ホラー映画嫌いっ!!
お陰様でPVが10000超えました!!
初めての万超えに興奮していますっ!!
メチャクチャ嬉しいですっ!!
本当にありがとうございますっ!
お兄ちゃんの部屋で・・・映画鑑賞っ!?
そ、そそそ、それって言ってみれば、密室に二人っきりってことだよねっ!!
私は部屋に戻ると、ベッドに突っ伏して、その状況を想像するだけでドキドキしてしまうのだった。
「密室って・・・・言い方っ!!なんちゅう~、言い方をするんじゃ、お前は。」
と、お姉様に突っ込まれるも、実際にそうだもん。
お兄ちゃんの部屋でずっと一緒って・・・・・私、即落ちしちゃうかも・・・・。
「そうかもな。武様。流石に女慣れしておるなぁ・・・・・・。緩急の付け方が絶妙じゃ」
うん。
優しさと男性の危険さを感じさせてくれるわね。まるで私を狙う肉食獣のよう。
でも、私もまんざらじゃないというか、お兄ちゃんのことを好きだから、そこまで狙ってもらえると嬉しいって言うかぁ・・・・
「・・・・お前、そんな始末で、よく妾をドМ呼ばわりできるな。」
ううっ・・・・これってM気質になるのかなぁ?
女の子だったら、普通の感覚だと思うけど・・・?だって、少女漫画の主人公って大体、皆、そうやって言い寄られるのって幸せそうに感じているじゃない。
「お前のバイブルは少女漫画じゃものなぁ・・・・・ずいぶん増えたの。少女漫画」
言われて見て、本棚をみると確かに増えたと思う。
なんて言うか、段々、少年漫画よりもこっちの方が面白くなってきたのよね。いや、今でも少年漫画は読むけど。
男性向けの漫画って恋愛要素がやっぱり、おまけじゃない?
私がBL読みだして意外だなって思ったのも、そこかなぁ。BLってもっと肉欲まみれの物ばかりかと思ってたけど、ちゃんと恋愛している描写が大事に描かれているのが最高なのよね。
そういう部分を重要にしているからこそ、ラストで最後にラブラブで終わることが出来るんだと思うし・・・・
「わかる。前にも言ったように妾もあの教師がメス堕ちさせられる話のラストが滅茶苦茶好きじゃ。あれのために途中の展開があるのじゃと思う。」
だよね。
だから、私、少女漫画をバイブルにしたいの。もう、男の子の感情って思い出せないし、それなら夢を見させてくれるような男の子と恋愛したいって思うから。
「ふむ。乙女じゃのう。まぁ、いくつになってもそういう思いから逃れられないのも女の性。
明、お前がそう言う夢を見てしまうのは仕方のない事じゃな。」
お姉様も腕組しながら、うんうんと頷いて同意してくれる。
ジッと、お姉様の両腕にのしかかる胸をあらためて見る。
大きい、大きすぎる。
でも、やっぱり、男の子って巨乳の方が好きだよね。私もあれぐらいのサイズになることを喜んだ方が良いのかしら?
「前から言うとるが、男は基本やれたらなんでもいいから、そこまで気にすることはない。
それよりも見せ方じゃな。」
・・・・・見せ方って?
「例えばじゃな。細身の子ほどか弱いイメージを男は抱きたがるから、出来るだけ清楚に振舞うことじゃ。男の保護欲をそそるからの。
豊満な子は、アクティブすぎると遊んでいると思われてしまうから、やはり、清楚な恰好の方がよい。
しかし、胸のアピールが出来るのは間違いないから、前に武様が言うたように、さり気なく童貞を殺すようなしぐさをすればよいのじゃ。」
・・・・オッパイ大きい子がアクティブな恰好したらダメ?
「ダメとは言わん。もう少し大人になってからだと、男が寄ってきやすいかな。だが、お前の周りにおるような子たちは、お前に色香はそこまで求めておらん。真面目じゃからの。
だから、清楚な感じにした方がよいかの。これが20過ぎた男相手だったら、そりゃ、もうグイグイ男の方が寄ってくるじゃろうな。
武様なんかは、百戦錬磨だから、なんだって食っちまうだろうがな。」
う・・・お兄ちゃんって見境ないの?
「その時、その時で本気になるじゃろうが、一人の時はそんなもんじゃろ。むしろあの年齢で女に奥手では芸能人としてはやっていけんのではないかともうぞ。」
・・・それは、確かにそうかな。
芸能人って性欲凄そうだし・・・・。
・・・・・・・・変なこと想像しちゃった。
「お前は毎晩、想像しておるだろうが・・・。」
うううっ!そ、そんなこと・・・・・ある・・・
悔しーっ!!私って淫乱かな?
「年頃の女が消極的すぎても困るし、気にするな。それに今、気にするべきは明日のデートじゃろっ!!」
ああああああっ!!わ、忘れてたぁッ!!
「・・・・・・アホじゃのう・・・・。」
そうこうしているうちに、夜が明けて日曜日の朝が来た。
ママは「今日は二人で出かけないの?ねっ!?」
っと、しつこい聞いてくる。
なんで親って、こういう事、根掘り葉掘り聞いてくるんだろうね。こっちは恥ずかしいのにね。
とりあえず、朝食の後片付けが終わったら、着替えてお兄ちゃんと買い出しに行く。
飲み物とお菓子と・・・・。
お兄ちゃんは、お酒も用意しようとするから止めた。
「私、お酒の匂い嫌いっ!!臭いもんっ!!」
お兄ちゃんは仕方なく、缶ビールを棚に戻した。
お昼はピザの宅配をしてもらおうと決めて、私たちはたくさんのお菓子とジュースを手に持って・・・・・お兄ちゃんの部屋に入った。
「おお・・・・・清潔にしておるなぁ。それでもやはり男のフェロモンが香ってくるがの・・・・。」
お姉様はお兄ちゃんの部屋の感想を述べた。
実家を出て都会に住んでいるお兄ちゃんにとって、実家のこの部屋は既に別荘のような扱いなので、そもそも物がすくないけど、確かに男の人の部屋にしては清潔だと思う。私が男の子のだった頃の部屋の方が乱雑だったと思う。
それでも、女の子になって改めてお兄ちゃんの部屋に入ると、男の子の部屋に来ちゃたと思わされてしまう。私が入り口で固まっていると、お兄ちゃんが「ほらっ」って背中を押してくれた。
男の人に背中に手を回されただけで、ドキッとしてしまう。
ああ。私、女の子なんだなって思わされてしまう。
私はフワフワした足どりでソファーに腰掛けると、お兄ちゃんに「そんなに緊張しなくっても、今日はまだ何もしないよ。」って笑われてしまった。
だってっ!しょうがないでしょっ!私、女の子初心者なんだからっ!!
男の人と部屋で二人っきりになるのなんて初めてなんだからっ!!
・・・・て、いうか、「今日は」まだ何もしないって何よっ!!・・・お兄ちゃんのエッチっ!!
私がそうやって不貞腐れている間にお兄ちゃんはネットとテレビをつないで、加入しているチャンネルに接続する。
そうしてテレビから戻ると、私の隣にドカッと男らしく座る。その音だけで私はビクッと震えてしまうのに・・・・・・。
「わざとじゃな。プレッシャーを与えて来ておるぞ。気を付けろ、明、この後・・・恐らく」
・・・え?
なに・・・恐らく・・・なに?
・・・・やだ、怖いっ!!・・・お兄ちゃん何するつもりなの?
私が恐る恐る隣を見ると、お兄ちゃんはにっこり笑って「何を見る?」って聞いてきた。
・・・な、
なーんだっ!!もう、お姉様ったら。私を怖がらせようと思ってぇ~・・・。
私はリクエストとして答えつつ、お兄ちゃんの反応を見つつの実に女子らしい返答をする。
「え~と、じゃぁ、何か、話題作にする?・・・・それとも恋愛映画にする?」
しかし、お兄ちゃんは首を左右に振ってこういうのだった。
「女の子と二人っきりで見るなら・・・・・やっぱり、ホラーでしょ!」
い、
いやあああああああ~~~~っ!!
お姉様が心の中でぼそっと「ほら、来たぞ」と呟くのでした。
そこからは地獄のような時間が過ぎた。
なにしろお兄ちゃんのチョイスは、スプラッターこそないけど、本当に怖い心霊ものやサイコホラーばっかりで、私は、たった2時間の視聴で疲労困憊になった。
怯えながら、何度もお兄ちゃんに抱き着いていたことを思い出したのは、お昼のピザが届いてからだった。
「うう~・・・怖かったよぉ~。お兄ちゃんのバカぁ~・・・・グスグス。」
私は泣きながら、お兄ちゃんに恨み言を言いながら、ピザに手を伸ばす。
でも、私昔はここまで怖がり座なかったのに・・・・・なんでだろう?
「そ、それはな~・・・・グスグスっ・・・・・明、お前の中の女性ホルモンが、情緒を乱しておるのじゃぁ・・・・・グスグスっ・・・・」
お姉様まで泣いてるしっ!!・・・・やっぱりあの映画怖かったですよね?
「怖かったぁ~・・・・武様のばかぁ~・・・グスグスっ・・・・」
私たちは心の中で抱擁しあって、お互いを慰めあうのでした。
お兄ちゃんは人の気持ちも知らずに「ははは。ごめんごめん。まさか、ここまでガチで怖がるとは思ってなかったからさぁ・・・・」なんて言って嬉しそうに笑った。
嘘だっ!!絶対お兄ちゃんは2本目から本気で私を泣かしにかかってた!!
む~、覚えてろっ!!
「今晩はご飯作ってあげないんだからっ!!」
私は、最終手段を使う。お兄ちゃんは、私の本気を悟って、ちゃんと謝ってくれた。
「午後からは、恋愛映画にしよう?・・・・な?」
なんて言って機嫌をとりに来たけど、ちょっと許せないなぁ。
もうね、こうなったら復讐してやる。
「午後からは、私、BLがみたいっ!!女の子なんだし、BL見ても構わないわよね?」
「お・・・・おお・・・。」
お兄ちゃんは、「身内と二人っきりで自分のBL作品の演技を見られるのは、結構きついんだけど」と、泣き言いうから、仕方なく、私は少女漫画原作のアニメで勘弁してあげた・・・・。
でも、これが・・・すっごく良かった。
原作見てたから内容は知ってたけど、いざ声がついて動くとなると感動もひとしお。
私は、ラストには感動の涙をこらえられずにいた・・・・・。
その時、私の心は、きっと恋愛脳になっていたのだろう。
自分からお兄ちゃんに肩よせてる様にもたれかかった。お兄ちゃんは、私の肩をそっと抱くと、私を見つめる。
その時、私はきっとお兄ちゃんを熱く見つめていたんだろうと思う・・・・だからお兄ちゃんは、私の唇を奪おうとそっと、私の顎に手を当てた・・・・。