〜後悔先に立たず〜
ー数日後ー
勇者パーティーは、ギルドのある都市「パンドラ」へとたどり着いたのだ。
この時期の都市は、イベントが盛りだくさんとなっている時期だった。その中で有名なのが身分を伏せて戦うバトルコロシアム「身分逆転〜下克上〜」だ!勇者達は、その情報を小耳に挟み急いで会場に向かった。そこには、人間以外にもエルフや竜人や銀狼の種族など強者揃いだった。当然、勇者達が来たので視線はこちら側に向くと思っていた勇者だが、その期待は簡単に砕かれた。近くにいた竜人に「偉そうにしてると潰すぞ!それとも外から来たお偉いさんか?」と聞かれた。流石都市「パンドラ」情報の出入りが少ないので勇者が来ても分からない。勇者達は、こいつらに一泡ふかせようとイベントにエントリーした。
ー数時間後ー
コロシアム内のコールによって勇者パーティーが戦うことになった。その相手は、先程の竜人だった。しかもよりにもよって、エルフが二人もいるという回復&力の鬼強の5人パーティーだった。エルフは、ある一人の男を除いては、トップに立つ程の回復魔法の力を誇るので勝ち目は、少しずつ遠のいていた。それでも余裕をかましている勇者達は、スタートとの合図で全力で攻撃などを撃ち込むがエルフ二人の回復魔法には歯が立たない。それに竜人は、元から物理的攻撃には強いのだ。そして、勇者達の攻撃が一瞬だけやんだ時に竜人はすかさず勇者パーティーのボディーにパンチをかまして勝負がついた。コールが竜人達の勝利というのと同時に勇者達の身分が冒険者になった。それがこのイベントのルールだ。しかし、勇者達は身分の変化に気付いていなかった。
ーギルド内にてー
勇者パーティーは、ここは元勇者パーティーというべきなのだろう。そのパーティーはギルドで身分の提示をし、ギルド会員になろうとした。が、ここで身分の変化に気付いた。そうさっきの試合で竜人達に勇者パーティーの身分が譲渡されたのだ。その為、これからは冒険者としてダンジョンに潜って依頼をクリアするだけで魔王を倒すという任務は、消されたのだ。そのまま元勇者達は、絶望の顔をしてギルドカウンターの前に立ち尽くすのだった。、
次は最強の雑用人目線です。