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ミスって途中で公開したので、後半部分が増えております!

お楽しみください!


 それにより追い詰められた王妃たち、その動きを察知したパラディール家やシャルトル家も加わり、失脚を免れることは出来ない――となった時、起死回生の一手としてレオンを直接害してしまおうと、殺害計画を企てる。

 ……が、そちらもパラディール家やシャルトル家、そして王家の者を守る者たちによりあっけなく失敗。

 母子共々仲良く捕まり、今は二人仲良く王家専用の病気療養地――という名の収容施設に送られた。

 

 それから数日がたち――

 これでようやく平穏な日常を取り戻したと皆が思い始め始め、久々にリアーヌはゼクスとのデートを楽しみ、その帰りにゼクスは家に招いてリビングで少し話をしていた。

 そんな時だった。

 ボスハウト邸に王城からの使者がやってきてレオン――ではなくこの国の第二王子、レオンハルト・ディスディアスから、王城で開かれるお茶会への招待状をリアーヌに手渡し帰っていった――


「――私……まだ社交界デビューもしてないのに、王城に呼びつけられるとか……」


 ズーン……と肩を落としながら、両手で握りしめた招待状を睨みつけるリアーヌはグチるように呟くと、凍結期間を予定よりも前倒しで終了させ、正真正銘の婚約者に戻ったゼクスに視線で助けを求める。


「……一応、パラディールのヤツが開くお茶会の延長線上みたいな会だ――とは書いてあるけどね……?」

「だったら学校のサロンでやってほしい……なんで王城……」


 げんなりと顔をしかめるリアーヌに、ゼクスが少し困ったような素振(そぶ)りで周囲を見回す。

 それは自分の予測を口にしてもいいものか……という問いかけでもあったのだが、それに答えるようにヴァルムがオリバーに視線を送る。

 その視線に頷き返しながらオリバーはガックリと項垂れているリアーヌに歩み寄り静かに声をかけた。


「おそらくではございますが……お嬢様に頼み事(・・・)があるのでは、と……」

「……頼み事……レオン――あーっと……王子様が、ですか?」

「――というよりも……王族として、でしょうか?」

「王族……?」


 オリバーが話す言葉の意味が分からず、大きく首をひねるリアーヌ。


「――つまり、お嬢様に守護のギフトをコピーもしくは譲渡をコピーしたのち、守護のギフトをお嬢様に移したいのではないかと……」

「……――私に⁉︎ なんで⁉︎」

「王家に連なる家、ボスハウト家がご長女にして、時期王妃であるクラリーチェ様のご友人でございます。 王家としても、以前持っていた者やいま持っている者よりも安心できるのではないでしょうか?」

「――安心できるとは限らないのではないでしょうか……?」


(少なくとも私は不安でいっぱいないわけですが……? でも――ユリアやベッティよりはマシってのは……まぁ、そうなんだろうな。 ベッティだけに持たせるのはありえないし、ユリアも……――そもそもあの子にはもうその手段が無くなっちゃってるし……騙されてたわけだから気の毒な気もするけど……――それでもあの子のやらかしは多くの貴族が目撃しちゃってるからなぁ……あのレベルのやらかしは簡単には忘れられないでしょ……)


「――そもそも王子からの招待って断れんの?」


 考え込むリアーヌを見ていたザームが、テーブルの上にゼクスが土産に持ってきてくれたショートケーキを食べながらたずねる。

 その言葉には苦笑いを浮かべたオリバーが答えた。


「――基本的には強制のようなものですかね?」

「んじゃ、どうしようもねーじゃん。 おとなしく行くしかねーだろ」

「――お前も道連れにしてやろうか……」


 ジロリとザームを睨みつけながらリアーヌが唸るように言うが、それはすぐさまオリバーに「――さすがに、ボスハウト家の一大事(いちだいじ)に繋がりかねません……」と言われ(そこまでなんだ……?)と、大きく息を漏らしながら唇を尖らせた。

 そんなリアーヌに向かい、ザームが勝ち誇ったような顔を向けて来たことにさらに腹を立てたりもしたが、すぐさまザームに向け、ヴァルムが笑顔を向け、それによりザームの身体がビクッと大きく跳ねたことで溜飲を下げたのだった――


 そして――

 そ王城でのお茶会に向け、マナーと立ち振る舞いの特訓の日々が幕を開けたのだった――


(――くそぅ……こんなことを私が願う日が来るなんて……――でも構わない! この特訓地獄から抜け出せるならもうなんでもいいっ! ――早く! 早くお茶会の日になってもらえませんかねぇ⁉︎)


 ◇


 ――王城のとある応接室。

 集まったのは、いつもフィリップに招かれているメンバーで、給仕をしてくれる使用人もリアーヌが見覚えのある者たちで固められていて、最初こそ緊張で顔を強張らせていたリアーヌだったが、いつもと変わらないメンバーそして使用人ということで、少しづつ緊張をほぐしていった。

 ようやくいつも通りに喋れるようになったリアーヌに、レオンが静かに本日の本題を切り出す。


「――頼みを聞いてくれないだろうか?」

「……本心で答えていいならイヤですけど?」


 チラチラと周囲の反応をうかがいながら答えるリアーヌ。

 そんなリアーヌにゼクスは笑いを噛み殺し、ビアンカやレジアンナも口元をセンスで隠しながらニヨニヨと話の行く末を見守っている。


「――……クラリーチェ頼めるだろうか?」


 この答えは想定内だったのか、レオンは渋い顔をしながらも、クラリーチェに応援を要請した。


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