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初をなんとかして水着にしなければっ!!

お陰様でブックマーク数100を超えました。これで底辺作家とよばれるランク (めちゃくちゃな名称ですね)を超えることが出来ましたっ! とても嬉しいです。

これも読者様のおかげです。

これからも精進していきますので、引き続きぶっ壊れたこのラブコメをよろしくお願いします!!

期末テストが終わると、夏休みに対する期待のせいもあって駆け足に一学期が終わる気がする。

大体、色んな出会いや出来事、イベントが起きることを期待しながら夏休みを迎えて、ただ平凡に過ごして終わってしまうのが、これまでの私の夏休みだった。

でも、今年は違うっ!!

イケメン男子3人とお泊り旅行をするという、ちょっと大人のイベントが待っているのですっ!!

いや~・・・。こういうの、アニメで見ていて憧れてたんだぁ・・・。

高校生になったら、絶対に楽しいイベントがあるって、信じてたっ!

もちろん、まさか高校生になったら、自分が女体化して同級生はおろかお兄ちゃんにまで迫られるとは思わなかったけれどねっ!!

あれ? そう思うと高校生での旅行って、それほどのイベントではない気がしてきた・・・。

「いやいやいや。あかりよ。お前な、自分が女としてどれだけ勝負所に立っておるかわかっておるのか? 

 こんなイベントを大事にせずして、女子おなごと呼べるか? 命を懸けて男をものにせいっ!!」

お姉様が自分の置かれた状況に対して無自覚な私に呆れるように言った。

そ、そうですよね。やっぱり、凄いイベントですよね?

ようしっ!! あかりっ! 頑張りますっ!!

男の子たちも色々な方法で私にアプローチを仕掛けてくると思うので、それに応えるためにも気合い入れてお泊りの対策をしますっ!!


「対策ったっても・・・・お前の場合、相手に振り回されるのが落ちじゃからなぁ・・・。

 そこは何もせんでいいから相手に任せておけばいい。お前ほどチョロい女、男からしたら、さぞかし嬉しい女の子じゃろうしな。」

う・・・。確かに。アニメのヒロインとかチョロければ、チョロいほど人気がある気がする。

もしかして・・・・。私のチョロさって大変な武器なのではっ!?

「・・・・今頃気が付いたかや?

 前にも言うたけどな。おなごはどうやって男をその気にさせるかが、価値じゃぞ?

 そうやって男を美味く操れるようになって、初めて女子というのじゃ。」

ええ~。なんていうか、それって何か自分の事ばっかり考えていて、男の子が可哀そうじゃないですか?

不純だし。もっと、直感的に好きになりあえた方がよくないですか?

「もちろん。それはそうじゃがの。

 じゃが、ようよう考えてみいっ。恋は駆け引きじゃ。その駆け引きにこそ、お互いの心は燃え上がるものじゃ。そもそも恋愛の段階ですら優しくしてくれない男が結婚まで行って、その後に優しくしてくれると思うか? そういう値踏みをするのも恋愛中には必要な事じゃ。」

ああ・・。それはそうですね。男の子が女は尽くして当然って考えているタイプの人だったら、結婚してからは地獄ですね・・・・。そういうのを今の内から値踏みすると・・・・。

「そうじゃ。恋愛は楽しい、愛しいだけで終わらせたらいけないのじゃ。

 女はの・・・。” 男がいつまで自分を大切にしてくれるか・・・” その不安をずっと抱えながら生きて行かねばならんのじゃ。だからこそ、恋愛中は男をちゃんと値踏みしろ。

 男女平等とは言え、まだまだそうではない時代じゃ。本来なら、もっと女に男を値踏みする権利があることをもっと理解されるべきじゃがのう・・・・。なんだかんだ言っても女は・・・・弱いでの。」

・・・はい。

女の子になってから、わかります。やっぱり、女の子って、弱いです。

男の人に守ってほしいって、思います。

ずっと隆盛りゅうせいに手を引いて歩いてほしいし、

ずっと不知火先輩に指導してほしいし、

ずっとお兄ちゃんに守ってほしい・・・・。そうしてもらえる光景を思い描いただけで、幸せです。


「そうじゃろう? 女はの。たとえ貧しくてもな、自分を大切にしてくれる男を求めるものじゃ。

 それだけに駆け引きは重要じゃの。

 ほれ、サルでも鳥でも、関係を持つまでオスに見返りを求めるじゃろう? それが女の本能と思え。」

う・・・。そう考えると、人間も動物も哺乳類も爬虫類も魚類も関係なく、男女の関係って不変のものなんですね。

「おうよ。男は女を守り、女は男を支える。そこのルールに個人差があってもな、全体的な価値観は動物も人間も同じよ。この世に生きとし生けるもの、そういうルールで生きるように出来ておるのじゃよ。」

・・・・・何か、深いですね。

「そうじゃぞ。そして、女は見返りを求めるだけではいかん。甲斐甲斐しく男にいろいろしてやれる優しさも女子の価値じゃ。

 はじめを見てみいっ。ずっと隆盛に弁当を作ってやってきているじゃろう?

 あれは自分を女に見てくれている隆盛にもっと女として意識してほしいという表れでもあるが・・・・単純に甲斐甲斐しさもある。そこは、あ奴の美点じゃ。お前もようよう見習っておけ。」

そうですね・・・。はじめのあの甲斐甲斐しさには、正直、私も憧れます。

お弁当を作って、「おいしい?」「美味しいよ」って会話だけでもいい。そのために尽くせるはじめって、本当に女子力高いと思います。

「あれは、隆盛の立場からすると、たまらんじゃろうなぁ・・・・。なにせ、はじめは美少女にしか見えんからのぅ・・・。」


はっ!! そうだっ! はじめだっ!

私、旅行に行く前にはじめを説得して、水着を着させるように仕向けないとっ!!

「おおっ!! そうじゃった。あかりっ! 頑張るのじゃぞっ!」

はいっ!!

私は、夏休みが始まる前にはじめを説得すべく、ある朝、いつもよりも10分早く登校して、はじめが登校するのを待つ。そして5分ほど廊下で待っていると、はじめが登校してきた。

「あっれぇ~~? あかりちゃん。はっや~い。どうしたのぉ?」

はじめは、いつも自分よりも遅く来るはずの私が既に登校していることに、朝の挨拶を忘れるほどビックリいた。

「おはようっ! はじめ。ちょっと、旅行のことで相談があるんだけど?」

私が挨拶するとともに目的を話すと、はじめは「あ。おはようっ! 明ちゃんっ!!」と、挨拶を忘れていたことに気が付いて、挨拶を返してから、「旅行の相談って、お昼休みに隆盛と一緒にした方が良いんじゃない?」と、首をかしげて聞いてきた。

ふふふ。勘がいいくせに意外に要領の悪い事を言う。愛い奴よ・・・・。

私は、意味深な微笑みを湛えた表情で「女の子同士の話し合いなのっ!」とささやくと、はじめは嬉しそうに眼をパッと見開いてから「うんっ!!」と、可愛い返事を返す。

多分だけど「女の子同士の話し合い」って部分が嬉しかったのね。何となく予想できるわ。


私は、少し教室から離れた奥の階段の所へはじめを誘ってから、相談する。

そして、人気が少ない場所に来ているのに、やたら小声で「川遊びのことなんだけど・・・・。」と、切り出す。

その言葉を聞いてはじめは、わかりやすいほど嫌そうな顔をして「水着のこと?」と尋ね返す。

私が首を縦に動かして肯定すると、はじめは、ため息をついた。

「はぁ。なに?明ちゃん。水着で男の子を誘惑したいの? それって、不純じゃない?」

ん? 

あれ? 普段、もっと積極的なはじめらしくない態度ね。

「だって・・・・私、オッパイもお尻も小っちゃいもん・・・。」

はじめは、そう言いながら自分の胸に手を当てて、悲しそうに俯いた。

ああ・・・。そっかぁ・・・。そういうことね。

あの時、はじめは、自分たちの水着姿よりも大自然の魅力を語った隆盛に怒ったんじゃなくて、私と美月みづきちゃんの高校生らしからぬ巨乳と自分が比べられるのが嫌で、嫉妬して、拒否してただ・・・・・。

発育の良くない子の悩みは、発育のいい子にはわからない。何となくはわかるけど、その考えは同一のものじゃない。だから、私は、下手なことは言えない。

ただ、一つだけ。一つだけ、はじめが誤解していることを訂正してあげないといけない。


「ねぇ、はじめ。オッパイのことを気にしているのなら、それは、むしろアナタの武器よ?」

「・・・・・・え?」

私の言葉ははじめにとって意外だったようで、思わず顔を上げて問い返してきた。

天然で授かった魅力というものは自分では意外と気が付かないもの。それがはじめのようい勘がいい子であってもね。

「あのね。隆盛って、あれ。完全にロリコンよ。 アナタの薄い胸と小さなお尻は、隆盛にとっては私の体以上の武器になってるわよ?」

「・・・・・・・うそ。そんなことってあるの?」

はじめは、巨乳よりも貧乳が好きな男子の存在が信じられないように呆然として呟いた。

「でも・・。男の子って、そういうこともありえるの・・・・・?。

 ・・・・・いや、それでも隆盛はあかりちゃんのオッパイガン見してたよっ!?」

うん。メチャクチャいやらしい表情して私のオッパイ見てた。

ちょっと嬉しかったけど、それと同じくらい、私。はじめアナタに嫉妬してたわ。

だって・・・・。

「隆盛は水着デートの時、あきらかにアナタの方こそ、ガン見してたわよ。

 悔しいけれど、隆盛にとっては私の体以上に魅力的だったみたい。」

「・・・・!!・・・・・。」

はじめは私に言われて思い至ったことがあるのが、ハッとした顔をして、天井を見上げる。

それは、こぼれ落ちそうになる涙をこらえるためだとすぐに気が付いた。だって、はじめの大きな瞳には涙が一杯溜まっていたから・・・・。

私は、ハンカチを出してはじめの涙をぬぐってから抱きしめてあげた。

「良かったわね。はじめ・・・・・。きっと、怖かったのね。

 だから、女性ホルモンにまで手を出した。私たちと比べられるのが怖くて、隆盛にもっと見てほしくて・・・。オッパイが大きくなれば隆盛も喜んでくれると思って・・・・・。

 でも、そんなことをしなくても、大丈夫。アナタは、こんなにも可愛い女の子なんだから・・・。」

「・・・・明・・・ちゃん・・・・・」

はじめは、感極まって、私を抱きしめ返した。

・・・・・。いや、痛いって・・・。

やっぱり、男の子ね。そんなに強く抱きしめたら、女の子は痛いって・・・・・。

でも、私はそんなことは口にせずに、はじめの思うままにさせてあげた・・・・。

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