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生かすのにエゴが必要?

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

最後の独白の様な生き方をしてます。


身内にだけ優しいのって、凄く人間らしくないですか?

善性、悪性問わず。

ある日、突発的に全てがどうでも良くなる事ってない? 普段は何でもない癖に、何の希望も持てなくなって、ただ泣きながら布団に入る事とかない?

そうしてそんな状態の時に限って、私を救う希望が、言葉が沢山、沢山、画面を通して流れてくる。好きなアニメのコラボが一ヶ月先にやるとか、『今日の苦しみは今日で良い。また明日苦しめばいい』とか。

こんな私でも生きてて良いのかなって甘ったれた事を考えて、何だかもうぐちゃぐちゃになりながら、早朝家を飛び出した。


五月雨に打たれた様に肌を濡らし、白雪のように息を吐く私を見て、梅香の君はにっこりと微笑んだ。此方に来いと手招きをして、長椅子まで案内すると、のんびりする様に足を伸ばす。

「どうして……こんなに……生かそうとして下さるんですか……」

私はぐちゃぐちゃの顔のまま、隣に腰掛けて顔を覆った。すると身を寄せて、すっぽりと私の体を抱き締める。そうして頭を撫でて下さる。

もう何もかもがどうでもいい癖に、怖くて怯える事しか出来ない。逃れる術が死ぬことしかない様で、ますますお先が真っ暗になる。

「君を生かすのに、我儘が必要?」

身を捩って顔を見ると、私とは対照的な計算高いニヒルな笑顔を浮かべていた。

「いいかい? 私達は君達の信仰によって存在を維持している。願って叶って一度も来ない輩が死んでも、私にはどうでも良い。おっと……いけないね。いい子の前だ。けどね」

『どうでも良い』という言葉を吐き捨てた時だけ、平たい水面のような顔だった。私と同じ『どうでも良い』なんて言葉を使っているのに、溺れて波紋を起こす私とは真逆の表情だった。

しかし直ぐに何時もの笑顔に戻って、目を合わせる。

「私という存在を継続する為に、君に死なれちゃ困るんだ」

「梅香の君、悪役向いてないんで速攻辞めましょう」

大元辿れば荒御魂である。大き過ぎる感情のままに力を振るう方でもある。けれどもそれと同じくらいの愛情が、この神様をこの場に留め続けている。

「私の思い、汲んでくれたかな?」

「……少しだけ。何時も……有難う御座います」

それから少し考えた様に首を傾げると、ある一つの仮説を立てた。

「自己犠牲精神に躊躇いが無い子はね、此方の我儘が必要だって思ってるよ。『私は我慢するから、好きなの選べば良い』という子は、『それは私が気に入らないから、好きな物を選びなさい』って返すのさ。そうすると好きなものを選んでくれる。覚えておくと良いよ。我儘も時には大切だって」


その人の命は、その人だけのものだよ。だから『死にたい』という人がいたら、きっと肯定してあげなきゃいけない。

……だから、此処で君を止めるのは我儘でしかない。私が寂しくて辛いから、止めるんだよ。『君が居ないと寂しいから、死なないでくれ』。『生きて私に会いに来て欲しい』。

そう思うのは果たして罪であろうか?

ぶっちゃけ、ニュースで素知らぬ人が何処かに消えてしまっても、『あらー』程度で済みます。

酷い話ですが、泣きじゃくって、一週間引きずる程に感情移入する方って居ないと思うんですよ。

そんな人がいたら、心が壊れてしまいます。

それは善性、悪性問わず、当たり前な話かと。


ここまでを前提として、

『悪役向いてないんで、速攻辞めましょう』

この台詞一言に込められた解読をしていきます。

ここだけ物凄く引っかかった台詞だったので、読み返しました。


そんな人間らしい、ありふれた感情を、

『いい子の前だからいけないね』

と自制しているのを見て、態々悪者めいて言ってるのを見て、

『悪役向いてないんで速攻辞めましょう』です。

そんな当たり前感情を、悪として断定して制するのは、良い人しか出来なくない? という感想。


親しい誰かが死にそうな時に止める理由って、私にとっては一つしかないんです。

『寂しいから』『生きてまた貴方に会いたいから』。

単なる私の我儘でしか、エゴでしかないんです。

そう思うのって、そんなに罪な事ですかね?


釈迦のいい匂いがします。今日もお会いしとう御座います。

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