泳ぎに行くの!?
「あら、可愛い水着買ったじゃないっ!!」
ママは、私が買った水着を見て嬉しそうに褒めてくれた。
一応、お金はママに請求すると出してもらえるので、レシートと一緒に水着を見せる義務があったのだけれども、私の買ってきた水着はママも大満足みたい。
「ねぇ、ちょっと着て見せてよっ!!」
と、まで言ってくれた。
そうまで言われたら、悪い気はしないというか。披露したくなってくるのが女心というもの。
幸い、家にはママと私の二人きり。女同士気兼ねする必要はない。
私は、早速、お風呂場の脱衣所に水着を持って行って、着替えてみる。
まずは鏡で自分の姿を確認してみる・・・・・・。
・・・・・て、いうか・・・。私、本当に胸が大きいわね。
普通に私の掌だとおっぱいが掌からはみ出ちゃうし・・・。
この水着。フリルが大きいから胸の谷間を隠せるけど、これがなかったら、ちょっといやらしいかもしれない・・・・・。
私は、お兄ちゃんはじめ3人の男子に見せるのがちょっと恥ずかしくなってきた・・・・・。
それも含めて、ママに意見を聞いてみようかな?
どうせお姉様は全裸がいいとか言い出すのが落ちだし・・・・。
「・・・・言わん。その水着、確かに可愛らしいな。妾もそういうの欲しい・・・・。」
あら。意外・・・・。
今度、ちょっとだけ私と意識を入れ替えて着てみますか?
「おおっ!! 良いのか!?
妾、その水着姿のまま武様に椅子に拘束されて、身動きもできないまま武様に一杯、いじめてほしいのじゃっ!!」
だ、駄目に決まってるでしょっ!! 何を考えているんですかっ!! 水着を着たいって言うから、話を振ったのに、直ぐにエッチなことを言うんだからっ!!
お姉様っ!! 言っておきますが、これは私の体なんですからねっ!? エッチなことに使われたら、お嫁にいけなくなるのは私なんですからね!! 冗談でもそういう恐ろしい事を言わないでくださいっ!!
「いや、妾。心底マジじゃ。」
いやー---っ!!
何を考えているんですかっ!! 何をっ!!
「だって、お前。あれじゃぞ。想像してみい・・・。
目隠しされた状態で、椅子に両手両足を拘束されてあられもない姿をさらす。
そこを武様に嬲られながら、囁かれるのじゃ・・・・・
「いやらしい子だ。どうしてほしいのか、言ってごらん?」とな。
もう、たまらんじゃろっ!!?」
・・・・・・ううっ!!
ちょ、ちょっと、アリかもって思ってしまう、自分が怖いっ!!?
でも、そういうの駄目ですっ!! てか、お兄ちゃんはそんな酷い事絶対にしないしっ!!
「ちっ。つまらんやつじゃのう・・・。
お前もこっちに落ちてしまえば、心置きなく武様のものになってしまえるというに・・・」
これ以上、話をしていても、お姉様のペースになってしまうわ。
早く、ママにこの服を着せてあげないと・・・・・。と、思って脱衣場を出てママのいる部屋まで行く。
「やだっ!! 明、あなた。滅茶苦茶可愛いじゃないっ!?
凄い似合ってるわっ!! いい水着を選んだわねっ!!」
ママは、私の水着姿を見て大興奮してくれるのでした。
うんうん。ママも気に入ってもらえるのなら、この水着で間違いはないわねっ!!
と、私が自信を持って胸を張ると、ママは眉間にしわを寄せながら
「でも、やっぱり。いやらしい体ね・・・。
いい!? 絶対に男の子と二人っきりになったらダメよ?
水着で遊びに行くときは、絶対に武と一緒でないと駄目よ!?」
なんて、教育ママみたいに条件を付けてきた。
・・・・・うん。でも、それわかる。
私も正直、頼りになる人と一緒じゃないと男の子の前で水着姿になるのは怖い・・。
だってっ! 男の子ってエッチだもんっ!!!
私は、ママの提案を受け入れて、今後、この水着を着るのはお兄ちゃんがいる時だけと心に決めるのでした・・・・。
「と、言うわけで・・・・。水着デートは、お兄ちゃん同伴じゃないと駄目だからねっ!?」
私は、翌日。隆盛と不知火先輩を美術室前に呼び出して、二人に水着を着るタイミングについて条件を付けた。
私の条件を聞いた隆盛と不知火先輩は、しばらく黙っていたけど・・・・私には二人が何を考えているのかわかる。
はいはい。なんで、男の子ってオッパイが好きなんだろうね。どうせ、二人とも私のビキニを着た姿を想像してるし・・・・・・。
私は両腕であからさまに胸を隠しながら、「どこをみてるのよっ!?」と、問い詰める。
二人とも図星をつかれたかのように私から、目線をそらしながら「あ、ああ。」と返事をする。
まったく、エッチめ! っと、私が呆れていると、初が元気よく手を上げながら「私も行っていい!?」と、質問する・・・・。
・・・・・おい。男子ども。
なんで初の胸元見つめてるのよ。どんだけ可愛くても初は、男の子だからオッパイは無いからね?・・・・・いや、隆盛はロリコンだから、無い方が嬉しいのか? その割に私の胸を凝視するし、本当にお姉様のいう通り、男の子ってオッパイだったらなんでも嬉しいのね・・・・・。
いや・・・・初は、男の子だし!!
「ねぇ!? じゃぁ、いつ泳ぎに行くの?」
初は男子たちがまんざらでもない反応をするので気をよくしたのか、ノリノリで聞いてきた。
「う~んとね。 ちょっと、お兄ちゃんに聞いてみないとわからないけど・・・・・。
今週の土曜日は、取り決めでデートしないことになっているから、早かったら来週の土曜日だね。」
その言葉を聞いて隆盛と不知火先輩が小さくガッツポーズをとるのを、私は見逃さなかった。
なんか・・・・。ちょっと嬉しい。
二人ともエッチなこと考えてるだろうけど、興味を持たれないよりも私は、やっぱり求められる方が嬉しいから、ちょっと気分がよかった。
二人はきっと、私の水着姿を想像してる。そして、私とどうなりたいかまで想像していると思う。
正直言うと、私も二人の水着姿に興味が無いわけではない。
筋骨隆々でギリシャローマの大理石像のような隆盛の肉体美も興味があるし、
モデルのように無駄の肉が一切そぎ落とされていながら、男性らしいしなやかな筋肉をもつ不知火先輩の綺麗な体にも興味がある。
それに・・・実を言うとお兄ちゃんも売り出し中の若手という事もあって、身だしなみにかなり気を付けていて、綺麗な体をしている。事務所からの指示で、今はライブイベントのためにダンスまで習いに行っているとか・・・・・きっと、上質な体をしているはず・・・。期待が持てる。
「な、なにっ!! 武様は舞も踊れるのかっ!? ああ、妾の前で舞って求婚してほしいっ!!!!!」
きゅ、求婚て・・・・。お姉様、本気でお兄ちゃんのファンすぎませんか?
てか、いいんですか? 神様なのに人間に求婚されたいとかそんなこと言って。
「何を言うとるか? 世界中の神話で神と人間の間に生まれた子供なんぞ、腐るほどおるじゃろうが。
妾だって、人間と結婚する可能性くらいはある。」
そ、そうなんだ・・・・。
じゃぁ、もし、私がお兄ちゃんを選ばなかったら、お姉様はお兄ちゃんを狙ったりする?
「狙うにしろ、狙わぬにしろ。そこは語らぬが花というものじゃ。」
そういって、お姉様は、それ以上、何も言わなかったけど・・・・・多分、お姉様は本気でお兄ちゃんのことを好きになりだしていると思う。
私の女の勘が、そう告げているのだった・・・・。