは……



 オレはダメ元でベリアルに連絡、同時に墜落予想ポイントを教えた。


 かいつまんだ事情を、たったの一回で彼は理解してくれた。



“一洸様…… 空から墜ちる隕石、私の全力で当たってみます”


“ベリアルさん、ありがとうございます。

無理は承知です、オレも向かいますので持ちこたえてください”



 オレは、地上で最も近いポイントであるフーガの森に次元窓を開け、そこからバトラーを出した。


 ありったけの要求をバトラーのAIにたたきつけ、オレは全速力で墜落予想ポイントへ向かう。



“おにいちゃん、あたしたちは…… 待機でいいんだよね?

いつでも撃てる準備しておくから”


“……みんな、頼む”




 オレは最大機速をAIにコマンドした。

 過重Gへの耐性予想、“危険領域”とのことだ。


 オレは構わないからやれ、と命じた。


 ブゥーンという静かな鳴動とともに、機体にGがかかってオレは少し平べったくなってしまう。


 “マッハ7.8,7.9,8.0……”スクリーンの下に表示される速度は、次々に変わっていく。


 目的到着予想時刻、25分。


 間に合うのだろうか。


 途中経過を尋ねるべきか迷ったが、外堀から埋めるか。


“アール、目標の艦艇にベリアルさんが近づいていると思うが、わかるか?”


 一瞬の沈黙があった。


“コミュニケーターの反応から見つけた。

転移陣を連続して使っているようだ。

洋上へ行く手段はわからないので、到着予想は立てられない。

このまま一洸が進んだ場合でも、艦艇の洋上墜落まで間に合うかどうか微妙だ”


 機械生命体で“微妙”と言われるのだ、多分無理なんだろう。



 全くなんてことだ。



“一洸、見えたぞ…… ベリアルはどうやら飛行できるようだ。

海岸の転移ポイントからすごい速さで墜落予想地点まで進んでいる。

間に合うかもしれない”


 そうか……

 だが、どうやって墜落戦艦を防ぐのだ。


 とりあえず知らせるなどと無責任な伝達だったが、その先の撃墜手段など先方まかせだ。


 オレは自分が恥ずかしかった。

 とても魔元帥などと名乗る資格はないな。



 物凄い早さで海上と雲が移動しているが、まだ目標は視認できない。



 だがもうそろそろなはずだ。



“一洸様、ベリアルです。

どうやら間に合ったようです、目の前に、とてつもなく大きな船が見えます。

まるで、空が落ちてくるかのような大きさです”


 ベリアルは確かにそう言った。


 オレは、彼が何をもってそれを防ぐのか、聞き出す勇気がなかった。


“ベリアルさん、無理そうならそのままやり過ごしてください。

仮に被害がでても、世界が終わってしまうわけではありません”



 オレはそう言った。

 その時、ベリアルが優しく微笑んだような気がした。

 それは性能の良すぎるコミュニケーターがもたらした、この場における思いやりだったのかもしれない。



“私にも与えられた力があります。

これから、最後の力を持って行使しようと思います。

一洸様…… 魔元帥閣下。

バルバルス様と共に…… どうか、魔界を、魔族を、この世界を……

お願いします”



“ベリアルさんっ!”



 オレの声がベリアルに聞こえたかどうか、それを確かめることは永遠に出来なかった。



 眼前に巨大な閃光が届いたのは、直ぐの事だった。


【 恐れ入ります、下記お願いいたします 】


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