第四話 美女4人に囲まれてウハウハ…とはならないようです
…
…そうだ。
そうやって僕はこの世界に来たのだった。
まさかトイレの排水溝が異世界に通じているとは。
意外にも程がある。
にわかには信じられないが、この空気感というか、世界の存在感はとても夢とは思えない。
思い出したところで、目を開けてみた。
周りには、先ほどの女性4人。
やはり美人揃いである。
「い、、生きてる・・・」
勇者っぽい女が安堵したように喋り出す。
名前はキャロルとかいったか。
「まさか、、そんな、、、」
いかにも魔法使いのような女が驚愕の表情でこちらを見ている。
僕を殺そうとした張本人だ。
ユーリンとか呼ばれていたな。
顔を見たらフツフツと怒りが込み上げてきた。
「てめ!熱いだろうが!死ぬとこだったんだぞ!」
勢いよく立ちあがり、ユーリンに詰め寄る。
「くっ…!」
ユーリンが再びカメハメ波の格好をしようとしたので
「させるかっ!」
それより先に、その手を抑えてやった。
「ヒッ」
するとたちまち怯えて泣きそうな顔になるユーリン。
なんだ、しおらしい顔も出来るじゃないか。
ちょっと可愛いとか思ってしまった自分が情けない。
と、その時に自分の置かれた状況に気付いた。
拘束されていたのは解かれているようで、動けるし喋れる。
いやそれよりも、先程あれほどの炎を受けたはずなのに火傷ひとつしていない。
服が少し焦げているような跡があるくらいだ。
もしかして手加減した?(そうは見えなかったけど)
改めて女魔法使いを見ると、少し震えながら目をつむっている。
「彼女から手を離しなさい!」
女勇者がこちらに警告してくる。
手には長剣を構えており、今にも飛びかからんという体制だ。
見ると他の2人もそれぞれ身構えているようだ。
「あっ!ごご、ごめん…」
思わずパッと手を離す。
彼女の手には赤い痕が付いており、少し強く握りすぎていたようだ。
その反応に一瞬、拍子抜けしたような女勇者だったが、すぐ顔を引き締め続ける。
「貴様…いったい何者だ!?」
手には長剣を持ったままこちらを睨んでいる。
さっきは生きてる僕を見てホッとしてなかったか?
いやしかし、さっきの魔法使いの怖がり方も気になる。
仮にも僕を殺そうとした人物だ。
そんなやつが、詰め寄って手を押さえただけであんなにしおらしくなるものか?
この女勇者もしかり、どちらかというと僕の存在に戦慄しているようにも感じる。
「やはり、竜王の生まれ変わりなのか・・・!?」
長髪ブロンド美人の女戦士が、構えた大剣に力を込めてつぶやく。
なんかヤバイ雰囲気になってきた。
最後までお読みいただきありがとうございます。
未熟な文章ですが、頑張って書きたいと思っていますので、どうぞよろしくお願いします。
薬師っぽさがまったく無いですが、そのうち活躍できる予定です。