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ネコバレで追い出されたら異世界召喚、貰った権能はアイテムボックス無限大でした ~ワクチン人口削減計画が成功した世界線、可能性の未来~  作者: 凱月 馨士
第六章 異世界混沌偏

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第133話 隠された過去

 プルートニアの行政府庁の手前に位置する緊急事態対策センターの巨大なジオラマの前にベリアルはいた。


 国内都市間の主要路、一時避難場所の確保と整備状況の進捗が一目でわかる状況にはあったが、懸念材料は絶えなかった。


 かねてから魔界で問題視されていた地上回帰への動き。


 もし魔界での人民統制が出来なくなった場合、民意を完全に無視し続けることは難しいだろう。


 強まる回帰運動に連動するかのように起こった、ネクロノイドの脅威。


 示し合わせたかのように発生した苦難は、まるで試されているかのようだとベリアルは感じていた。



 バルバルス様。


 お姿を隠されてから、もう幾百年でしょうか。

 封印の儀に入られることを宣明された時の魔族の混乱と不安ぶりは、今でもありありと思い出されます。


 マルコシアス様へ全権力を移譲された時、私はその封印が固定的に完成されるものかと思っておりました。


 それなのに、それなにのあなた様は……


“この封印が解かれる時、それはこの世界の終わりかもしれない。

いつまで続けられるかわからないが、私は封じ込めておかねばならない。

これは成しえることのできる者にとっての、生まれながらの責務なのだ”


 あなたはそう言って、扉を閉じられてしまった……



 あの剛毅な女、バラムが泣き止むのに幾つの夜を越えたか。


 私以上にその重責に圧し潰されそうになった、力の象徴のようなマルコシアス様。


 あなたは、私たちの悲しみ、背負わされた重荷など、自分が背負うものに比べれば……


 いや、誰も出来得ないことです。


 わかっているのです。


 ですがバルバルス様、もし再びこの地上でお会いすることができるなら、どうか今一度力を奮ってください。



 この世界をどうか……



    ◇     ◇     ◇



 オレは保管域に戻り準備を進めた。


 バラムの言っていた極北の場所へは、バトラーで行った方がいいだろう。

 ミーコの機体に同乗してもいいが、愛機を失ったのは痛かったな。


 オレはまだ本調子とは言い難かったが、ミーコたちは危険な状態から脱しているようだ。


「おにいちゃん、行くの? あたしのに乗っていくんだよね! あたし後ろ乗るから前乗っていいよ!」


 そういう問題ではないんだミーコ。


“一洸、もちろんまだなんのテストもしていないが、実は新しい機体を作っているところだ。

あと少しでできる”


 オレはアールの言葉を聞くや否や、すぐに外界時間停止をした。

 たいした問題ではないだろうが、バラムとの待ち合わせには十分すぎる時間確保だろう。


“アール、仕事早すぎだな、ありがとう”


 オレは、心の底から感謝した。



 少しつまらなそうにしているミーコにオレは言った。


「ミーコ、今回必要なのは移動用の手段なんだけど、恐らくそれだけじゃ済まなくなる。

そんな時、自分の機体で対処できる方が都合がいいんだよ」


「……そうだよね、襲われてばっかりだと、おにいちゃんも大変だもんね」


 ミーコは呟くように小さく言った。

 今まで見たミーコの中で、一番かわいい表情に見えた。



 ネフィラがオレを見つめている。

 言うことがあるような表情、それだけでわかった。


「……ネフィラさん、バラムさんが話したことについて、詳しく聞かせてもらえませんか」


「ええ……」



 オレはネフィラの表情の変化に気をつけながら、話を聞いた。

 バラムの話した内容、その語られていない部分を。



「あの人の言っていた“封印の儀”、あれは、大魔王バルバルスの固有権能、“異跳界”の有する力の一つでね、あなたの権能“保管域”と、ほぼ同じようなものよ。

“異跳界”は、次元の扉を開けた状態のままにしておくことが出来る、唯一無二の大権能なの。

二つの異世界を繋いだままにする力、想像を絶する魔法行使力なのよ。

権能として使うので、魔王としての体力を使うわけではないから即死はしないわ。

でも、バルバルスはもう長くはないはず。

バラムは認めたくないでしょうけど」


 まるで見知った仲のような言い方だ。

 それを言及するつもりはなかったが、その昔になにかがあったのはわかった。



 ネフィラは、遠い昔を思い出すような物憂げな表情を深めてしまい、オレはそれ以上聞くことが出来なかった。



“なあアール、量子魚雷のグレード6が自爆機能だというのはこの間聞いたけど、もし、もしもこの惑星を破壊して欲しいってことになったら、それは可能なのか?”


 オレは、いつか確認しようと思っていたことをアールに聞いた。

 自爆ではなく、この惑星を消滅させる。

 そんな事態は絶対にあってはならないが、オレの予感はそれを確かにさせることを要求していた。


“可能だ。

完全破壊を目的とするなら、私自身がグレード6の量子爆発を地表で実行するのが確実だろう”



 アールが格納庫から出してきた新しい機体。


 腕のアームディフェンダーのような装着物、アンナのような可変タイプだろう。

 オレの闇魔法を撃ちやすくしてくれたわけか。




 ネクスターナル製の闇魔法使い専用ラウンドバトラー、オレは新しい相棒に乗り込んだ。


【 恐れ入ります、下記お願いいたします 】


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