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友達の為にも

お姉様の力添えを受けて私は学業成就に御利益のある神様から学力向上の恩寵を授かることが出来た。これで期末テストは大丈夫だろうと思うのだけれども、お姉様は、私に「契約は終了じゃ。お前の学力も少しは上がろうというのもの。それでも、勉強はせねばならんぞ。忘れるな・・・・・。」と釘を刺すのでした。

つまりは、何もしなくてもテストに受かるのではなくて、テスト勉強をする際に理解力が上がるとかそういう事ね。

「ええか? あかりよ。お前は妾にここまでさせた上に、神から学力向上の恩寵まで授かったのじゃ。

 これで結果を出せぬようなら末代までの恥と心得よ。

 それに、お前の友達たちへの期待や信頼も失うことになるぞ。しっかりと頑張れよ・・・。」

と、お姉様は更なる追い打ちをかける。

でも、それは本当のこと。今度のことは自分のことだけではない。皆の為にも私は頑張らないといけないし、友達のために頑張れないような人間にもなりたくはない。ここは性根入れて頑張りますかっ!

そう決断した私は、まず、ノートに控えておいた「ここテストに出るぞ。」と言われた場所の教科書ページ番号を書き控えていき、一覧表を作る。要するに、ここを押さえておけばいいわけね。

って、ほとんどだわ。これ・・・・・。

そういや、中学受験の時もこれに似たような感じになってた気がする。う~ん。どうしようっかなぁ・・・・。私は少し考えた結果、翌日はじめに相談する方が確実という答えを導き出す。バカの考え休むに似たり。バカな私が頭をひねったところでいい考えなんか浮かぶわけがない。私よりも賢いはじめに聞いた方が良いに決まっているもの。

そうと、決まればっ!! 今日は、テスト終了まで最後のBL祭りでもしましょうかっ!!

「あほか~~~~~っ!!!!」


翌日。お姉様の一喝を受けて夜遅くまで勉強をしていた私の頭には歴史の年数が流れていた。

そんな私が投稿したとき、はじめがいつも通り明るい挨拶で迎えてくれる。

「おはようっ!! あかりちゃんっ!!」

「おはようですわはじめさん。良いオフパコしよう鎌倉幕府・・・・と。」

「朝っぱらから何言ってるのっ!!! どうせ、卑猥な同人誌読んで勉強したんでしょっ!?」

「ふっ・・・歴史とは移り変わるものでしてよはじめさん。今はそれが正しいと言われていることもいつか覆ることもあるわ。それと同じように卑猥な同人誌のネタだって、いつか学生の暗記の仕方の基礎となる可能性は否定できなくてよ?」

「・・・・・バカじゃないの?」

酷いっ!! ちょっとくらい乗ってくれてもいいのにっ!!

はじめのいじわるっ!!

・・・・・まぁ、いいわ。凡人のはじめには難しいボケだったかしら?

「いや。女装して女性ホルモンにまで手を出して、セーラー服で登校しておるはじめのどこが凡人じゃ。こんな逸材中々おらぬぞ。顔に似合わず大層なご立派様の持ち主じゃしな・・。」

・・・・ご、ごくりっ・・・・じゃなかったっ!!

お姉様っ! 朝っぱらからエッチなこと言わないでくださいっ!!

「・・・・・親友に朝の挨拶と同時に卑猥な事を言ったお前がそれを言うのか。

 それよりもホレ。はじめに効かねばならんことがあるじゃろうに。」

ああ…そうだった。私ははじめにテスト勉強について教えてもらわないといけないところがあったんだ。

「ねぇ、はじめ。期末テストのことなんだけれども・・・・・。」

私は登校したばかりだというのに、かくかくしかじか、こういうわけで期末テストで学年80位以内に入らないといけないの。と説明すると、はじめは呆れたように「え? あかりちゃん。それって、そんなにハードル高くないと思うわよ。」と答えた。

おおう。喧嘩売ってるの? おちびちゃん。まぁ、腕力だったら100%私がはじめにレイプ状態でボロ負けするけど・・・。

「・・・・体格に劣る相手にボロ負けした上に、レイプされてあのご立派様を味わえるとはなんというご褒美じゃ。」

お姉様。ハウス・・・。


はじめは、呆れたように言う。

「だって、あかりちゃん。運動部の子たちなんて学年の半数近くいるのよ? その子たちなんて普段部活でヘトヘトになるまで頑張って、お家で勉強するときにはそんなに体力が残っていないの。その子たちに勝つのはそんなに難しい事じゃないよ。むしろ、フェアじゃないと言ってもいいくらい。

 だから、80位以内に入るのは難しくない。残った半分にも、そんなに頑張ってない人が多いから。もしくは頑張り方を間違っている子ばかりだから、正しい勉強の仕方をすれば80位以内は、いけるわ。」

理路整然とはじめは語る。・・けど、そんなものかしら? そんなに甘くないと思うけど・・・。

「明ちゃんの場合。元々頭がバカって言うハンディーキャップはあるけど、それだって頑張れば行けるはずよ。」

ようし、負けてもいい。ぶん殴ってやろうかしら?

でも、ここは臥薪嘗胆の思いで恥辱に耐えて、はじめにご教授いただかなければ・・・・。

「あのね。はじめ。先生がテストに出るって言ってたところを控えていたら、凄い数になったんだけど?」

「当たり前じゃない。それくらい覚えられるでしょ?」

・・・・・・アカン。ワイ、もう限界かもしれんわ。

「なんで、関西弁なんじゃ。それよりも、記憶の仕方を教えて貰え。」

そ、そうか。何かコツがあるのかもしれないですね。

「ねぇ、はじめはどうやって覚えるの?」

「う~ん。それは人それぞれだと思うけど・・・・。」

はじめは、そう言って考え込み、結果として、「自分で自分が覚えやすい方法をみつけるしかない。」と切り捨てた。

でも、そのあとに、もう一つのコツを教えてくれた。

「あとね。明ちゃん。まずは自分の得意なところを完ぺきに押さえながら、苦手なところに時間を割いた方が良いわよ。どうしても苦手なところを理解するよりも、ちょっと頑張れば何とかなりそうなところに時間を割いて理解できるところを増やしていった方が短期決戦には向いているの。」

「へぇ・・・・。でも、確かにそうね。どうしてもわからないところって、無駄にウンウン悩んでるだけで時間が過ぎちゃうものね。その時間をちょっと頑張れば理解できそうな問題に割いて、理解できるようにすれば得意範囲が増えるものね。」

「そうそう。あと、どうしても苦手なところは、私が教えてあげるから、放課後、一緒に勉強しよっ!」

は、はじめ。あんたって子は、なんていい子なの?

「えへへ・・。だって、私も隆盛りゅうせいとお泊り旅行したいものっ!!」 

ああ。そういうことね・・・・。でも。その旅行には私もいるってこと忘れないでよね?

「勉強教えてあげるんだから、ちょっとだけ譲ってっ!!

「だ~めっ!!」

などと、じゃれあっていたら、隆盛りゅうせいが登校してきた。

「おはようっ! 二人ともっ!!」

「「おはようっ! 隆盛っ1」」

私とはじめは全く同時に挨拶して、それがおかしくって笑いあった。

さ~て、お勉強頑張らないとっ!!



放課後になると誘惑も多いけど、私は頑張って勉強に集中する。そして、テストで結果を出して、皆と楽しい旅をするのっ!!

開放的な夏の旅。男の子たちも私もいつもより少し大胆になって、恋愛も発展しちゃうのっ!!

お兄ちゃんは、あのエロボイスを利用して攻めてくるし、隆盛はあの体で迫って来るし、不知火先輩は美貌を利用して、甘い誘惑を仕掛けてくるはず・・・。ああっ!! そ、そんなことになったら、明。絶対に受け入れちゃうっ!!

・・・あっ!! 発展と言えば、BLのつづきをかかなくっちゃ!!

「勉強に集中せんか~!!」

はっ!!

「全く、絵のことになったら集中できるのに、勉強になるとだめな奴じゃのう。

 友達のためにがんばるのじゃろ?

 さぁ。妾も見たいBLを我慢してやるから、頑張れっ!」

お、お姉様・・・・。

私は、こうしてお姉様の叱責を受けながら頑張ることで期末テストを乗り越えたのでした。



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