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23.男三人の昼食と詐欺師の苦しみ

 















 いつまでもどこまでも、この時間が続いてくれたら。






(それが一番幸福で楽な道なんだろうけど)






 きっといつかは限界が来てしまうだろうから。


 彼女をきちんと手放したいから、俺は。







「頼む、ユージーン! もう彼女に余計なことは言わないでくれ。あとウィリアムもウィリアムで何とかしてくれよ!? あいつのことをさ!?」

「え~? つまんなぁ~い」

「待って、俺。何でここにいるんだろう・・・・・・・・?」









 目の前に座った二人がそれぞれの反応を見せる。




 久しぶりに会えて嬉しいのか、やたらとにこにこ笑顔のユージーンが──────本名はエイドリアンだが──────不思議なオレンジ色の瞳を細めて妖艶に笑う。




「諦めが悪いねぇ、ルーカス君も。流石は俺のお友達だよ、往生際が悪い。ふふっ」

「おい。昼間っから酔ってんのか? あとウィリアムもウィリアムで、」

「分からん。気が付いたらここにいた。このおっさんに浚われた」





 青ざめたウィリアムがミントブルーのパジャマを着て、何故か白い枕を抱えて座っていた。



 一方のユージーンは黒い前髪を上げて、ざっくりと一つ結びにしていて。



 白いタンクトップにデニムを履いて、じゃらじゃらと金色の鎖と銀色の鎖を重ね付けしている。



 青黒いドラゴンのタトゥーがやたらと懐かしかった。







「おおかた、休みで二度寝しようとしたところを。こいつに浚われてきたな・・・・・・・?」

「ガートルードを応援してあげようかと思って。どう? 嬉しい?」

「ちっとも嬉しくない上に。相変わらず、お前という男は・・・・・・!!」







 そこで不思議そうな表情のユージーンの胸倉を掴み上げていると。


 慌てて、パジャマ姿のウィリアムが止めに入る。






「おい! 待てよ、おっさんども! ぐちゃぐちゃと言い争う前に! 俺を家に帰してくれないか!?」

「え~? 嫌だ。折角だからこのまま遊ぼうよ、ウィリアム君。ねっ?」

「近い近い! 気持ち悪い、怖い!!」

「やめてやれよ、ユージーン・・・・・・・はーあ。やれやれ」






 上機嫌のユージーンに抱き寄せられ、ウィリアムが必死で押し返している。


 ぱっと見てこいつはマフィアにしか見えないので怖いのだろう。






「そして性質が悪いことに。そいつは嫌がれば嫌がるほど、こちらに絡んでくるんだ・・・・・・・」

「っ虚ろな目で語っていないで!! 助けてくれよ、おっさん!?」

「え~? 悲しいなぁ、ウィリアム君。いいじゃないか、俺と遊ぼうよ? 退屈なんだ」

「知るか!! 自分一人で勝手に遊んでろ!!」






 ウィリアムが最もなことを叫んで、俺は深く溜め息を吐いた。


 頭上にはシャンデリアが輝いていて、いつもの煌きにどんよりと落ち込んでしまう。






「あーあ、ユージーン。放してやれ。腹減っただろう? 何食う?」

「チキンポットパイ! この間ね、彼女が話していたんだよ。食べたって」

「なるほど。それで羨ましくなったのか。やれやれ・・・・・・・」







 ユージーンが笑ってぱっと、死にそうな顔のウィリアムを放した。






(あいつの心のケアもしてやらなきゃな。あーあ、面倒だ。二度手間だ。疲れた)






 ネガティブな単語を並べつつ、こちらへとにじり寄って来たユージーンの頭を掴んで親愛のハグとキスを拒絶する。



 ユージーンがぱたぱたと両腕を動かしていた。



 こいつは女であろうと男であろうと何かと距離が近い、常に人との交流に飢えている。






「お前みたいな男を。好きになる女の気が知れん。揉めてないだろうな、お前?」

「大丈夫だよ。みんな、優しいから。誰と遊んでも気にしないみたい」

「・・・・・・まぁ。気にするだけ。無駄だっていうのを。女の方も女の方で理解してるんだろ」






 ユージーンが「そうかもしれないね」と甘く微笑んで、オレンジ色の瞳が細められる。



 隣のウィリアムは静かで白い枕を抱えたまま、虚ろな青い瞳でこちらを見てくる。



 どうやらそろそろ、こいつにも飯と休息を与えたほうが良さそうだ。






























「あー、もう。俺いやだ。失恋した上に殴られるし。訳の分からんおっさんに浚われるし」

「おっさんじゃないもん、俺。二十四歳だも~ん。ルーカス君、お代わりちょうだい。お代わり」

「それ食ってからな? まだ一口も食べていないだろうが、お前は。ったく、あいつと似たようなことばかり言いやがって」









 いつものテーブルの上にチキンポットパイとコーンクリームスープと、赤いビーツのサラダを並べてドリンクはジンジャーソーダとミモザを出してやる。




 ユージーンはジンジャーソーダが好きなので、喜んで取ってあっという間に飲み干してしまった。




 こいつに食べながら飲むという概念は存在しないらしい。




 一方のウィリアムは老け込んだ顔をして、オレンジ果汁をシャンパンで割ったミモザを飲みつつ、からからと涼しげに氷を揺らしている。






「あー、うまい。本当、あんたが詐欺師じゃなくって。ガーティにも好かれてなかったらなぁ~」

「それは別人だよ、俺じゃない」

「駄目だよ、ウィリアム君? 懐いたりしちゃあ。先にお友達になったのは俺なんだからね?」

「やかましい! なった覚えはない!! 餌付けした覚えしかねぇよ、お前は」

「それだけで十分じゃない? お代わり! ソーダ!!」

「ほいほい。持ってくるから。大人しく食っとけ。あとウィリアムにも絡むなよ? 分かったな?」







 空っぽになったグラスを受け取って強く睨みつけてやると、ふんわりと甘く微笑んで黙り込んでいるので、隣に座ったウィリアムがぞっと青ざめていた。





「まぁ、早く。戻ってくるから。お前は? お代わり」

「俺もミモザのお代わりを貰おうかな・・・・・・あと、甘いもんってある?」

「一応はある。バナナサンデー」

「バナナサンデー! 生クリームたっぷり乗っけて欲しいな、ルーカス君?」

「それ食ってからな。あとウィリアムにかけあえ。生クリームはちょっとしかないんだ」






 そこでぐるりんと不気味な笑顔で振り返って、ウィリアムが飛び上がって「いいよ、生クリームぐらい。やるよ、もう」と呟いたところで満足げに頷き、ユージーンが見上げてくる。






「お前はな~。まぁ、いい。どうせ言っても始まらんだろうから」

「だね、ルーカス君。ジンジャーソーダ、お願いね?」

「へいへい。ウィリアム。お前もミモザのお代わりだけだな?」

「うん・・・・・・うん」







 すっかり虚ろな瞳になっていて、少しだけ気の毒に思う。


 初めて会った時は糞生意気で鼻持ちならない少年だと思ったが。





(まぁ、うん。ガートルードは俺のことが好きだからな。こいつじゃなくてな!)






 だからこそ、気持ちにゆとりが生まれるのだろう。


 彼女に好かれているというだけでこんなにも世界が明るく見える。






(あー、まぁ。未来は無いけど。・・・・・・・どうにかして。あいつを手放さなきゃなぁ)






 本当に本当に、手遅れになってしまう前に。彼女が俺の子供を妊娠してしまう前に。






(ん? でも、待てよ? あいつ、ユージーン。鍵を持っていたな、この牢屋の)







 ひょっとして、ここから逃げ出せるのか?



 途端に心臓が早く動き出して、どくどくと脈打って口元が緩んでしまう。



 キッチンにグラスを二つ置いて考え込んでいた。



 そして早速ユージーンがウィリアムに絡んでいるのか「いいって! 自分で食べるって!!」といった悲鳴が聞こえてくる。







(そうだ。ユージーンに頼もう。おおかたあいつが、ガートルードちゃんが。この牢屋の鍵を貸してやったんだろうが)






 このまま逃げてしまおう、そうしよう。


 彼女の手の届かない所へ。





(そうとなれば。のんびり飯を食っている場合じゃないな? 早く逃げ出さないと)






 焦って冷蔵庫を開けて氷を足して、がらりんとグラスの底の方へと落ちていった。



 当面の生活費やら何やらはユージーンに都合して貰えばいい。






(あいつの家で。住み込みのハウスキーパーみたいなことをして。適当に女を見つけるか、働くかして)






 ユージーンは何故かセキュリティが厳重な高層マンションに住んでいるので。





(ここからもかなり離れているし。流石のガートルードも追ってはこれない)







 とにかく逃げ出さなくては。



 額に汗を掻いてジンジャーシロップを注いで、しゅわしゅわと弾けている炭酸も注いで、手早くミモザも作り終えてふとあることを思いつく。




(そうだ。どうせバナナサンデーも少ないしな? バナナチップスでもやろう、そうしよう)




 バナナチップスの袋を脇に挟んで、弱り果てたウィリアムに渡してやろうと考えて、二人が待つテーブルへと戻る。







「ほい。ウィリアム。あー、ユージーン。受け取ってくれるか? グラスを」

「勿論だよ、ありがとう。美味しそうだ。しゅわしゅわしてる」

「ソーダだからな、そりゃあな」

「バナナチップス? 何で? まぁ有難く貰うけど」

「俺にも一枚ちょうだい、ルーカス君からのバナナチップス!」

「お前にはバナナサンデーがあるだろうが・・・・・・・・」







 俺も座って、パイ生地をさくさくと崩して味わい深いチキンを楽しんでいると。




 ユージーンが機嫌良く笑って、体を揺らして歌い始める。



 気を取り直したウィリアムも隣のユージーンにいくつかの質問をして、そのまま三人で穏やかに昼食を摂っていた。





 全ての皿が空いて、食後のデザートにバナナサンデーを出してやって、それを掬い上げている時に話を切り出してみる。






「なぁ? ユージーン? お前さぁ、鍵持っているだろう? ここの」

「うん。持っているよ、ルーカス君。でもあげないし、渡してあげないよ?」

「ここから出たら毎日好きなだけ、お前に飯を作ってやろうか? 掃除も洗濯もしてやろう」

「えっ? なんか、いきなり。交渉が始まった・・・・・・・?」






 ウィリアムが戸惑って、少量の生クリームを掬い上げて口へと運んでいる。


 隣に座ったユージーンは黙り込んで、油断のならない目つきでこちらを見据えていた。




 この男はごくたまに正気を取り戻すらしく、やけにはっきりとした口調で淡々と意見を述べ始める。







「それはいい。こちらとしても助かる。が、お前。彼女に何て言うつもりなんだ? ルーカス」

「別に。・・・・・・何も言う必要はないだろ? お前のマンションならセキュリティも厳重だし」

「確かに入ってはこれない、が。彼女は一等級国家魔術師だ。それに」

「ふっ、普通に喋れるじゃん!? あんた・・・・・・!! 普通の人みたいだよ、すごい」





 ウィリアムの悲鳴は無視して、厳かにバナナサンデーをつついていた。


 ユージーンが生クリームを掬い上げ、猫のように舐め取っている。






「それだけで諦めると思うのか? 彼女はお前の子を妊娠してまで繋ぎ止めようとしているのに?」

「そ、れは・・・・・・・」

「俺は無理だと思う。ガーティは絶対に諦めない。絶対にな」







 虚ろな目をしたウィリアムが不吉な予言をし始めて。


 それにぞっとして、俺も手元のサンデーをつついてコーンフレークを掬い上げる。


 ちっとも味が分からなかった。辛い。悲しい。







「お前の生活費を出すのもいい、構わないとも。金には困っていないからな、俺」

「羨ましいこって。一体、何の仕事をしているんだよ?」

「さぁねぇ~、話す義理は無いよ。ふふっ」







 いつもの調子に戻って甘く微笑んで、不思議なオレンジ色の瞳を細めていた。




 首筋に汗を掻いていた。こいつの本性だとか性格がよく分からなくて。




 妙に威圧感を漂わせつつユージーンが、長い銀色のスプーンを振り回す。






「金や時間で解決出来るのならば、それでいい。が、もしもだ。彼女の腹にお前の子が宿っていたら?」

「俺、もう。泣きそうなんだけど・・・・・・・? 帰ってもいいか? なぁ?」

「頼むからいてくれよ、ウィリアム君。俺も限界なんだよ、もう」

「俺を精神安定剤代わりにしないで欲しい・・・・・・!! 二人で話していればいいのにさ、まったく」







 ウィリアムがくちびるを尖らせて、バナナを掬い上げてもちゃもちゃと食べ始める。






(食べやすいように。小さく切った甲斐があったな、うん)






 虚ろな瞳で現実逃避していても、状況は何も好転しないらしく。


 いつもの愉快そうな表情を打ち消した、真面目な顔つきのユージーンが畳みかけてくる。






「ここから逃げ出したいのなら俺が本気で手伝ってやる。が、別れ話は済ませとけ。あの子は絶対に絶対に、納得しないだろうからな? 更にややこしくなるだけだよ、ルーカス」

「はー・・・・・・それが出来ないから、俺は。悩んでいるんだろうが」

「怖いのか? 彼女の気持ちに、応えてしまいそうで?」








 そうだ、怖い。





 真剣な顔つきのユージーンから目を逸らして俯いて、空っぽになったパフェグラスを見つめていた。




 その硝子の器は黒いチョコレートソースと生クリームで汚れていて。




 何が正しくて、何が本当に彼女の為になるのか。


 それすらも歪んで揺らめいて、曖昧になってしまう。







「誠心誠意。応えた所で。未来は無い。だから逃げ出したいんだ、俺は」

「その気持ちはよく分かるが、もし手遅れだったらどうする?」

「もしもあの子が妊娠していたら。あの子の父親に殺される未来しか見えないからな!! 速攻で逃げる、死にもの狂いで逃げるっ!」







 この頃になると、ウィリアムは虚ろに黙り込んでいて。


 青ざめた俺の言葉を聞いて、ユージーンが笑って腹を抱えて目元の涙を拭う。






「っははは! あーあ、おかしい! じゃあ、何? 殺されなければ彼女と結婚したいんだって?」

「いいや、それも違う!! 大体元から遊びみたいなもんで! まさかあいつが、ここまで本気になって俺を襲うとは思いもよらなくて──────・・・・・・・・」

「だって、ガートルードちゃん。残念だったね? 失恋しちゃったね? ふふっ」

「・・・・・・は? ユージーン、お前。何を言って」

「ひっ。・・・・・・ガーティ」









 青ざめたウィリアムの小さな悲鳴を聞いて、一気に血の気が引いて心臓がどくどくと嫌な音を立てていて。




 じっとりと額に汗を掻いていた。






「嘘。嘘だろう? そんな、まさか。彼女が。いる訳が無い」

「二人とも。・・・・・・・私に、ルーカスさんを譲ってくれる?」








 そっと両手がこちらの肩を掴んできて。


 その優しい掴み方に背筋がぞっとしてしまう、心臓が跳ね上がってしまう。


 どうしたって振り返れない、後ろを。





 この場でただ一人、ユージーンだけが機嫌良く笑っていて。







「いいよ、ガートルードちゃん。許してあげようじゃないか、俺はもう十分満足したし? ああ、それから」

「なぁに? ユージーン」







 甘く甘く優しい声で、ガートルードが囁いている。


 ウィリアムは青いのを通り越して紙のように白くなっている。






「君の代わりに。ハグとキスをして貰ったよ、ルーカス君に! あとそれから彼は君とじゃなくって俺と一緒にいたいんだって。俺と住んで、俺のご飯を作っていたいんだって」

「おい! お前、堂々と嘘を吐くなよ!? それは流石にちょっと、」

「あら。でもあながち、嘘でも無いんでしょう? ルーカスさん」

「がっ、ガートルードちゃん? あのっ、そのっ」







 後ろからするりと、顎の下を撫でられて。






(ひーっ!! こっわ! こっわ!! えっ!? 死ぬほど怒ってんじゃん、こわっ!!)








 あまりの事態に混乱して、向かいの男二人を見つめてみると。




 ウィリアムは自分の爪の枚数を数えていて、隣のユージーンは甘く微笑んで頬杖を突いていた。







(あ、駄目だ。これ、自分で。何とかするしかないやつだ・・・・・・・・)







 諦めてそっと両目を閉じていると、背後のガートルードが笑って口を開く。







「もう一度だけ言うね、二人とも。私とルーカスさんを二人きりにしてくれる? ねぇ?」

「ああ。分かった、ガーティ。俺はもう帰る。そんじゃ」

「お、おい。ちょっと待てよ!? ウィリアム!!」

「無理。絶対に無理。骨は拾ってやる、お前の」

「じゃあ、俺は。お墓を購入してあげよっかな~! ふふっ」








 がたんと、椅子から立ち上がってしまい。


 そのまま二人は部屋を出てがちゃんと、牢屋の鉄格子が閉まった。






 背筋がひんやりと冷たくなっている。



 二人の足音が遠ざかっても後ろを振り返れず、ごくりと唾を飲み込んでふるふると震えていた。






「なぁ? ・・・・・・あの。いや、どこから。弁解すればいいのか」

「しなくてもいいですよ、弁解。私。ルーカスさんを侮っていたみたい」

「ひっ!? いやっ、あの!?」








 後ろからぎゅっと抱き締められて、何故かそれが死刑宣告みたいな、恐ろしいハグに思えてきて。




 こちらの肩に顔を埋めたまま、ガートルードが呻く。







「どんなに。嫌がられても。何をされても。・・・・・・私は」

「傍に。いて欲しいって言うんだろ?」







 ここで「俺も傍にいたいよ」って言えたら。楽なんだろうけど。






(もう。意味が無いのかもしれないけど。この演技も)






 それでもどうしたって認めたくなくて。


 まだ往生際悪く好意を認めたくない、否定していたい。




 彼女がいなくても生きていけるんだってそう思っていたいんだ。






「何を言っても無駄だってことは。よく分かってる、ガートルード」

「ならいいでしょう? 私の好きにしても」

「・・・・・・嫌だって言っても。襲うんだろうが。ならいっそ」







 楽しんでみようかと思って振り返って、青い瞳を見つめていた。



 彼女が泣き出しそうな顔をして、こちらにキスをしてきた。



 どうしようもなく愛おしかったけど、ただただひたすらに胸が苦しくて。






(ああ、人生。やり直せたら良かったのに)







 そんなことを考えて彼女の熱に酔っていた。


 どうしようもなくどうしようもなく、苦しくて辛い時間だった。












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