久々の再会と犯人へアゲインストの風
早速次の日から犯人捜しを開始ししようと私は息をまいていたのだが犯人捜しは授業の無い時間か昼休みと放課後のみしか捜せないとノアに言われた上に明日は協力者であるノアと王子とキールさん揃いも揃って授業日だったのに3人揃いも揃って用事で休みやがるらしいので初めから出鼻をくじかれた気分だった。
私一人でも犯人を捜すとノアに伝えたが、余計反感を持たれて危ない目にあうかもしれないから捜すなとあんちきしょうなノアに止められてしまった。結局翌日は一人寂しく授業を終え一人寂しく歩いて、このまま帰ろうかと思っていたのだがリリアンと偶然廊下ですれ違った。
「何あの子」というような痛い視線に堪えながら私は勇気を振り絞りリリアンを呼び止めてカフェに行く約束を取り付けた。放課後、二人きりで二週間ぶりに話した。カフェという人の目につきやすいところということもあり、あたりさわりのない話をしていただけだがやはりリリアンは気の合う人だと思った。そして、本題の犯人捜しを手伝って欲しいという旨を伝えると
「おうおうおうおう!!なんだいこの世界において本物の悪役令嬢である私を差し置いて悪役令嬢気取りの奴は!!ロゼリはめちゃくちゃいい子だし私の唯一無二な転生者仲間!!嫌味な噂を流して傷つけるとは許せん!!勿論私も一枚噛ませてもらう!!」
リリアンはカフェの店内だというのに鼻息を荒くして宣言する。
その口調や表情はいつもの外面がいい優雅な令嬢ではなかったが転生者である彼女はこっちが素なのだろう。この世界で友達の居ない私にとってはとても頼もしく、そして前の世界の友人を彷彿とさせて従来から知っているような不思議な感覚に襲われた。
リリアン自身に話した時まず口から出てきたのが「は?」という怒気だったため、1年生の間に広まりつつある結構有名なこの噂を知らない。犯人はどうやらリリアン本人を巻き込みたくないのだろうちということがうかがえた。
そりゃそうだろう、今でさえこんなに憤慨しているのにリリアン本人へこの噂が来たらリリアンは真っ向から否定するに決まっている。
「ふー」と猫のように怒るリリアンを馬を宥めるように「どうどう」と宥め、落ち着いたところで協力者4人の事を話し、また雑談に入った。
次の日になり、皆授業もあったため新しく加わったリリアンを含む女2人男子3人の5人は昼休みに中庭に集まる。
「よーし、これから聞き込み開始だね!!」
「ですわね!」とリリアンと私が鼻息を荒くするとジョシュア王子が微笑みながら
「ロゼリさんやリリアンの当事者2人が直接絡むと厄介になりそうですから一先ず私たちが呼ぶまで大人しく待機してはいただけませんか?」2人は全く納得いかなかったので怪訝な顔をしたが「3人の総意です。」とだけ告げるとあとは話すことはないというように威圧感を出していた。
3人が聞き込みに行き、暫くしてから2人はやはり待ちきれなくなり別方向へ進み聞き込みを開始した。
「なんだか探偵?警察?ごっこみたいで面白いねリリアン!」
「そうですわねロゼリ!このまま探偵だったら謎解き、警察だったら殺人とか始まっちゃうのかしら!」
「もしかしたらどっちでもなくて突然学校がゾンビだらけになったり、完全にドアが開かなくなって図書室倉庫の鍵を見つけたりしちゃうかも!!」
「ホラー展開ですわね!!赤いハーブとか青い鬼とか宇宙人とか出てきちゃうかもしれませんわ!!」
3人の意見を完全に無視して行動する背徳感と犯人探しというゲーム性から気分が高揚し、キャッキャと廊下をはしゃぎながら歩く。
この時の私はすっかり忘れていたのであった、私は『リリアン・グランジェという名の令嬢を虐め、その上リリアン嬢の婚約者である王子を狙っている』という噂が流れていることを。
雷炎「どうしてこんな話になった?話がまとまらない。」
ロゼリ「知るか、自分でなんとかしろ。ただでさえ更新速度ゴミ以下なんだから」
雷炎「ひょえっ」
ロゼリ「あと、恋愛要素どこだ。私がアホの子ってことしか伝わってこないぞ」
雷炎「(無視)」