序章 その3
うちの会社の本社に中国課というのがある
中国への手配だけを専門とする特別な課。
この課に同期入社の沢田悦子が配属されている
悦子は入社前の研修の時に同じグループだった
1グループ6人制、
私より年上で姉御肌の悦子がリーダー
面倒見がよく、年上だからっていばってない
そして
ひょうきん
(この言葉 死語?)
キレイな顔立ちなのに
どこか
おやじっぽい!?
私達グループは彼女のおかげですぐ仲良くなれた
3年たった今も私達6人は配属部署はバラバラだけど
電話やメールでつながってる仲良し。
社内でこの6人組の絆の強さはちょっと有名☆
そんな悦子さん、なぜ中国課にいるかというと
学生時代中国語を専攻して、
中国語
ペラペラ・・・
なんです。
あたしと同期なのに、
中国、台湾、香港・・・と
たくさん仕事で海外に行っている。
うらやましかったりするけど、
彼女は特別。
ある日、悦子さんからメールで、
悦:「今度、中国の大連に行くの」
私:「大連って 中国のどの辺?」
旅行会社にいながらアホな質問・・
悦:「そんなマヌケなこと聞かんで、
でも、飽き飽きよ。 添乗なんて」
私:「えー、いいじゃん、私なんかまだ一回も・・」
悦:「まだ行ってないの? でも楽じゃーないよ。添乗って仕事」
「それよりさ、いつも中国語圏ばっかり、」
私:「悦子さんは中国語話せるモンね」
悦:「そうだけどさぁー、もっと違うとこ行きたいよ。
ハワイとか、ヨーロッパとか。」
私:「一生中国だったりして」
悦:「やめてよー。お土産なし!」
メールはここまで。
悦子さんは翌日大連へと向かった。