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異世界転生するみたいです

*長めです。最後まで読んでいただければ幸いです。

もふもふもふ、もっふもっふ、もふっ!!


くいっ


ん?…………もふもふもふもふ


ぐぐぐぐぐ・・・ぐいっ!


んんん??…………もふもふもふもふ


『おぬし、気づいとるだろう?一度手を止めぬか。』


しばらくもふもふしていると、なにかが足を引っ張ってきた。しかし、私は今もふもふを堪能中なんだ!話なら後にしてくれた前。と、無視していたら、神獣さんに止められました。てへっ!


もー、なんだよ。とぐちぐち言いながら、ちらりと下に目を向ける。


‵きゅーう’


「か、かわいいぃ、」


そこには、もふもふがいた。


「ななななななにこれ!めっちゃ可愛い、」


『そやつは、幻獣じゃな。』


「幻獣?なにそれ??でもかわいい。」


『幻獣は、聖域に住む生き物たちのことだ。たまに人間界に降りることもあるが、基本は聖域にしかおらん。』


「ふーん、よくわかんないけど。珍しい生き物なんだ。」


『む、おぬし理解する気がなかろう』


「そ、そんなことないよ!...それより、なんでここに?」


『そやつらは、おぬしに会いに来たんじゃろ。』


「え?私??それに、そやつらって、この子しかいないじゃない。」


『よくみろ、奥の森に沢山おるじゃろうが』


「へ?おく??」


コソコソ、ちょこちょこ、きゅーー、チラッチラッ


「え?な、にあれ...か、かぁ」


『か?』


「かっわいいいいいいいいいいい!!」


なにあれなにあれ、めっちゃ可愛いんだけど!なんか、おっきいのも、ちっこいのもいるし、ふわふわも、つやつやも、もふもふのもいる!あー、撫でたい。触りたい。もふもふしたい!触らしてくれないかな。


きゅー!きゅう、きゅーう、きゅっ!


え?触ってもいいの?


きゅう!


きゃあああ!なにこの子、ほんとにかわいい。むり、この子の可愛さにやられちゃう...

そっと手を伸ばして触れてみると、ふわふわのもふもふでした。心なしか、この子も気持ちよさそうにしている。ああ、可愛い、可愛すぎる。神様ありがとうございました。もう悔いはありません。さようなら。


『おい、勝手に終わらすな。』


「む、さすが神獣さん、私の心を読みましたね?」


『いや、読まずとも顔にかいておるわ。...そんなことよりおぬし、よいのか?他のやつらが、おぬしに撫でてもらいに来たようだぞ?』


「え?ほかの子たち??」


私は、もふもふに囲まれていた。ここは天国だ!!!


***


『む、来たな』


もふもふもふもふもふもふもふ


"こんにちは"


もっふもっふもっふもっふっもっふもっふもっふもっふ


"え?いや、あのー、こ、こんにちは!"


もふっもふっもふっもふっもふっもふっもふっもふっもふっもふっもふっ


"ああああああああの!聞こえてます??いや、聞いてます???いや、聞いてください!?"


もふもふも『おぬし、わざとだろう。話を聞いてはやらぬのか?』


"そ、そーだそーだ"


「いや、だって、今はもふもふ中だし、知らない人には話しかけちゃいけません!って、誰かが言ってたもん!」


"え??"


『なにを言っておるんだ、おぬしが誰かに話しかけるわけじゃなく、今おぬしが、話しかけられておるのだろう?』


"あ、あのー、お二人とも、私のこと、ガン無視ですか??"


「まあ、そーなんですけどー、なんかめんどくさそうじゃないですかー。」


"うぅ、め、めんどう..."


「ほら、泣き出したし」


『おぬしなかなかの鬼畜だな、泣かしたのは、おぬしであろう』


「えー、もう、鬼畜だなんて、人聞き悪いこと言わないでよね」


神獣さんからジト目でみられた。解せぬ。あ、なんか‘やれやれ’みたいな顔してるんだけど!?ちょっと、神獣さん??


"あ、あの!聞いてください!お願いします!!"


「……なんですか?」


仕方なく声のする方に目を向けると、涙目の美青年がいた。

ちなみに、さっきまで周りに集まっていた幻獣たちは、この美青年が来てから離れて行ってしまった。そしてもふり中だった子も。ああ、もふもふが……。それにしてもこの人?物凄い美青年なのに、涙目って……溢れ出る残念臭が、

いや、まあ泣かしたのは私か。

そんなことより、誰だろう?ここで会う初めての人?だけど、さっきここに人は来ないって言ってたしなぁ。人じゃないならなんだって話だけど、もしかしなくても、神様とか?でもなら何でここに?って私がいるからか、いやー、それにしても美形だな、ここまで整ってると逆に引くな(笑)


"と、いうことでよろしいですね?……もしもーし、ちゃんと聞いてます?"


「へ?...あー、聞いてます、よ?ちゃんと!」


『おぬし、絶対聞いておらんかっただろう』


「そ、そんなこと……」


"なら、それでよろしいですね?"


「それって、どれ?」


"やっぱり聞いていなかったんですね!"


「すいません」


"いいですけど、あのですね……"


つまりは、こういうことだ。私がここにいるのはイレギュラーで、なんでも空間の歪みに巻き込まれたらしい。要は事故だ。だからといって元通りに、というわけにもいかないらしく、なんでも、私がここに飛ばされてからも、あちら(地球)では時が進んでいて、今更戻れないらしく、会社では階段から落ちて事故死、それも空間の歪みに巻き込まれた為に、結構ひどい状態らしく不可思議な事件となっているらしい。

じゃあ、今いる私は?と思ったのだが、これはあくまで精神体(魂のようなもの)で生身の姿ではないんだって。で、これからどうするか、選択肢としては三つ。

まず一つ目、地球に戻る。

次に二つ目、このまま、消える。

最後!三つ目、別の世界に生まれ変わる


で、まず一つ目の地球に戻る。ってのは、そのまま戻れるわけじゃなくて、一度魂を強制リセットして戻すんだって。で、これはちょっと危なくて、今いるのは地球とは違う本当なら交わることのない別次元の世界で、その次元を超える行為自体、魂が消滅しかねない危険なものらしい。いや、怖いわ!

次の二つ目は、そのまんま、消滅。元々ここにいるはずのない魂は、ほっといても消えてくらしい。

いやいやいや、一も二も、消滅って、こわっ!!!

そして最後に残った三つ目、これは、魂をそのままに、こちらの世界のまだ魂の宿っていない身体に入って生まれてくること。記憶も名前以外、そのまま消さずに残してくれるんだってー、でも最初は一時封印。まあ、生まれたての赤ちゃんが中身27歳のおばさんだと色々ショックだし、私も嫌だ。それに封印って言っても、魂に染み付いた価値観とかは、そのままだし、記憶が消えてなくなるわけじゃなく、ただ忘れているだけでそのうち、全部思い出すらしい。


もうこれ、三択じゃなくて、一択だよね。

てことで、生まれ変わりを決意したのですが、今回は、不幸な事故ってことで、特別サービスとしてオプションをつけてくれるらしい。なんでもいいよ、と言われたけど、んー、オプションか、うん、決めた!!やっぱりこれだね!それから、神様に生まれ変わり先の世界について聞いたら、"私の管理している世界"としか教えてくれなかった。なんでも、生まれ変わってからのお楽しみらしい。おい、完全に面白がってるだろ


まあ、何はともあれ、オプションも決めたし、心の準備もOKだ!

これで、もふもじゃなくて、神獣さんともお別れか、最後にもふもふしとこう。


「神獣さん、ありがとうございました。素敵なもふもふでした。」


『うむ。わしも久しぶりに人間と話せて楽しかったぞ。』


"ふふ、君がそんなふうに言うなんて珍しいね……では、〇〇さんよろしいですね?"


「はい、よろしくお願いします。」


"はい、いきますよ。ぜひ、楽しんでくださいね"


その言葉を最後に、目の前が真っ白に変わって、意識を失った。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

次話もよろしくお願いします。

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