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ネコバレで追い出されたら異世界召喚、貰った権能はアイテムボックス無限大でした ~ワクチン人口削減計画が成功した世界線、可能性の未来~  作者: 凱月 馨士
第六章 異世界混沌偏

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第142話 未知の科学

 連邦の旗艦内にある広大なラボ内には、高位知性種の機械惑星から収集したデバイスサンプルで溢れていた。


 これを全て解析するのに掛かる途方もない時間。

 もちろん人間だけが行うのではなく、AIの手足となって動くドローンとの共同作業である。


 そうであったとしても一つ一つのそれは、連邦の科学で解明するには進み過ぎていた。


 今回の事案で、共同調査をおこなうことになったネクスターナルのドローンも多数参加している。


 どのようなエネルギー供給の元に動作していたかさえ不明な機械惑星、移動方法すらまだわかっていなかった。


 その中の一つ、小さなデバイスに衆目が集まっている。



「……何かの、エネルギー変換装置ではないかと予想しています。

中心付近に多数配置さていたのと、この一つ一つが、複数のエネルギー源からのジェネレーターとして機能したと仮定すると、移動体の構造からして整合してきますね」


 技術スタッフは、ホワイト大佐に説明している。


 直径10センチ、長さ20センチ程度のそれは、まるで移動ポッドに使うエネルギーパックのようだな、とホワイト大佐は思った。


 ここにいる誰しもがそう考えたであろう。

 たとえ数百、数千あったとしても、あの質量への装置としてはあまりにも脆弱だ。



“これを見てほしい”


 ネクスターナルのドローンが、技術スタッフとホワイト大佐に話しかけてきた。


 ドローンの手には、形状が変化しかかった小さなデバイス。


“このデバイスの内部には、僅かだが重金属粒子の反応が残っている。

ある種の金属への反応により、このデバイスの装置特性が起動するのかもしれない”



 何かを思い出したようにホワイト大佐は技術スタッフへ話しかける。


「あの機械惑星の炉心にあった金属反応、ごく微量だったが金属を取り出していたよな」


「ええ、現在分析中です」


「そのサンプル、分析中でもいいのでここへ持ってきてもらえるか」


 ホワイト大佐は、技術スタッフに確認するように言った。




 金属のサンプルは極小の体積、真空ポッドに入った状態である。


“このサンプルは大変貴重なものだ、検証への協力に感謝する”


「いや…… お互いさまだよ」


 ホワイト大佐はネクスターナルのドローンへ、まるで人間に対してするように振る舞っている。


 何の違和感もなく普通に行われている作業。


 その様子を見た連邦の技術スタッフは、わからないほど小さく口元を緩めた。



 ネクスターナルのドローン、的確な動作で微量のサンプルをデバイスに反応のあった部位へ乗せて、レーザー光を充てた。


 デバイスは形状をうねらせ、未知のそれへと緩やかに変化する。


 その光景を見ていた全ての視線は、言葉を失ってしまう。



「……これは、これがあの機械惑星のエネルギー変換機、その一つなのか」


「そうでしょうね、あの数が全て動作して……」


“これは我々にとっても驚きだ。

全く未知の科学だ、とても興味深い”



 ホワイト大佐は、コミュニケーターに手を充てた。


“エイミー、エイミー少尉、応答せよ”


 しばらくすると返答があった。


“はい、エイミーです。

今、一洸のところにいます”


“丁度良かった…… 例の件、ちょっと急ぐことになった、進めてくれ。

進捗も報告してほしい”


“了解しました”



    ◇     ◇     ◇



 オレはエイミーの機体が怯んだ隙に、スラスターを全開にして背後に回った。


 エイミー機の振り向きざまに、正面から粒子ビームを浴びせる。


 間に合わなかったエイミー機、顔面に被弾して頭部を吹き飛ばされて回転しはじめる。


 反動でエイミー機、リロメラの機体にぶつかりそうになって、受け止められる。


“派手にやられたなぁ”


“調子に乗ってるわよね一洸、久しぶりのわたしにいい度胸だわ!”


 容赦なく楽しそうにするリロメラには、何も感じていないようだ。


 オレはエイミーにわからないよう笑みを浮かべたが、コミュニケーターの恐ろしさはわかっているつもりだ、度を外し過ぎないように抑えることにした。



 シミュレーターで遊びながらも、オレは機械惑星から採取されたマナジェネレーターのことを考えていた。


 オーバーテクノロジーが高位知性種のデバイスに存在している事実。


 惑星に古くから伝わる伝説の遺物、魔換炉を起源とする機器だということになる。


 この星にあった古代文明、もしくは以前立ち寄った知性体からの伝承物なのか、それとも何らかの事情で遺されたものなのか……


 いずれにしろその効用のお陰で、オレやミーコたちはバトラーの恩恵に預かっているわけだ。


 あの大きさ、サイズ。


 もしかすると、あれは質量惑星を動かすためのものではなく、別の用途も兼ねているのではないか。


 もし、もしだ。

 小さなマナジェネレーターを人間が携帯できるようにしたら……


 エネルギーパックのようなものと同一化して、持ち歩くことが出来るようにしたら。


 あるいは……


 いや、やめておこう。


 そんなことを考えていると、エイミーがログアウトした。

 そう言えば戦闘中に誰かと話していたな……




 オレはシミュレーター改のコンソールをログアウトへ合わせると、サブミットした。


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