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ネコバレで追い出されたら異世界召喚、貰った権能はアイテムボックス無限大でした ~ワクチン人口削減計画が成功した世界線、可能性の未来~  作者: 凱月 馨士
第五章 異世界総力戦偏

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第123話 今までにないほどの怒り

 エイミーの表情は複雑だった。


 保護したネクスターナルが次元窓から出た後、しばらく話しかけるのを躊躇うほどの状態だったので、そっとしたままにしている。


 決意したように話しかけてきたのは、大分たってからであった。


「……一洸、あなたとしてはどうなの。

つまり、あのネクスターナルの存在って、人間として見てるの?」


 かなり根源的な問題だった。


 エイミーの立場からすると、彼らはすでに人間ではない。

 地球を破壊したもう一つの要素、その原因ともなっている。


 しかしオレの立場からすると、彼らも同じ人間なのだ。

 アールが文化を欲し、自分たちの同じように何かを想い、興味を抱き、躊躇う様に……


「価値観は人の数だけあるわ、それは否定しない。

でも、ネクスターナルを人間として見た場合、恐らくとても面倒なことになる……

私たち以上に、彼らにとってもよ」


 エイミーはそこまで話すと、オレに正面から向き直って言った。


「戻るわ」


 旗艦への次元窓を開けて転移した時、いきなり聞こえてきたのは、警戒態勢のアラート。




 エイミーが指令室に向かうままに、彼女のあとにオレは続いた。


 メインスクリーンに映し出された機械惑星3体によって、状況は明らかであった。


 スクリーンを見つめるホワイト大佐以下、尉官たち。


「大佐、あれは今回の同行調査時に出現した、異星人のデバイスです……

あれが、ネクスターナルを破壊しました」


「なんという大きさだ……

あの質量を維持して移動できるとは。

我々の科学の次元ではないな」


 そうか、まだエイミーは報告する前だったか。


「ホワイト大佐……

彼らが不当な要求をしてきた場合、オレが表に立ちます。

調査時にこの惑星がネクスターナルを破壊しようとしていたところを撃退したのはオレです。

そのことに対しての報復なら、オレを差し出してください」


 ホワイト大佐はエイミーを見て、彼女の表情からオレの言った内容を確信した。


「……撃退、とは。

君はあれを破壊したのか?」


「ええ、もちろん仲間たちの力を合わせてですが」



 エイミーは事の次第をホワイト大佐に報告、その内容はよりホワイト大佐の表情を曇らせるものとなった。


 無理もない話だな。



「状況の変化はあるか」


「……出現した状況のままです、砲門解除の兆候もありません」


 オペレーターは、ホワイト大佐に冷静に答えている。

 彼らがそれほど動じていないのが、オレを単純に安心させた。




「たっ、大量にジャンプアウトしてきます、もの凄い数です!」


 突然発せられたオペレーターの声は、叫び声にも近かった。


 3体の機械惑星と第7航行群の間に次々にジャンプアウトしてきたのは、数百隻にも及ぶネクスターナルの戦艦群。


 その出現は、あっという間であった。



“我々はネクスターナル。

オールドシーズへの攻撃は認められない、それは我がネクスターナルへの攻撃とみなす”


“お前たちネクスターナルは、我が高位知性種との融合のみがとるべき選択肢であり、現在の行為は無意味である、ただちに融合せよ。

その同根有機体の分岐物は、我々が処理する”


 ネクスターナルと高位知性種のやり取りは、コミュニケーターを備える全ての存在にモニターされ、内容は全ての連邦とネクスターナルの知るところとなった。



 機械惑星から発せられた未知のエネルギー波は、第7航行群の戦艦へ向けられる。


 その瞬間、ジャンプしてきたネクスターナルが盾となって、連邦の戦艦は破壊を免れたが、ネクスターナルは破壊されてしまった。


 次々に攻撃を仕掛けてくる高位知性種、だがネクスターナルは、身を挺して連邦を守っている。


 そのイージスジャンパーとでもいうべき防御スタイルは、恐らく初めて披露されたのではないだろうか。



 オレは、今までにないほどの怒りを覚えた。


 自分を抑えることが出来ない、こんな激情を覚えるのは生まれて初めてだったかもしれない。



 何も言わずにオレは指令室を走り出ると、そのまま保管域へ転移した。



“アール、リロメラ、ミーコ、アンナ、レイラ、準備してくれっ!”


 オレはそれだけ言うと、愛機に乗り込み、すぐさま次元窓を開けた。


“一洸、最初から重力シールド展開で、一気にケリをつけた方がいい”


 アールが提言してくれたが、元よりそのつもりだ。


“そうするよアール。

あの3体の惑星を同時に片付けようと思う。

最適な射出ポイントを出してくれるか”


 オレはそれだけ伝えて、コンソールに触れた。


“おにいちゃん、あたしたちは…… あたしたちはここから撃てばいいんだよね”


“そう、いつものように合図するさ。

きみたちの射出は控えようと思ってたけど……

すまない”


“一洸さん、わたしたち、このためにスタンバイしてるんです、気にしないで、思いっきりやっちゃってくださいね”


“……あ、あの、わたし、今までださなかったくらい、精一杯やります!”


 3人のそんな声が、オレを支えてくれた。


 オレの中には、怒りと、嬉しさと…… とても言葉では言い表せない複雑な感情が渦巻いている。


“一洸、俺がさっきぶっぱなしたよなぁ。

じつはよぉ、本気の全開じゃねぇんだ……

お前が死んじまうんじゃねぇかって、最初の具合を確かめたんだ。

だから、これからやるのが本気だぜ。

お前、マジでよ…… 絶対に死ぬなよ”


 オレは、自分の笑顔をみんなに伝えられないのがちょっと残念に思えたが、精一杯の言葉で伝えた。




“みんな…… ありがとう。

みんなの力を借りるよ”


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