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いつもお世話になっております!

誤字報告対応させていただきました٩꒰๑╹ω╹๑ ꒱۶

いつもいつも本当にありがとうございます!

「不名誉なウワサを流された場合の対応策は取っていたつもりだったのですが……今回はそれがあまりうまく動いておらず……」


 申し訳なさそうに項垂れるオリバーにサージュが声をかける。


「そういや、学校の中の話は学校の中で留めるって話はどこに行ったんだ?」

「……それに関しましては、双方の暗黙の了解が必要となります……――今回の場合……向こうは学校の外でも言いふらすことが簡単に予測できますので……」

「……なるほどなぁ?」


 頭をガシガシとかきむしりながら大きく息をつくサージュに、申し訳なさそうにしながらもオリバーはさらに言葉をかける。


「ただいま全力で手を尽くしてはいますが……――このウワサ話が街中に広まるのは時間の問題かと……」

「――そうなると学園内でのウワサの収集も難しくなりますな……」


 サージュたちの背後で難しい顔をしていたヴァルムが、重々しく言い放つ。


「そうなのか?」


 サージュの疑問の声に大きく頷きながらヴァルムは説明のため口を開く。


「初めは信じていなかった者でも、違う人物から同じウワサ聞き続けると、多くのものが信じているならば本当なのだろう、と勘違いを起こしやすいのです。 ……専門学科だけで信じられていたウワサが騎士科や一般学科でも聞くようになれば――もはや収拾は不可能かと……」


 ヴァルムの説明にリエンヌが顔をしかめながら口を開いた。


「でもこのウワサは放っておいてはダメよ」

「だよなぁ?」

「ええ。 リアーヌが周りから悪く言われてしまうわ」

「俺もゾワゾワが止まんねぇんだ」


 夫婦の会話にヴァルムとオリバーは視線を交わし合うと真剣な表情でたずねる。


「――よろしければ、具体的にどのようなものが見えたか、そしてどのような行動に嫌な予感を覚えたのか詳しくご説明いただけませでしょうか?」

「ええと……でもこれウワサが消えないのよねぇ……なにをやっても沢山の生徒たちに囲まれたリアーヌが困っているんだもの……」

「なにそれ怖い」


(……え、私これから物理的に吊し上げられるの……⁉︎)


「かと言ってこのまま放っといたって良くはならねぇぞ?」

「嫌な予感がなさいますか?」


 サージュはヴァルムの問いかけに大きく頷きながら「さっきからずっとだ……そこまで強くはないが……だからって放っておくのも……」と答えながら、リアーヌに気づかうような視線を向けた。


「……どうしましょうねぇ? 誰かなにか思いつかない?」


 リエンヌの困ったような問いかけに、リアーヌ達どころかアンナ達やヴァルムたちまで気まずそうに視線を床に落とし、気まずい沈黙がリビングを支配する。

 そんな時だった――


「……それって絶対なんかしねーとダメなの?」

「え……?」


 今まで無言で出されたお茶請けを食べていた弟のザームが首を傾げながらたずねるつ。


(ついさっき、母さんが「このままじゃダメなのよ」って言ってたところやろがい……)


「だって姉ちゃんのギフトはコピーなんだから、変なこと言われてるわーって堂々としてりゃいいじゃん? だって貴族ってそういうもんなんだろ?」


 不思議そうにたずねるザームに、リアーヌたちどころか、オリバーたちも視線を彷徨わせながら「それは……」と、視線を彷徨わせ始める。


(……――確かに、事実無根で証明可能な場合、妙な言いがかりをつけられても堂々とすべし! って、教わった気がするけど……え、この場合はどうなの? 証明は可能ってことなの?)


 これは貴族として常識とも言える考え方ではあったが、ここまで騒ぎが大きくなった場合でもこの対処法が通用するのかどうか、答えを知る者はいなかった。


「堂々としてろってのは、その通りだなぁって思うけど……――でも、何の解決にもなってないっていうか……」

「解決する意味あんの? だって姉ちゃんどうやったって強奪なんか出来ねぇのに?」

「……コピーは出来ちゃいますよ?」

「それでどうやったって被害者なんか出ねぇじゃん」

「――それはそう」


(だって私ができるのはコピーだけだから。 けど……――なんだろう、なんか……流石にそれじゃダメでしょーって意見と、意外に悪く無い気がする! って意見が私の中に混在してる……)


「しかも姉ちゃん、コピーしたてギフトなんか、へなちょこじゃん」

「慣れてないだけですけどー⁉︎」


 ムッとしながら言い返すリアーヌ。


「でもコピーしたヤツのより全然弱いだろ?」

「……そりゃあ、使い慣れている人と同じようには使えないけど……」


(コピーしたギフトで、最初から元の持ち主と同じくらいのレベルで使えてたの『スパ』ぐらいじゃない? ――持ち主さん、ほとんど使ってなかったって言ってたけどー)


「だったら誰も怒ったりしねーだろ」

「……怒る?」

「――強奪されないから、ということでしょうか?」


 リアーヌの疑問を補足するかのようにヴァルムがそっとたずねた。


「んー? 取られなくても、今の自分と同じギフトが誰かも使えるようになっちまう、ってのが嫌だから、みんな騒いでるんだろ? 今まで必死に練習して力伸ばして威力高めてさ? なのにそれを「はいコピー」で持ってかれたら俺だってムカつく」

「あー……?」


 ザームの説明に(いやでも、私のギフトはなにも変わらず私の元に残るし……そもそも私が強奪云々ってウワサの対処はどうなるのかと……あ、それはしないって主張か……)と、などと頭を回転させるリアーヌは曖昧な返事を返す。


(つまり? ザームはこのウワサを広めてる人たちはユリアと私の関係なんかどうでも良くって、コピーされるのが怖いから私を攻撃してるだけって考えてるんだ。 だからその人たちさえ安心させられれば自然とウワサは下火になってく……?)

この作品、本当に感想をたくさん頂けて幸せ。

あとリアクションが日々増えていくのが生き甲斐です(*´艸`*)

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