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ネコバレで追い出されたら異世界召喚、貰った権能はアイテムボックス無限大でした ~ワクチン人口削減計画が成功した世界線、可能性の未来~  作者: 凱月 馨士
第六章 異世界混沌偏

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第141話 小さな戦利品

 半壊させられた、高位知性種の機械惑星。


 デバイスと呼ぶにはあまりにも巨大な構造物で、まるで巨大隕石に削られ、爆発し損ねた惑星のようである。


 惑星規模のサイズを持つこのデバイス、その内部は凡そ連邦の常識を遥に超えたテクノロジーの塊であった。


 あの事件以来、連邦とネクスターナルの共同調査チームはこの機械惑星の調査を続けている。



 連邦、ネクスターナル、共同での高位知性種デバイス調査は、このデバイスが人間の居住スペースを持たないことから、困難を極めていた。



 連邦とネクスターナルの様々なサイズのドローン達が今回の調査の主役だ。


 デバイス内にある空洞内に簡易エネルギーを通してミーティングを続ける調査チームは、互いに意見を述べ合い、この未知の存在の秘密に近づこうとしている。



 惑星の中心部、そこに位置するリアクターは、現在活動を停止。

 次元転移ドライブに用いられる、ネクロニウムを原料とするリアクターであった。


 しかし、連邦の知るそれとは明らかに異なっている。


 この巨大質量を自在に操り、思いのままジャンプできる科学力、ネクスターナルをも超えたそれは、とても連邦の手に負えそうなものではない。



“これは仮説だが…… あの高位知性種は、時間を越えてやってきた存在だと想定している。

精神統合体として活動している惑星種は、数が極めて少ないのだろう。

過去、未来を通してそれらを集めて、さらに巨大な知性体へと変貌しようとしていたのだと考えている”


 連邦の技術スタッフの前にいるネクスターナルのドローン、機械惑星の構造図を4Dスクリーンに出して互いの意見を述べ合っている。



 エイミーの手には、正体不明のデバイスの一部。


 手前には、検証を要するデバイスが幾つも入った保存ケースがある。


 これからラボに持って行って、これの検証をしなければならない。


 小さなデバイスを見つめるエイミー、予想もしなかった現実に、複雑な心情を隠しえない。



 一洸、あなたこそここにいるべきなのに……

 呼び出してやろうかしら。


 向こうで少し遊んでこようかな。


 ここのところ、ずっとこれにかかりっきりだったし、いいわよね。

 私もストレス溜まってるのよ。


 エイミーは、コミュニケーターオープンを意識にコマンドした。



    ◇     ◇     ◇



 一つ、どうしても解せないことがあった。


 あの物腰柔らかなバルバルスが、何故禍々しい魔神将たちを打ち負かして従わせることが出来たのか。


 それこそが、バルバルスの固有能力ということかも……


 もしそうだとしたら、あのバラムの乙女っぷりからもその威力の凄まじさが伺える。



 そうか。



 ネフィラは無理かもしれないとしても、バラムは向こうへ連れて行ってもいいかもしれない。

 彼女の喜びは、オレの想像力では測れないほどだろう。



 コミュニケーターが反応、エイミーからだ。


“一洸、今大丈夫?”


“エイミーさんおつかれさまです、大丈夫ですよ”


“んもぅ、また他人事みたいに……

あんたのお陰で滅茶苦茶忙しくなったのよ、ストレスたまってるんだから!

ねぇ…… 保管域にいるんでしょ? そっちに遊びに行ってもいい?

ひと汗かきたいの”


 オレは思いっきり吹き出しそうになったが、必死に堪えた。


 そうだろうな、想像を絶した忙しさだろうと思うよ。


 後始末なんて全く考えないでやったオレにも責任はあるのだろうが、どうしようもないのも事実だし。


“あの、エイミーさん、そんなに煮詰まってるんですか……

旗艦にもどったら連絡してください、すぐ引き上げますから”


“今、ラボに向かうところよ。

これを置いたら引き上げて、その後すぐ時間停止すれば大丈夫でしょ?

そうそう、かなりたくさんお土産もあるのよ!”


“わかりました、すぐ上げます”


 随分垢ぬけたな…… というより、相当なストレスを積んでたんだろう。

 そんなに時間が経ったわけでもないが、オレも暴れてみるか。



 旗艦の魂意鋲を呼び出した。




 オレはエイミーの抱える箱ごと保管域に収納する。


 エイミーの持ってきた箱の中身を見たが、その正体などわかりようもない…… と思ったが、どこかで見たような形のものがあった。


 だが随分小さいようだ。


 まさかな。



「これは、例のものから?」


「そうよ、あの機械惑星から回収した正体不明のデバイスたち。

同じタイプのものが複数あったから持ってきたの。

許可はとってあるから大丈夫よ。

これは、アールに見てもらった方がいいんじゃない?」


 そう言って鹵獲戦艦を見上げるエイミーは、もうすっかりこの状況に慣れたメンツの一人であった。


「こんにちはエイミーさん、それはあの動く星の中にあったものでいいのかしら?」


「こんにちはネフィラさん、そうです、一洸のおかげで殺人的な忙しさになった私の戦利品の一部です」


 にこにこしながら正体不明のデバイスを手にするネフィラ、その表情が変わった。



 やはりそうか。



 彼女は手にとったそれを上に掲げて、鹵獲戦艦アールに示した。


“ね、アール、これなんだかわかるわよね?”


“……それはマナジェネレーター、形状は違うが恐らくは同様に機能するだろう”




 途方もないスケールだ、全く退屈しない世界だよ……

 オレはうっかり独り言ちそうになった。


【 恐れ入ります、下記お願いいたします 】


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