繰り返しっ!!
お兄ちゃんの声優としての力が上がっているのと、お姉様がお兄ちゃんに本気で惚れてしまったのが原因で、私はお兄ちゃんのエロボイスで一撃でトリップしてしまうほどお兄ちゃんのエロボイスにやられてしまっている。
「このまま武様を受け入れて、結ばれてしまうか、お前が理性を振り絞って耐え抜くか・・・・。
すべてはお前の気持ち次第じゃ・・・・・」
お姉様の忠告を聞いた私は、気を引き締める。
て、いうか・・・・・・。半分くらいお姉様の責任では?
「それを言うなというに。
お前も女になったんじゃから、妾の気持ちも分かろうに・・・・・。」
お姉様は、しょんぼりとそう言う。いつもの強気な姿は、どこにも見られない。
こんなに弱弱しいお姉様も珍しい。
・・・・・ちょっと可愛いかも。
・・・このままちょっと嫌味なことを言って、いじめてみたい気もするけど、それは流石にできないか。
だって、お姉様は、私のお姉様だから。
私は、目をつむってから、深呼吸を一つすると、覚悟を決めてお姉様が匿ってくれた心象世界から現実世界へ私を戻すように頼む。
「いけます。お姉様。私を現実世界に戻してください・・・・・。」
お姉様は、私の覚悟を見て、小さく頷くと私を心象世界へと戻す。
気が付くと、私はリビングの椅子に座るお兄ちゃんの目の前に立っていた。
「明、早速、水着を披露してくれないか?」
私は、その言葉にドキッとする。
そして、高鳴る鼓動を押さえながら、お兄ちゃんの目の前で、一枚ずついやらしく服を脱いで見せる。
ブラウスを脱ぎ、スカートを床に落とすと、ブラを外してお兄ちゃんに抱き着きながら対座の姿勢で座る。
「水着姿なんかよりも、明の全部・・・・・お兄ちゃんに見せてあげる・・・私の全部、お兄ちゃんにあげる。」
私は決意して、お兄ちゃんに愛の告白をして・・・・・・
・・・・・違うっ!!
・・・・・これ、絶っ対、アカンパターンにハマってないっ!?
私がそう我に返った時、私はほぼ全裸でお姉様を押し倒した形で抱き着いていた。
「あ~・・・。明よ。・・・・言わんでもわかっておると思うが・・・・・。」
お姉様は、呆れたような目で私を見つめていた・・・・・。
えええええ~~っ!? またも瞬殺!?
私、また一撃でトリップしかけて、お姉様に救われてるっ!?
「その通りじゃ・・・・ほれ、わかったら、さっさとどかぬか。
また、いつぞやのように泣くまで可愛がってほしいのか?」
一瞬でトリップしてしまった事実を知り、お姉様に抱き着いたまま混乱する私に呆れたお姉様は、そう言いながら、私の乳首を激しくつねるっ!!
「きゃああっ!! い、いたぁ~いっ!!
お、お姉様。何をするんですかっ!!」
痛みにびっくりして、慌てて飛びのく私を見て、カラカラと笑いながらお姉様は、立ち上がる。
「今のは、気付けじゃよ。
痛みで正気に戻ったであろう?」
などと、面白そうに話す。
私は、衣服を着ながら、お姉様に改めて問い直す。
「あの・・・・・・・私。やっぱり一瞬で・・・・・?」
その言葉をお姉様は、肯定した。
「うむ。ものの見事に瞬殺であったわ。
しかし、本当にどうしたものかのう・・・・。妾もお前も武様への愛が深すぎて、あのエロボイスを恥骨にまともに食らってしまっておる。
そりゃ、もう。えげつないぐらいに効いてしまうな。あのエロボイスは・・・・・。」
お姉様は、腕組をしながら、暫く何かを考えていたけど・・・・・
「こうなったら、流石にもう打つ手は無いかもしれぬなぁ・・・・・。」
と、諦めたように言うのだった。
・・・・・いや、ちょっと。神様が簡単にあきらめないでくださいよっ!!
「いや、明よ。お前はそういうがの・・・。
妾、豊穣神じゃぞ?。それが男からの愛慾の念を押し付けられたら、受け入れぬわけにはいかんのだ。
仮に相手が自分の夫の仇だったとしよう。
それでも、妾達は、その仇の肉体を受け入れて子を成さねばならぬ。そうでなければ大地は冬の時代を迎えて、生きとし生けるものに死の世界を与えることになるのじゃぞ?
妾達はそういう神性なのじゃ。
男に言い寄られた時の防御力ゼロなんじゃよ。わかるか?」
いや、それはさんざん言われてきたから、わかりますけどね。
例え、親兄弟息子であっても子供をなしてしまうのが豊穣神なんでしょ?
でも、そのせいで私が困っているんですから、なんとかなりませんか?
私の訴えを聞きながら、お姉様は「うう~ん・・・」と、しばらく考え込んでいた。
その様子から、かなり真剣に悩んでくれているようなので、私も少しは希望が持てた。
「いや。無理じゃな。妾には無理。」
だが、しかし・・・お姉様は、あっさりと敗北を認めてしまうのでした。
そこ、もっと頑張りましょうよ!!
「そう言われてものぅ・・・・。」
お姉様もホトホト困り果てた様子で、天を仰いだ。
うう~ん。これは・・・・・本当に打つ手無しなの?
このまま色欲に負けて、私、お兄ちゃんに全てを捧げちゃうの?
・・・・・・
・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・どうしよう・・・・。私、まんざらでもないかもしれない・・。
「ま、元々は、お前は武様を思い人にすると決めておったほど好いておったからのう・・・・。それが結ばれることになったとしても、全然、問題はないかの。」
うん。
でもね、私。やっぱり肉欲に溺れて恋愛するのは、嫌。
ちゃんと恋愛したい。
「明、お前はそういう割に、男どもにスキンシップで迫られたら、すぐに落ちるのはなんなんじゃ?」
やんっ!! そういうの言わないでくださいっ!!
だって、しょうがないでしょ!? 皆、エッチなんだもんっ!!
「仕方なくはないがの・・・・皆に迫られたからと言って・・・・・・。」
お姉様はそこまで言うと、何かを思いついたかのように大きな瞳をさらに見開いて、私を見つめた。
そして、「そうじゃ・・・明。・・・・その手があったわ!」と、嬉しそうに言うのだった。
お姉様は、その時、ある作戦を思いついた。それは、「散らすこと」。
お姉様が言うには「散らす」とは、お兄ちゃんへの私たちの思いを他のことを考えることで意識を散らすという意味らしい。
私が、お兄ちゃんに声をかけられたとき、私が他の恋人候補の事を強く思うことで、意識をお兄ちゃんから他の人へ切り替えることが出来る。そうすれば、少しは耳のフィルターが復活する可能性があるのだとお姉様は語る・・・。
「これ以外に方法はない。
明、やれるか?」
はいっ!! やれますっ!
元気に応える私は、自分でもよくわかっている。
これは、やれるかやれないかではなくて、やるしかない事なのだと。
私は覚悟を決めて、お姉様にもう一度、現実世界に戻してもらうのでした。
現実世界に戻った私は、再びリビングの椅子に座るお兄ちゃんの前に立っていた。
お兄ちゃんは、今までと同じように再び私にお願いする。
「明、早速、水着を披露してくれないか?」・・・と。
その瞬間、私は、隆盛と不知火先輩を強く思い描く。
隆盛の逞しい肉体と私をリスペクトして特別扱いしてくれることを。そして、私を包み込んでくれる優しさを思い描く。
不知火先輩のことを私は尊敬している。その思いに加えて、あの美貌と細いしなやかな肉体を思い出す。
何より、不知火先輩の描く絵画を私は強く思い出していた。
その思いが強くなればなるほど、私は、お兄ちゃんの声をはねのけられるっ!
・・・・・でも、お兄ちゃんの思いをはねのけるなんて無理だよね。
私は、ブラを脱ぎ捨てて・・・・・
・・・・て、また、私やられてるしっ!!
私がそう気が付いたとき・・・・私は、トリップしてお姉様に襲い掛からぬように緊縛された姿で心象世界に閉じ込められていた。
「あの・・・・お姉様・・・・。」
私の言葉にお姉様は心底呆れたように・・・・「お前の意思の強さはコンニャク並かえ?」と、言うのでした・・・・
て、いうかっ!! こんなのどうしろって言うのよ―――――っ!!
私たち二人はホトホト困り果てて絶望するしかありませんでした・・・・・・。