罪の告白
どれだけ絶望してもそれは自分だけの絶望他の誰にだって理解されないことだから誰にも話したくないし、だけどここで懺悔することくらい許してほしい自分だけの苦しみを自分だけの悲しみを自分だけの罪を。
母親が突然倒れ、病院に運ばれた。確かに母は最近私が大学行くためのお金を稼ぐために忙しく働いていた。そのため、疲れからかあまり食欲がなかった。医師の診断によると胃ガンになっており、このまま放置すると数年でこの世からいなくなってしまうらしい。
すぐ母親は入院し、闘病生活が始まった。薬の副作用により髪は日に日に抜け落ちていった。
その姿を見るのがとてもとても辛かったが、本人は病気に対して頑張っていたので私は応援することにしていた。
そのため私は大学受験をやめ、更には高校を辞めて清掃会社に就職した。清掃会社では一番年下という事もあり、一番重い物を持ち階段を行き来し、パシリにされていた。
しかし、母親の闘病のため少しでもお金が必要だったので、私は我慢して頑張っていた。
次に母親は食べ物が喉を通らなくなると少しづつやせ細っていった。ここまでくると手を握ると力があまり入らず、私のために頑張って働いていた以前の母親とは違い、弱々しくなっていた。投薬の量が増え、必要となるお金も増えたが、貯蓄は減っていき、先月の家賃すら払えていない状況であった。
それでも私は母親を応援するために仕事を頑張った。
しかし、母親の容態は悪化するだけであった。今では様々な所にガンが転移して自分で呼吸すらできず花からチューブに繋がれていて以前よりも痩せ細っていた。母親はもう辛くなったのか殺してくれと言うようにまでなっていた。なにより自分はもうこのような母親の苦しんだ姿を見たくなかったのとお金がなくこれ以上の闘病を続けることが出来ないため、鼻から繋がれているチューブを外した。母は自分で呼吸ができないため、すぐ隣にあった心電図が異音を発していた。私はそれを眺めながら母親に作って貰った料理、小さい頃連れて行ってもらった旅行を思い出していた。しかし、数分もせずに看護師が飛んできて死にたいと言った母親のことを助けようと頑張っていた。この時私は殺人を犯してしまったのに気づいてしまった。苦しんでたのを助けただけなのに。私はただ楽になりたかっただけなのに。これが私がずっと隠していた自分だけが背負っていくべき罪。さよなら昔の自分。
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