神獣さんをもふります
ここどこだろ?森の中?さっきまで会社にいたはずなのに、どうして?それにここ、‘人’が誰もいない。
そもそもこの状況は明らかにおかしい。確かにあの時私は階段から落ちた、と思っていた。でも今はなぜか知らない場所で、なんだかよくわからないもふもふした生き物?の上にいる。しかも随分と大きい。一体何の動物だろ?絶対地球外生物だ。
ま、いっか。そもそも最初から夢だったのかも!階段から落ちてそのまま寝ちゃったんだ、多分。ならばすることはひとつ。そう、目の前のもふもふ思いっきりもふもふして、もふもふするだけ!もうずっと気になってたんだよね、このもふもふ。アレルギー持ちのせいで、今まで、生き物全般触りたくても触れなかった。でも今は平気だし、この機会に存分に堪能させてもらいましょ!
もふっ、もふもふ、もふもふもふもふもふ
ふわあぁ、ふわふわだ。癒される、素晴らしいもふ心地。さいこー!ヒャッハー!!……いや、はい。誰もいないんで調子乗りました。すいやせん。
ゲフゲフ、ゴホン。
それにしても、この子。随分大人しいな、寝てる?
『寝ておらんぞ』
え?だれ??幻聴!?
『幻聴などではない、おぬしの目の前にいるだろう』
「へ?」
うそ、しゃべってんの?え、てか口に出し『て話してたっけ?』
……は、い?いま、「ええええええええええええ!?」
『うるさい、叫ぶでないわ』
「いや、あの、あなた、喋れるの?いま、心読んだ!?てか、ここはどこ??いやそれよりも、私は死んじゃったの???」
『落ち着け、そう焦るな。これは念話だ、わしは触れているものの心を読むことができる。ここは、神界と人間界の狭間、境界線のようなもの、わしは神獣。ここの管理を任されているものだ』
「つまり、、、どゆこと?」
『...まあ、ここは曖昧な場所なのだ。理解せずともよい、だが、おぬしが生きてるか死んでるかについてはわしもよくわからぬ。ここは人が立ち入れるような場所ではないのだがな。どうやってきたのだ』
「いやー、よくわからないんですけど、かくかくしかじかでして」
『ふむ、なるほどな、それはおそらく歪みだ。』
「歪み?」
『そうだ、まあ、今はどうにもならん。そのうち、神がおぬしを迎えに来るだろうが……』
「そっかぁ、(うん、まあ生きてるといいなぁ、)……てことは、まだのんびりしてていいんだね!?」
『あ、ああ、大丈夫だが、おぬし、それでよいのか?随分と落ち着いとるが、』
「それよりも、もふもふさせてほしいんですが……」
『む、そのもふもふとやらはよくわからんが、おぬしも心細かろう。好きにするがよい。』
「やった!思いっきりもふるぞー!」
『……ほどほどにな』
……あれれ、もう少し進む予定が、
次回こそは、もっと沢山もふりたい。