嘘つき天邪鬼女子と心配性オカン男子 :文
嘘つき天邪鬼女子と心配性オカン男子の、恋のお話。
「君のことが好き? とォンでもない! 天地がひっくり返ってもありえないよ!」
(ああもう、そういうこと言わないで! 心臓破裂しそう……!)
言う事成す事全部反対で、嘘つきな女の子と、
「ええ!? 雨の日に傘持たないで出かけたぁ!? ちゃんと持ちなさいって言っただろう! 風邪引いてないか?」
言う事成す事全部母親みたいで、あだ名はオカンの心配性な男子。
嘘つきな女の子は、お節介で心配性なオカン男子に一目惚れ。
オカン男子は、危なっかしい嘘つき女子に構っているうち、段々と好きに。
口から出る言葉が言いたい事とは反対になっちゃう事に悶々としつつ、オカン男子の内面を知っていき、ますます好きになっていく。
「キミなんて大っ嫌い! ほんとお節介だよね。ワタシに構ってないで、他のとこ行けば?」
(こんなワタシのそばに居てくれるなんて……! やっぱりカッコイイなぁ)
「そんなこと言わずに一緒に食べる! ……ほら、野菜も食べろ。んなだから細っこいんだよ」
(ああ、おい! 無防備に男の手から食べ物を食うなよ……。くそっ、かわいいなぁ)
こんなのが日常茶飯事。
思ってる事を口に出さない(出せない)から、ずっと二人は両片思い。
そんな二人を周りは生温かい目で見守る。
そして、ふとした時に嘘つき女子の本音がポロリ。
「…………あー、ワタシ、どーしよーも無いくらい◯◯クンのこと好きだなぁ……」
「えっ」
「あっ」
「――――――――――――な、ナァンてね! 冗談だよ、冗談――――――」
「俺、俺もお前の事好きなんだけど! え、なんだよコレ夢じゃねえよな!?」
「……ウッソぉ」
相手が自分を好きだなんて露ほども思っていなかった嘘つき女子。
突然のカミングアウトに彼女の心はドッキドキ。
「…………なぁ」
「な、なんだい?」
「――――――――俺と、付き合ってくれませんか?」
「!!」
そしてオカン男子が告り、二人は付き合うことに。
嘘つき女子は言う事こそ変わらないけれど、とっても嬉しそうな雰囲気に。
オカン男子は更にオカン度アップ。……あれ?
そして二人は幸せ(?)に暮らしましたとさ。