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ネコバレで追い出されたら異世界召喚、貰った権能はアイテムボックス無限大でした ~ワクチン人口削減計画が成功した世界線、可能性の未来~  作者: 凱月 馨士
第四章 異世界争乱偏

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第100話 マナジェネレーター

 オレたち保管域の住民は、アールの中にある艦内ラボに初めて入った。

 魔換炉の素材反応実験を見るためだ。


“本来、私の中は人間が入るようには出来ていない。

余分なスペースがないのはそのためだ”


 薄暗く狭い通路ではあったが、空調も照明も設置してくれたようで、言うほどの不便は感じなかった。


“アール、くすぐったくないの?”


 ミーコが悪戯したそうに聞いたので、やはり一人で入るべきだったかな、などと思っていた。

 オレたちが何もするはずはないが、こうして自分の身体の中に異物を入れるということは、信頼の証ともとれる。

 などと思いながらも、ミーコが何かしでかすかもしれないという可能性を考慮し、気をつけてはいた。


 ミーコが、自分の身体をさするようにしている。


“なんか、体の中に入られてるの想像したら、くすぐったくなっちゃたよ”


“ミーコ…… その想像力は、他のことに使った方がいい。

その先を右に曲がったところだ”


 格納庫のような空間の中心に魔換炉が据えられている。

 小さな歩行ドローンが、周囲を取り囲むように配置されていた。



“艦外での作業で危険がないことを確認したので、今回の検証となった。

まずレイラが抽出してくれた物質を分析し複製を試みたところ、可能だという結論に至った”


 魔換炉に抽出物質を接触させると、ゆるやかに輝き始めて形状が変化しはじめる。


 装置の後部から固定脚が出現して自らを安定させ、ボルトのように回転すると、それまで現れなかったエネルギー射出口が形成。


“……なるほど、こういうことだったのね。

この絵柄すら全く後世に残っていなかったのは、これを見たのは私たちが初めてかもしれないわよ”


 ネフィラは腕組みをしながら、冷静にその様子を見ていた。

 魔換炉の安定脚の後部にあるエネルギー吸収口に、ドローンが太いパイプを接合している。


“この魔換炉は、反応物質によってスタンバイの形状にならないと全く機能せず、その組成すらわからないようになっている。

ここに、まず50kwの電力を流してみる”


 アールがそう言うと、ドローンが支えたパイプのゲージが上がり始めた。

 ゲージは50kwの辺りを上下している。

 魔換炉のエネルギー射出口が輝き始めた。


“君たちならもうわかるだろう、そこから出ているものが”


 ネフィラは射出口から出る、細かい粒子状のものを含んだ淡い光に近づいた。


“……これは、魔素そのものよ。

みんな触れてごらんなさい、すごく身体が温かくなるはず”


 オレたちは、淡い光に手を当てるようにしてみる。

 すると、それが体内に入りこむように、温かい感じが伝わった。


“おらぁ魔素なんて必要ねぇからわかんねぇけど…… 悪い感じじゃねぇ”


 リロメラはそう言ったが、果てして異世界の天使は魔素を力に変換できるのだろうか。


“リロメラには魔素は必要ないのか?”


“俺の力の源は神力だ、魔素を供給されても、あんまし影響ねぇんだ”


 抽出素材を用いた魔換炉の反応実験、形状が変化してジェネレーターとしての組成を表し始め、オレたちはそれを確認。

 アールはこの魔換炉が、エネルギー源から魔素への触媒となって力量を制御する高度な装置であることを証明してくれた。


“今すぐではないが…… この魔換炉、つまりマナジェネレーターを量子リアクターに接続し、内部にいる者が膨大な魔素の供給を受けられるマシンを作ろうと思ってる。

魔法攻撃を直接放てる、魔法使い専用ラウンドバトラーだ”


“……その”


“一洸の懸念は理解している。

これはもはやラウンドバトラーではない、全く新しい量子リアクター内蔵空間装機だ。

バトラーの神経接続技術はそのまま流用するが、その他はネクスターナルの技術を用いて制作する、よって心配は無用だ”


 お気遣いありがとう、でも恐らくは相当突っ込みが入ると思いますよ。


“これで、ミーコ、アンナ、レイラ、そしてネフィラやリロメラも、存分に暴れることが可能だ”


“やったねアール! あたしの機体って、色とか剣とか弓とか、オプション好きにつけまくるから大変だね!”


 ミーコはアールにあらゆる要求をして、とてつもないモンスターを仕上げる気満々である。


“アールは…… アールは自分のバトラーを作らないの?”


 アンナがアールに聞いていた。

 連邦への気兼ねがなくなれば、それはもちろん可能だろう。


“いずれは…… ただ、外宇宙へ私の意識を外部ユニットに繋いだ段階で、私の懸念である並列リンクが復活してしまうかもしれない。

それはまだ可能性としておこう”


 ミーコ、アンナ、レイラは、まるで初詣の煙を浴びる女子高生たちのようにはしゃいでいる。

 ネフィラは、リアクター形状になった魔換炉を細かく見ていた。

 手でフレームを作る動作をしている、記録にとっているのだろう。


“なぁアールよ、俺の神力って、もっと上がるのか?

これを使ってどうなるもんなら、やってみてくれよ”


“量子リアクターから供給されるエネルギーを魔力変換できるのだ、君たちの本来持つ能力を遥に上回る、想像を絶したものとなるだろう。

リロメラの神力に関しては検証が必要だ、調べてみる”


 もしリアクター接続下の状態で、バトラーからレーザー氷石獄を撃ったらどうなるのだろうか……



 オレは自分が使われない側で良かったと、その時本気で思った。


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