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我、同胞を得たり

シャツ一枚の姿になった俺の乳房は、まな板にほんの少し膨らみがある程度だったのに、今はプックリと膨らんでいた・・・・・・・。

「んきゃあああー-----っ!!!」

俺は、鏡に映った自身の体の変化に思わずビックリして大声を上げる。

こんな大声を上げたら、家中に俺の体の変化がばれてしまうというのに・・・・・・。


「うー、今のは危なかったのうぅ・・・・。妾がもう少し、お前を取り込むのが遅れておったら、大変なことになっておったぞ!!」

ミズ・・・・お姉様は、はーっはーっと、肩で息をしながら私を注意する。

「だってぇ・・・・・」

「だってじゃないわっ!!今日学校でもさんざん言うたじゃろっ?乳房が膨らんできてるぞ、と」

「・・・・ん。で、でも。これって・・・・・なんか乳輪も男の頃と違ってぷっくりしてるし、乳房だってプニプニ、摘まめるようになってますっ!!・・・・・・・プニプニって・・・・・」

「どれどれ・・・・・。」

お姉様は、そういって私の乳房に手を伸ばす。

・・・・プニプニ・・・・・

・・・・・ぷにぷに・・・・・ちょっ!!お姉様。何気に感じさせようとするのはやめてっ!!

お姉様は、触診していた手を放しながら「すまぬ、すまぬ」と笑うのだけど、少し首をひねる。

「ん~。確かに。これではそろそろ。ほれ。あのブラジャーという奴が必要いるんじゃないのか?」

・・・・・ひっ!!!

「いや、ひっ!!じゃのーてな。いるじゃろ?おっぱいの形が崩れると、隆盛りゅうせいとか不知火とかも残念に思うかもしれんぞ?」

「ええっ!!?うそっ!!・・・・やだやだっ!!どうしよう、お姉様っ!!」

慌ててすがる私と呆れたように諭すお姉様。

「・・・・・・・・どうしようって。お前。何を気にしとるんじゃ。」

・・・・・・そ、そういえば。

・・・・・・・な、なんで・・・あの二人に私のオッパイの形なんかどう思われてもいいはずなのにっ・・・・

なんで・・・・気になっちゃうの?

「何を耳まで真っ赤にしておるのじゃ。お前、本当に男に戻る気があるのかえ?」

「・・・・・だってっ!!」

「いや、だってじゃなくてな・・・・・。」

お姉様はそう言って腕組みをする。腕にオッパイがのしかかってるけど、重くはないのかな?

「3キロほどあるからの。正直、重い。」

3キロって・・・・・・

「ブラのカップで言えばHカップはあるじゃろうな。ま、妾は神じゃから、型崩れの心配はないからブラジャーは不要いらんのじゃが」

「え~・・・・いいなぁ・・・・」

「・・・・・・・しっかりせよっ!!」

「はっ!!」


お姉様は、そういって私の背中をポンッと叩く。

「しっかりせよっ!!男に戻るんじゃろ?妾がついておるぞ。しっかりせいっ!!」

「・・・・はいっ!!お姉様っ!!!」


・・・・・・ん?

「・・・ん?なんじゃ、どうした?」

「お姉様が私を女に変えたのでは?・・・・」

「・・・・えへっ!」

えへっ!!じゃないわよっ!!

男に戻ってもいいのなら、最初っから、こんな呪いをかけないでよっ!!ばかーーーっ!!?

「・・・・ばか?」

「・・・・あ、い・・・いまのなしっ!!・・・・・まって・・・・・・お姉様。待ってっ!!」

「・・・・・お前、身の程をわきまえぬと、また失禁するまでいたぶるぞ」

「ひいいいいっ!!ごめんなさいっ!!ごめんなさいっ!!」


怯える私を見下ろしながら、お姉様はふんっ!!と鼻息を鳴らす。

「全く。

 ええかえ?神の世界には神の世界の掟があるのじゃ。

 お前の先祖が妾との契約を破ったのなら、罰を与えねばならんのじゃ。

 それだって怒りに身を任せてやっておるだけではなく、仕方なくやっておる面もあるんじゃぞ?

 妾は慈悲深い神じゃ。

 お前にばちかぶせば、救いも与える。

 お前は、自分がどれだけ恵まれておるか、少し自覚する必要があるぞ。」


うううっ・・・・そんなの、やっぱり理不尽だよぉ・・・・・

お姉様は、そんな私の抗議を受け付けないと言って、悲鳴を上げた緊急避難として取り込んだ心象世界から私を追い出すのだった。



「う~ん。これからどうしようっかなぁ・・・・・。」

俺は、服を着替えながら、思案する。

とりあえず今は、肌着の上に服を着れるから、このくらいの胸のサイズはごまかせるだろうけど・・・・・・

この先はなぁ・・・・・。

うーん。と、思案していると、お兄ちゃんが部屋のドアをノックする。

あかり?・・・・ご飯だぞ?まだか?」

うぐっ!!フィルター越しでもキツイなこれはっ!!

で、でも。お姉様のおかげで何とか耐えられそうだ・・・・。

ていうかっ!!耐えてくれっ!!

俺っ!!

俺は、とにかく手早く食事を済ませて部屋に引きこもる作戦に出る。

できるだけお兄ちゃんと話をしないように心がけた。

焦りながら、出来るだけ継母ママに話しかけてお兄ちゃんが家に帰ってきている事情を聴いた。

なんでも・・・・・・

なんとっ!!お兄ちゃんは、地元ラジオ放送局に看板番組を持たせてもらえるようになったらしいっ!!

すっごーいっ!!

新進気鋭のBL声優がいることを知った地元企業の女社長がお兄ちゃんの声に惚れ込んで(わかる。)、アニメ情報発信番組を地元ラジオ放送局とネット配信させるように頑張ってくれたらしいっ!!

凄いよねっ!!お兄ちゃんの努力が実ったんだねっ!!?

・・・・・・でもっ

その都合でこれから土日は、うちで過ごすのだとか・・・・。

行き帰りは少しの方が移動に使う電車賃と食費を浮かせるからね。帰りにはどうせ継母ママが食材を持たせてくれるんだろうし。その方が都合良いわけね。

・・・・・・

・・・・・・・・て、ことは、これから土日は、ずっとお兄ちゃんのエロボイス地獄ってこと!?

やだやだやだっ!!!壊れちゃうっ!!

男の子に戻れなくなっちゃうっ!!


このままじゃ、壊れちゃうと。早々に食事をすませると、俺は部屋に引きこもる。

ただ、流石にその様子が怪しかったのか、お兄ちゃんは「どうした?なんか今日は変だぞ?」と、ドア越しに尋ねてきた。

「あああああっ!!ご、ごごごご、ごめんなさいっ!!ちょっと、調べものしたくてねっ!!友達との話題に乗り遅れちゃうからっ!!」

俺はとっさにしては上手い言い訳を考えた。

すると、ドアの向こうから、ホッとしたような、ちょっと寂しそうな声で

「あ・・・そっか・・・・。邪魔してごめんな。明・・・・今夜21時に俺の放送の番宣がちょっと流れるから。きいてくれよ・・・。」

聞こえてきた。

・・・・・ややややや、やめてよっ!!男の子がちょっと気弱な声出すとかっ!!

母性愛出ちゃうでしょっ!!

・・・・・・本当にやめてよね・・・・・・。

俺は、ちょっとしんみりしながらも、男が女物の下着を買う方法をスマホで検索する。

「男が女性下着を買う方法」なんて、簡単な検索用語である程度、ひっかかるのだから便利なのか、恐ろしい世の中なのか・・・。

とりあえず、買えるみたいだな。

でも、どれも可愛いし、どれを買えばいいのか迷うぞ・・・・・どうしよう。

相談相手って。流石に継母ママに聞くわけにもいかないし・・・・・

と、思いながら色々見ているうちに沢山の女装画像をみてしまう。

・・・

・・・・・・・・・・・

・・・・ちょっ・・・・・

なにこれ・・・・?

マジで、これ・・・・・男なの?

メチャクチャきれいじゃんっ!!俺もこんなの着てみたいっ!!

って、なに考えてんだよっ!!しっかりしろよっ!!

と、自分を律しようとしていた時、一人の少年の女装画像を見つけてしまった・・・・・。


これっ!!

こいつ、知ってる!!確か隣のクラスのチビだっ!!

あいつ、こんな可愛い衣装きていたのかっ!!

そうか、こいつに尋ねてみるかっ!!なーに、嫌がってもこの女装している画像を学校で広めるぞって言えば大人しくなるはずだ・・・・・。

よ~しっ!!問題解決っ!!

俺が安堵のため息をついたとき、時計の針が21時を指そうとしていることに気が付いた・・・・。

あ、お兄ちゃんの番宣の流れる時間だ・・・・・・・・。

慌ててネットにつないでイヤホンを付けてお兄ちゃんのラジオを聞く。

「声優のさかき たけるの新番組が来月より始まりますっ!つきましては皆様からのお便りを募集しています・・・・・・。」

優しく、穏やかな口調のお兄ちゃんの番宣・・・・

だめだよ・・・・・

だめだよ・・・・・

お兄ちゃんの声を聴きながら、こんなことしちゃダメだよぅっ・・・・・・

そう思いつつも俺は下着が汚れないようにズラしていく・・・・・

俺はお兄ちゃんの声にあらがえなかったの・・・。

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